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Booklog 内田麟太郎の本棚
作・最上一平 絵・青山友美 新日本出版社 1300円+税
人が嫌いなわけではありません。でも、うまく人と話せないのです。そんなりりは家を出ると「しっている人に あいませんように」と、体を小さくして道路のはしっこを歩きます。角を曲がるときは、今日はなにが待っているのかわかったもんじゃない、と不安になります。
こんなりりのこころの安定剤は、ポケットにしまっている虫眼鏡です。虫眼鏡で見ると世界は海の中になります。小学校も海の底に。クラスメートは魚に。
りりは教室でもだれともしゃべりません。筆箱に隠しているダンゴムシだけが友だちです。りりはそれを虫眼鏡で見ます。しょこしょこと動くダンゴムシに、りりは思わず笑います。ところが机からその筆箱が転げ落ちて。
クラスメートが魚に見えるところは、カフカの甲虫やシュルレアリスムを思わせますが、最上さんはそんなしゃれたことを考えられたのではないでしょう。りりとクラスメートの不安な“関係”をそうされたのにちがいありません。
わたしは読みながら(しみじみとした文章だなぁ)と何度もつぶやいていました。りりは事件(というほどではありませんが)を経て、クラスメートにこころから「みんな ありがとう」と大きな声でいいます。魚だったクラスメートも人に見えてきます。そのりりの喜びが、しみじみと伝わってくるんです。
わたしは詩を推敲し、童話を書いていました。42枚。初稿完了。2枚多いのでこれから削ることになります。削るのは好きです。
苫小牧in 内田麟太郎
日時・8月26日 13:00~ 場所・苫小牧中央図書館 ☎ 35-0511 定員・70名
まだ受け付けていません。詳細は電話でお問い合わせください。