『百式英単語』ーー最良の英単語本の一つ

塾生に教えてもらったのだが、今年でたばかりの『百式英単語』というのは、もっとも優れた英単語本の一つである。何と言っても英単語の能率良い覚え方を具体的に指示している点が素晴らしいのである。

本書では、書いて覚えるとか、聞いて覚える、あるいはカードで覚える方法を、あっさりと否定する。なるほどと私は思う。とくに書いて英単語を覚えようとしている高校生を見かけると、こりゃーダメだなあ、と思えてしょうがないからだ。

では、どうやって覚えるのか。

◎意味の分からない英単語について、英単語ー日本語訳と五〇－七〇個（最初は50個でなれてきたら70個にする）ならべてみる。たとえば、encroach　侵入する、engrave 彫り込む、forestall 未然に防ぐ、grapple 取り組む、juggle やり繰りする　という具合である。

◎　英語ー日本語訳を各3回よむ。encroach　侵入する、encroach　侵入する、encroach　侵入する、engrave 彫り込む、engrave 彫り込む、engrave 彫り込む、forestall 未然に防ぐ、forestall 未然に防ぐ、forestall 未然に防ぐ、という具合である。こんなふうにお経のように読めあげ、最後まで来たら最初に戻り、20分間読みつづける。


◎同じ単語リストを用い、以上の作業を一週間続ける。一日１0単語づつ覚えるのではない。（そうすると次々に忘れてしまう）。一週間毎日同じ50-70語を繰り返す。すると全部頭に残るのだそうだ。

◎同義語・類義語・反義語等は覚えない。語法にも手を出さない。とりあえず、お経のように日本語ー英語と読み続ける。

◎このようなやり方で一日二〇分をつづけていくと、ほぼ二四時間で二〇〇〇語の必須語を覚えられるようになるというのだ。


大変良い方法論だと思ったので、私も早速真似することにした。かなり大きめなノートに日本語と英語を書くと、一頁に五〇単語はいる。（写真参照のこと）。このノートをいつも持ち歩き、読み上げることにしたのだ。五〇語を英和二回づつ読むのにほぼ二分かかった。つまり、二〇分ならば一〇周できることになる。生徒にはぜひ勧めたい。

ただし一言！　自家製の単語ノートは必ずしも作る必要はない。なくても良い。単語集をナイフで切り分け持ち運んでも良いだろう。くれぐれもノート作りを目的にしないことが肝要である。
（2013/02/03に修正）


　


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