2014 位相 どこにいる?

この世界をもう一つの視点で眺める♪

〜星乃かたみち〜

2017-07-23 21:05:44 | 日記
今夜も自習♪

http://hoshinokatachimi.blog.jp/archives/2683267.html

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今日は
ドイツの精神分析・社会心理学の研究者エーリッヒ・フロムの
「権威主義的パーソナリティ」
について書きたいと思います。

前回
「価値を見失った若者たち」
という記事を書きましたが、
この価値を見失った若者たちが
陥りやすいのが
「権威主義的パーソナリティ」です。



この概念は
1930年代のドイツの
ファシズム台頭の時期に 提出された
概念なので、
現在の日本の若者に限った
傾向ではありません。

人間は普遍的に
そういう意識状態に陥りやすい傾向を
持っていて、
日本の若者も時を経て、
この傾向を表し始めたということです。



社会学者の
宮台真司さんに言わせれば、
まさに「自動機械」です
(詳しくは宮台真司氏「自動機械」
についての心理学的考察へ)。



エーリッヒ・フロム
「権威主義的パーソナリティ」とは

Wikipediaによると
硬直化した思考により 強者や権威を
無批判に受け入れ、
少数派を憎む社会的性格
(パーソナリティ)のことを
指して
権威主義的パーソナリティと言われる。



フロムはこれを
権威ある者への絶対的服従と、
自己より弱い者に対する攻撃的性格の
共生とした。
思考の柔軟性に欠けており、
強い者や権威に従う、
単純な思考が目立ち、
自分の意見や関心が
社会でも常識だと誤解して捉える
傾向が強い。   


つまり、
権威的なものの思考や価値観を
そのまま取り入れ、同一化する。
そして、
少数派や弱者を否定すると
いう態度です。

宮台さんは
著書『正義から享楽へ』で、
「権威主義的パーソナリティー」
のことを

自らの没落を意識する、
元は没落していなかった社会層が、
不安の埋め合わせとして
強きものに所属しようとする、
動きの中に見出される、
自動機械的なー1次元的なー
パーソンのことを言います。

と説明しています。

つまり、
自分が没落しつつある
という不安を打ち消すために、
権威と同一化しようとする
心の働きなんですね。

前回の記事で、
日本の高校生は圧倒的に
自己評価が低いということを
お話しました。

そして、
日本では教育、経済格差が
どんどん拡がっています。
若者たちは、
何も「変わるわけない」と思い、
他者の承認だけを求めて生きる中で、
人生での理想や価値を見失っています。



その価値が
見失われた状態を直視しつつ、
新しい価値を探すことができれば、
この先の日本や人類にも
希望が持てます。

でも、
そのような自分の状態を直視して
生き続けられる
強い人間は少ないのです。



このような社会の状態が続くことで、
多くの若者が無意識の自動機械に
飲まれ
「権威主義的パーソナリティ」
に陥ってしまいます。

そうすると、
人間的な成長や日本人として、
人類としての進歩も
止まってしまうのです。

「心理学における精神的健康」
の記事にも書きましたが、
人間は認知的不協和理論によって、
それまでの考え方や価値観を
必死で守ろうとするからです。

私はそれを最も心配しています。

これは
心理学では有名な
「自我同一性地位」
の研究でも言われていることです。


「権威主義的パーソナリティ」
は自我同一性地位における
「早期完了」


この権威主義的パーソナリティは
社会における人間の行動傾向を
見たものですが、
個人的に見ると、
自我同一性地位における
「早期完了」という状態に
当てはまります
(「心理学における精神的健康」
参照)。



自我同一性の「早期完了」とは、
13歳から19歳くらいまでの課題で
あるアイデンティティの
確立において、
親の価値観や考え方を
そのまま取り入れて、
自分と向き合わず、
凝り固まった生き方で
成長が止まってしまう状態です。



「権威主義的パーソナリティ」は、
「早期完了」での
親が社会的権威に変わっただけで、
基本的に構造は同じです。



この自我同一性地位という概念を
発表したマーシャは、
自我同一性を達成するためには 「危機」が必要と言います。

危機とは、
それまで何の疑いもなく
受け入れていた親の価値観、
考え方に疑問を持ち、
迷いが生じることです。



「早期完了」とは、
「親と自分は違う存在である」
という事実や親に対する
不満やネガティブな感情から目を背け、「危機」が経験されないまま、
親と同一化し続ける
ということなんです。


同じように
「権威主義的パーソナリティ」も、
自己の没落=日本では自己評価の低さ
という現実から目を背け、
権威と同一化してしまう
ということです。



この2つの状態では、
本当の自分は置き去りになり、
他者が主体の生き方しか
できなくなってしまいます。

そして、
この「権威主義的パーソナリティ」は、精神科医の斉藤環先生の言う
「キャラ」の一つの形態
でもあると言えます。


人気アニメキャラの変化


実際、
ここ数十年のアニメの人気キャラを
見てみても、
「権威主義的パーソナリティ」
が出現してきているということが
はっきりとわかります。

1980年代以前は、
「真面目」「努力家」「優しい」
というヒーローが多かったですよね。

巨人の星の星飛雄馬や
宇宙戦艦ヤマトの古代進、
ガッチャマン、
タイムボカンシリーズなどなど。

しかし、
最近特に目につくのは「クール」
「理論的・合理的」 「人を見下したような態度」というキャラです。
こう言うキャラが
特に「カッコイイ」
とされるようになってきたのは、
2000年代に入ってからですね。



私が特に思いつくのは、
「進撃の巨人」のリヴァイです。
進撃の巨人キャラクター人気投票では
常に1位を取るくらい
人気のキャラです。


そして、
最近話題になった
SFアニメ「正解するカド」
の主人公真道幸路朗、
高次元存在
ヤハクィザシュニナも
そんなキャラでした。

でも、
「人を見下したような態度」が
「権威主義的パーソナリティ」
なのはわかるけど、
なんでクールで理論的なの?
と思いますよね。

クールで理論的というのは、
感情を排除しているということです。

つまり、
本当の自分と向き合うことなく、
感情を無視して、
権威と同一化したキャラをかぶる。
そういう風にして出来上がるのが、
この最近流行りの
「クール」キャラだと思います。


科学絶対主義と
「権威主義的パーソナリティ」


そして、
もう一つ気になるのが若い人の
科学絶対主義です。

最近はオカルト系の番組も
減ってますし、
実際スピリチュアル系の
講演会とかは中高年の方ばかりです。

これも、
私はやはり
「権威主義的パーソナリティ」
の影響があると思っています。

科学は現在の人類において
絶対の権威であることは
間違いないですから。



でも、
「素粒子の正体は誰も知らない」
で書きました通り、
この世界は本当は
実体のない世界かもしれないんです。

もし、
ボーアのいうことが正しいなら、
ビックバンも、
進化論も嘘ということになります。



私たちは、人生の価値が見失われ、
素粒子の正体は誰も知らないという
時代に生きています。

ボーアが正しいか、
アインシュタインが正しいか、
確率は50/50です。
それなのに、
自分の自我を守るため、
今の科学が絶対で、
権威が正しいということ以外
受け入れられないのであれば、
何も新しい価値は
見出せないのではないでしょうか。



最近、
真実よりも感情的なものを
重要視するという
「ポスト・トゥルース」という
概念も流行っています。

ここで言う「感情的なもの」とは、
先ほどお話しした
最近のアニメキャラが
「感情を排除している」
といった時の「感情」とは別物です。

つまり、
本当の自分から生じるものではなくて、自分を守ろうとして生じる、
自分を真実から遠ざける感情です。

認知的不協和理論の例として
よくあげられる
「酸っぱい葡萄」のイソップ童話で、

狐が「あの葡萄は酸っぱいから
いらない」という時の感情です。

葡萄が酸っぱいかどうかは
わからないのに、
自分を守ろうとする
感情を優先してしまうのです。


これは宮台さんの言う
「正義から享楽へ」
という時代の流れや、
前回お話しした
「超自我の減退」とも
関係してくることですが、
人類全体が
易きに流れるという
方向に向かっています。

でも、
私がこのブログで
ずっとお話ししてきていることですが、

人間的成長、
人類の進歩に必要なのは、
まず、
自分に都合のいい考え方に流されず、
真実を見る
ということなのではないか
と思っています。

そういう意味で
「権威主義的パーソナリティ」は、
今後の人類の
発展の前に立ちはだかる
大きな壁の一つだろうと思います。

続く

〜抜粋・転載文〜







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