林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

塾生の英検一次試験合格

2015年07月01日 | 受験
塾生が何人か英検を受験しましたが、みんな良い点で一次を合格しています。

本当に嬉しい限りです。

知り得た得点を記載しましょう。


Mさん(高1)
 中3時に入塾して一年以上経ちました。当初は英語ビリのクラスでしたが、高校になってようやく真ん中のクラスになった努力家です。
 Marvin Redpostくんのシリーズ(by Louis Sachar)を英語の原書で何冊も読んでいます。

今回は英検2級に挑戦です。なんと、75点満点で61点でした。合格最低点は46点ですから、15点も上回っており、正解率8割以上となっています。



Sさん(中2)

 中学から英語を始めすぐに入塾しました。熱心に英語を音読する女の子です。今回は英検3級に臨みました。試験結果を撮らせてもらいましたのでアップしますね。



英検3級の満点は65点で59点です。これも好成績ですね。正解率9割を超えています。なお、合格最低点は38点です。合格点を21点も上回っています。



将来の大学受験生にとって英検2級までは合格して当たり前です。問題はどれくらいの正解率で合格するかでしょう。塾生の奮闘を祈ります。




シリウス英語個別指導塾 (by 東大式個別ゼミ)
東林間・相模大野・町田・中央林間

小中高一貫校生のための英語個別指導塾です。東大医学部等を志望される方はぜひHPもご覧ください。

 英語・入試過去問の対策・指導いたします。(大学受験)

2015年03月24日 | 受験
東大後期試験も終わり、今年の入学試験はほぼ終了いたしました。(追加) I君が、東大後期に合格しました。東京大学文科一類(法学部進学予定類)に進学する予定だそうです)。

今年度は、第一志望については残念だった人もいましたが、O君(相模原中等教育学校)は見事京都大学に合格しました。我々は、2005年から20014年まで10年分の京都大学の英語入試問題に取り組みました。とくに英作文(※)は、他の受験生との差のつけ所ですので、丁寧に検討してきました。その成果が出たと言えるでしょう。嬉しい限りです。しかし、それ以上に嬉しいのは、彼を中1レベルの本当の初歩から指導した生徒さんだったということです。

今、京都への引っ越し準備で大変忙しいところですが、さっそく当塾の体験記を書いてもらいました。

2015年も、東大・京大・東工大・一橋大学・早稲田・慶應・国立及び私立大学医学部等の難関大学の入試過去問(英語)について、マンツーマンで過去問対策・過去問指導をいたします。希望者は、HPから電話またはメールでご連絡ください。

ただし、英作文指導(東大、京大、一橋、早稲田(政経、法など)、慶應(経済など))を希望する場合は、秋以降は原則的に受け付けませんので、ご連絡はお早めに。


(※)当塾の英作文対策については、おいおいブログやHPで説明していく予定です。


私立中高一貫校専門、英語個別指導塾
シリウス英語個別指導 (by 東大式個別ゼミ)


小田急線江ノ島線   中央林間・東林間・相模大野
東急田園都市沿線   つきみ野・青葉台・つくし野
JR横浜線       成瀬、長津田、十日市場

スカイプ授業にて遠隔地にても授業可能です。

東大英語対策:基礎的単語の再確認の必要性(1)

2014年10月17日 | 受験

最近は、東大英語の過去問を研究している。東大の過去問を解きながら、東大の問題の研究本・参考書も収集し読み比べているのである。

東大英語には明らかな特徴がある。

一つは、あまり難しい英文・英単語が出てこない点である。早稲田や慶應の入試問題で出てくるものと比べて、明らかに容易なのだ。たとえば、東大では「民主主義で大事なのは国民の自由で平等な参加である」という公民の教科書レベルを理解できれば良い。要するに高校社会科レベルを理解していればよろしい。しかし、早稲田や慶応では、進化論に関する議論や、Wall Street Journalの記事を読み取らなければならないのである。語彙に至っては、は英検一級レベルの語彙力さえ求められていることもある。

東大英語の英文は語彙も易しい。だが、もちろんのことだが、落とし穴が用意されている。たとえば、今年(2014年)の英文和訳の問題がある。
A case can be made on the grounds of efficiency for either approach. の和訳である。 (写真参照)。この文章では "a case"を正しく訳出しなければならない。もちろん、caseは受験生の誰もが知っているだろう。ごく平易な単語のはずである。だが、普通の東大受験生が知っているcaseの語義は、次の二つ、つまり、(1)a case---ケース、事例、(2)the case---事実、実情 だけである。(『ウィズダム英和』を参照)。

どちらの語義を当てはめても、適切な和訳はできない。したがって、東大受験生は文脈から単語(この場合はcase)の意味を類推しなければならない。今回の場合は、「論拠」だとか「申し立て」といった意味があることを推し量らなければならないのである。(『ウィズダム英和・和英』を参照のこと)

東大英語では、基本単語であるにも関わらず、学習者の常識的理解を超えた意義を問う問題がよく出されるのである。

このような出題に対して、受験生はどのような対策をしたらよいのか。当然ながら一つのまっとうな方法論は、機会を見つける度に、自分では分かっていると思っている単語・語句について、辞書を丁寧に読んでおくことである。しかし、何か良い参考書はないものか。実は一冊良い学習書をみつけた。次回は、その本の紹介をしよう。

筑駒・開成高校受験生のための英語個別指導はじめますー筑駒出身者(高校受験合格)による直接指導

2013年07月17日 | 受験
今この時代の首都圏(東京、神奈川)在住であっても、敢えて高校受験を選択し、そこから一流大学を目指そうというご家庭も、案外多いのではないでしょうか。



私自身も中学受験は体験していません。小学生時代は塾通いや中学受験準備は全くしませんでした。ちょっと難しい本などは読んでいましたが、家庭学習とは無縁です。勉強を始めたのは公立中学に上がってからです。そんな私でも集中学習が功を奏したのか、中3の秋から冬にかけて成績がどんどん上がり、ついには筑駒に高校から合格できてしまったのです。



なぜ私が筑駒に合格できたのか? 一つの理由は、当時の私は、英語については絶対の自信というものを持っていたからです。なぜ自信を持てたのかというと、相当な独学を重ねていました。その上に、英語だけは中3から毎週通塾を始めていたからです。今から考えても、独学だけでは得られないものを通塾で得ました。その塾は慶應高校志望者が集まる塾でしたが、先生が特別に作ってくれた英語構文問題集がとても良かったことを今でも覚えています。さらにはOxfordのトンチの効いた英語読み物Elementaryなどをどんどん読み進めました。



塾の先生は、大変よく指導してくださいました。が、現在の私であれば、さらに適切な指導ができるのではないかと思います。その理由の一つは、当時よりもはるかに優れた教材と指導法が今では確立されていることです。たとえば『シリウス発展編』のような便利な教材は当時は存在しませんでした。だからどうしてもボリューム不足は否めません。また、英語学習法も研究されていませんでしたし、便利な道具もありませんでした。



もう一つは、どのような勉強をどの程度すればよいのか、その配分を実感として判っているからです。筑駒や開成の英語入試問題は、たしかに難問ではありますが、あくまでも中学3年生を対象にした試験です。ですから、英検2級やセンター試験で高得点とれる英語力が求められているわけではないのです。ましてや英検準1級レベルは不要です。しかし、決して易しいというわけでもない。ちょっと微妙なレベルの英語力なのです。このあたりは、難関高校受験体験者でないと分かりにくいところでしょう。



筑駒・開成のような超難関校に本気で高校受験で合格しようとする人がいましたら、当塾のHPから私の方にご連絡ください。高校受験で筑駒に合格した教師(=先輩)だからこそできる、英語個別指導をいたします。お電話、メール、お待ちしております。





シリウス英語個別指導塾

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大学受験 英検対策

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嬉しい知らせ:医大補欠リスト入り

2013年03月09日 | 受験
嬉しい知らせが入ってきました。私立大学の医学部に臨んだT(神奈川県の私立中高一貫校)さんですが、埼玉医大の補欠リストに入ったそうです。

数ⅢCで出遅れていたので現役では難しいなあとは思っていましたが、一次の補欠入りです。センター模試で英語180点(9割)とまあまあの成績でしたが、それも功を奏したのでしょう。一年間でセンター試験140点→180点と40点アップしたことになります。

最終的に入学できるかどうかは分かりませんが、仮に残念だったとしても来年につながります。医学部の多浪生が多い中、現役で補欠入りできたことは確かな自信につながります。本当に嬉しい知らせでした。神様に良い知らせをお願いしておきます。奇跡の可能性はまだまだあるはずだからです。


東大式個別ゼミは、東大慶応講師(英検1級合格)講師二人だけの小さな個人塾です。

マンツーマン指導で英語の基礎基本(基礎文法確立)を固め、さらには、英検2級→センター試験8割(160点)→大学過去問演習とセンター試験9割以上(180点~)、英検準一級と実力アップさせます。基礎文法確立だけでなく、多読指導、理系英語、英検準1級2級についてもお任せください。

2013年度もどうぞよろしくお願いします。

東大式個別ゼミ
小田急江ノ島線・東林間徒歩3分
℡/Fax:042-749-2404


2013年の受験結果:明治大学法学部ほか

2013年03月07日 | 受験
ウチは講師二人だけの小さな個人塾ですが、大学受験生も預かっています。

今年の受験結果をご報告致します。

まずは神奈川県立高校の Y 君。明治大学法学部に合格です。MARCHでも最難関に位置する明治大学の法学部法律学科は第一志望でしたが、本当に嬉しい合格です。他には、青山学院大学法学部、法政大学法学部、成蹊大学法学部、明治学院大学法学部、日本大学法学部など、しっかりと合格しました。

彼の高校では3年生の12月にようやく日本史の授業が終了するというような状況でしたので、かなり我々も心配していたのですが、最高の結果となりました。


神奈川県の私立中高一貫女子校のTさんは明治学院大学心理学部 と日本大学文理学部、昭和女子大学心理学科に合格です。社会科が苦手なので苦労したようですが、最終的には希望する明治学院大学に合格する事はできました。本当に良かったです。我々もホットしました。


東京都の私立中高一貫女子校のHさんは、東洋大学の受験学部全てに合格し、さらに神奈川大学の給費生(授業料免除制度)にも合格しました。第一志望の東洋大学経済学部に進学する事になるでしょう。高校1年当時は危機的な成績だったのですが、その後当塾で頑張り、成績は急上昇しました。法政大学や成蹊大学ならば合格する可能性があったので、ぜひとも受験して欲しいなと思いましたが、本人の意思を尊重しました。

いずれも中堅進学校からの大学受験でしたが、推薦や内部進学等に逃げずよく頑張ってくれたと思います。

当塾は、英語の基礎基本をしっかり固めることから始め、受験前の3ヶ月~6ヶ月にわたっては、受験大学の過去問演習に取り組みます。今後とも、東大式個別ゼミをよろしくお願いいたします。


東大式個別ゼミ
完全マンツーマンで英語の個別指導をする小さな個人塾
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上位校の語彙力の秘密(その1)

2012年12月18日 | 受験
中堅進学校の生徒に英文解釈を教えていると、驚くほどある種の語彙力が少ないことに気づかされる。例えば、the WestとかWesternといった言葉を知らない。ほとんど全ての中堅校の受験生は、「西」とか「西では」と訳してしまう。WESTという単語から、「近代」とか「西洋文明」といった、普遍的な性格を持つ概念を読み取ることはできないのだ。つまり、東西南北の西というふうにしか理解できないのである。

センター試験までのやさしい英語では、これでも何とかなる。しかし、やや評論文はダメだ。

たとえば次の文章を見てもらいたい。「例をあげますと、明治以降、全ての分野において、日本は西洋を唯一の物差しとして考えてきた。これが絶対的思考でしょう。それが行き詰まると、今度は西洋と東洋という二つの物差しで物事考えるようになる。となれば、これは相対的な思想ですね」 ( 出口 汪『早わかり入試頻出評論用語 』より)

ある程度の語彙力を持っていれば、けっして難しい文章ではない。しかし、「西洋」及び「東洋」という言葉を全く理解できない読者を想定してみよう。かなり厳しいはずである。ましてや、もしこれが英文であれば、ほとんど全く理解できないはずである。

問題は、彼らがWESTの言葉の意味を知らない事ではなく、日本語の「西洋文明」の意味を知らないということである。日本語でもよく分からない文章は、英語で理解できるはずがない。つまり、日本語の語彙の力が決定的に欠如しているがために、英語力向上に限界が訪れててしまうのだ。

具体的にいえば、センター試験150~60点くらいまでならば、日本語の語彙力が少なくとも何とかなる。日東駒専も受かるだろう。しかし、国公立大や明治学院や成蹊大学の英語の問題は読めなくなる。

では、どうしたら日本語の語彙力を豊かにする事ができるのだろうか。今回、神奈川の御三家に通う高校一年生の生徒の定期試験を見てみると、そのヒントが見付かったような気がした。中堅校の生徒が習得できず、上位校の生徒が簡単に習得できてしまう語彙力。その秘密を探ってみたい。(続く)

このブログで一番人気の記事は何故か姫路西高ですが、姫路西の母子の話がニュースなのでとりあげます。

2012年04月01日 | 受験
ちょっと面白いニュースです。「姫路市書写の塾講師、安政真弓さん(50)がこの春、かつて挑んだ東京大学を受験し、文科3類に合格した」とのことです。私の後輩ですね(笑)。

ご本人、そして息子さんも、姫路西高出身だそうです。息子さんは残念な結果だったようなのですが、とりあえず、おめでとうございます。


しかし、私としては、それで終わりにしたくありません。実はちょっと気になるのが「書写」という地名です。どの辺だかはっきりとは覚えていませんが、書写山の近くであることは確かでしょう。子どもの頃、なんどかロープウェイに乗ったことを覚えています。同時に自転車で何度も近くへ行った記憶が有ります。がたがたの坂道を自転車で駆け下り、しっかりとハンドルを握っていたので転倒せずに助かったというスリル満点の記憶があるのですが、たしか書写山の帰り道だったような。。。


追伸

今年の週刊誌の東大合格者欄には、姫路西高のところに安政さんのお名前がでているのでしょうか? なんかスゴイですね(笑)


「夢」を持たせてくれる高校と、目標を実現させようとする高校と。

2011年12月14日 | 受験
塾の私立高校生たちと話をしていると、大学進学についての学校側の姿勢が大きく二つに大別できるように見える。一方には、自分の行きたい大学を生徒たちが自由に「夢」見るがままにさせている高校がある。その対極には、一流大学進学について、その厳しい現実についていつも生徒たちに言い聞かせている高校がある。

塾をやっているものとして一番困ってしまうのは、前者のタイプの高校に在学する高校生が来た時である。日東駒専がちょっと無理そうなのに早慶上智や国立大学を希望したり、英検2級すら合格していないのに卒業後に海外正規留学を希望してしまうような、無垢な少年少女たちである。


子供時代というのは、世の中の荒波からは守られて安らかに暮らし、自分の夢を見ることができる時間である。サンタ・クロースの存在を信じることのできるというのは、何と幸せなことだろうかと思わないわけではない。だが、いつまでもそのようなファンタジーの中では生きられない。高校2年や3年生になって、いつまでも現実を直視できないのはちょっと不味いのではないか。なによりも、高校の教育方針が間違っていないだろうか。

もっとも高校側には言い分もあるだろう。たとえば、「夢」をモテるからこそ成績の良くない生徒であっても学園生活を楽しめるのだ、といった理屈である。確かに、夢と希望がなくなった私立中高一貫校では、授業中に生徒の声がうるさく授業が成立しないという。だから、ある種のマンモス私立では、生徒の「夢」を否定しないというのも、やむを得ない措置なのかもしれないと思わないわけではない。しかし、そんなふうに「夢」を尊重してしまう私学というのは、金もうけ主義なのではないかという疑念をぬぐえない。また、生徒のことを考えてもちょっと悲しいではないか。我々としても、そういう生徒を塾が引き受けるのは非常にキビシーのだ。こちらも本当のことを教えてあげるべきなのかどうなのか、困惑してしまうではないか。

他方、生徒に厳しくアプローチする高校に対しては、我々は好感を抱く。言葉に嘘がないからだ。「夢」を抱くことではなく、目標を実現する事に力を注いでいるからだ。

こんなことを書くのは、やはり高一から高二になるくらいまでの間に、生徒たちは何らかの決断を迫られていると思うからだ。だから、高校側にはその決断を支援してもらいたいのだ。

とくに重要なのは、数学をこれからも継続して勉強するのか、それとも断念するのかという選択をさせることである。国立や理系を目指すならば数学は必須だ。しかし、あるレベル以上の私立理系学部や国立大学が無理なのであれば、数学2Bや数学3Cの勉強をやめさせた方が本人のためだろう。しかし、日大に合格する事が難しいレベルの学力なのに、国公立大学を目指して数学を学ぶ生徒がいるのが現実だ。私は甚だしく遺憾に思う。

もう一つは英語の学力状況を知らしめ、有名大学に進学したい生徒には勉強の決意を新たにさせてもらいたいのである。半分以上の大学進学希望の高校生がおそらくは中学1年レベルの基礎英語力もない。だが、そのことについて個々の生徒に厳しく知らしめるような方針が欠如している「受験校」があまりにも多い。能天気な高校の高校生は、 Where did you buy the book? レベルの英作文もできないのに、慶應大学商学部を平気で希望したりする。そういう生徒に対して最終通告をつきつけるような厳しさが必要ではないのかと私は思う。2年間必死に頑張ればあれば、早慶は無理でもGMARCHや日東駒専なら届くかも知れない。そういうことを教えてあげるのが、本当の優しさではないのか。

生徒に現実を突きつける私学が増えて欲しいものだ。

『時間と学費をムダにしない大学選び』という大学情報本

2011年06月01日 | 受験
評判が悪くなかったので、『時間と学費をムダにしない大学選び』という本を中古で購入してみた。毎年新しい版が出ている高校生向けの本でもある。

時間と学費をムダにしない大学選び
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著者によれば、この本は東大志望者をから専門学校志望者まで幅広くカバーしており、高校生ならば誰でも参考になる本とのことである。表紙にもあるが、若者あこがれの職業(業界)の実情がどのようなモノであり、またその業界に入り込むためにはどのような大学に入ればよいのかを指南してあるのだ。17の業界とは、たとえば、マスコミ、公務員、教育、エンジニア、医師、看護、動物、ファッション、栄養、マンガなどである。さらには未定などというのもある。

結論を先取りすると、なんだか身も蓋もない提案がされている。あこがれの業界のほとんどでは、東大に行くのが最高の進学先のようなのだ。ごく例外的に、ファッション・栄養などはお茶大、スポーツが筑波大、教員は地方国立大学で良しとなっているだけだ。それらの大学も、普通の高校生が安易に進学できる大学ではない。もちろん、料理などについては料理の専門学校というコースも示されてはいる。しかし、憧れの仕事に就くためには、たいていの場合は、国公立大学やMARCH以上、できたら早慶、いややっぱり東大が望ましいということらしい。私としては、その結論を否定するつもりは全くない。「憧れの職業につきたいのであれば、東大に行け!」というのは、かなりの場合本当のことだと思うからだ。たとえば、女子アナになりたいのであれば、東大出の美女であるのが手っ取り早いだろうからだ。どういう意図で本書は書かれているのだろうか。





上の文章を読むと、世の中を舐めきっている高校生に厳しい現実を知らしめようという意図があるのかもしれない。しかし、勘違いしている高校生は、まずはこういった本を読まないだろう。また仮に読んだとしても、妄想はなくならないとは思うけれども。。。

他方、地道に進路選択しようという高校生に対しては、本書はシビアーすぎるかもしれない。たとえば、↓の頁。
これは公務員の項目だけれども、公務員=東大・国家公務員キャリア官僚というイメージから始まって序列がつけられている。東大法学部の学生にとって公務員というのはエリート官僚というイメージだろうけれども、MARCHや地方国立大学学生にとっての(地方)公務員というのは、もう端から全然別の世界のイメージなんじゃないだろうか。別に東大と比較しなくてもよいのではないかと思ってしまうのだが。

とはいえ全体的に言うと、MARCH・地方国立以上を狙える進学校の生徒にとっては、世の中の仕組みについて情報を提供している希有な読み物だと評価できるだろう。つまり、中堅以上の進学校(このあたりでいえば、県立大和高校や逗子開成以上の高校)の生徒にはオススメだ。しかし、「高校生ならば誰でも参考になる本」かといえば、僕はちょっと首を傾げる(かしげる)。専門学校も視野に入れているとは言うが、普通の高校生にはもっと別の本が書かれてしかるべきではないだろうか。

あと、本書について一言苦情を書いておく。36頁には次のような文章があるのだ。「マスコミを目指すなら、早稲田大学は文学部よりも文化構想学部がよいかも」「あなどれないのが教育学部」だと書いてあるのだ。こいつら、馬鹿じゃないのだろうか、と思ってしまうのだ。早稲田に合格するのは難しいのである。普通の判断力をそなえている早稲田志望生ならば、文化構想学部、文学部、教育学部と全学部受験するはずだ。さらには、人間科学や社会科学、あるいはスポーツ科学部だって受けるかも知れない。早稲田に複数の学部に合格するのであれば、その段階で文化構想学部に入学すれば良いのだ。しかし、彼らの本を鵜呑みにする頭の悪いマスコミ志望の高校生は、文化構想学部と教育学部しか受けないかも知れないではないか。悪い影響があるのではないのか、ちょっと気になるところだ。(実を言うと、今年の当塾の早稲田合格者は、この二つの学部しか受けなかったのである。私はお年玉をはたいてでも、三学部を全部受けるように何度何度も説得したのだが、文化構想学部の他にはようやく教育学部を受験しただけだったのである。たまたま教育学部に合格したら過良かったようなものの。。。。。もしかしたら、本書を鵜呑みにしてしまったのかも知れない)。


合格報告ー成蹊大学法学部

2011年03月02日 | 受験
さらにN君から報告があった。

成蹊大学法学部合格とのことだ。

N君は現代国語が強く古文が弱かったのだが、強みを生かしての受験校選択がうまくいったのでもあろう。

おめでとう! 最後の集中力がすごかったんだね。


なお、国学院経済学部も合格とのことだ。過去問演習で英語が9割とれていたのが自信になったようだ。

合格続報ーー早稲田合格

2011年02月27日 | 受験
奇跡が起きました。なんと早稲田の教育学部に合格です。

以前、東女と法政に受かった生徒はどちらに進学したらよいのかなあと書いた生徒なのですが、まさかの第一志望校合格でした。

国語が得意な生徒なので、国語の配点が高い教育学部国語国文科は有利だったのでしょう。そういえば、国文科だから作家の綿矢りさの後輩になれたのですね。

実はこの生徒、学習院大学の推薦入学というオファーがあったのに、それを蹴って一般試験で勝負するという大冒険に出ていたのです。しかし、結果は思わぬ快挙となりました。

本当に神様は存在するのですね。

我が国の英語教育論に欠けているもの(その2):私立中学入試の英語化の可能性

2011年02月16日 | 受験
さて、松本茂に限らず、多くの大学の英語教育専門家の英語教育改革に関する議論には、ちょっと物足りない。私見では二つの問題点がある。一つには受験体制についての言及が少なすぎること、もう一つは私学や民間の英語教育について議論をしようしない事である。

松本は、小学校の英語教育に賛同する立場であり、ここでも賛成の意見が述べられている。だが、松本教授は、そして対抗馬である慶応大学の大津教授も、将来の小学校英語教科化のインパクトについて、本当のことを全く書いていないように思われる。

ずばり、書いてしまおう。小学校における英語の教科化の最大かつ潜在的焦点は、私立中学受験に英語が採用されるか否かなのである。

今までは小学校で英語を勉強するということは、中学受験をしないということを意味していた。こういう状況が続いているのであれば、小学校教育に英語が導入されたところで、実は英語教育状況にそれ程のインパクトは生じない。せいぜい小学校の先生が苦しむくらいのものである。

だが、ひとたび早慶や御三家などの一流中学が英語を受験科目として採用すれば、我が国の小学生英語熱は一気に加熱する。首都圏と京阪神のエリート候補小学生が、2~3年の間、毎日のように塾・予備校と家庭で必死に英語を勉強するようになるのだ。

つまり、小学校における英語の教科活動の導入は、私立中学入試の英語化の可能性を秘めている。もちろんそれは、日本の一流私立中高一貫校の英語力が劇的にアップする事を意味する。小学校英語賛成派がこのメリットについて論じないのは、不思議としか言いようがない。

もちろん、上記のような私立中学入試の英語化は、うんざりする程の英語力格差の時代が到来する事をも意味する。首都圏あるいは京阪神に住居を構え、私立一流中高一貫校に合格しなければ、一流大学には合格できない時代が来るということに他ならないからだ。もちろん今でも東大・京大や慶応大学に合格できる者の多くは、私立中高一貫校の出身者である。しかし、英語格差がこんなふうに広がれば、地方公立高校出身者が一流大学に合格できる余地は限りなくゼロになってしまうだろう。残念ながら、このデメリットについて、小学校英語反対派は論じていないのではないだろうか。

大晦日の過去問特訓・法政大学の英語

2010年12月31日 | 受験
今日は大晦日ですが、受験生のために特別に過去問特訓をいたしました。2009年と2010年の文学部の英語問題の解説を2時間ばかりです。やあ、疲れました。しかし、今年最後なのでちょっとだけブログを記しておきます。(本当は書くネタはたくさんあるのですが、しばらく無精していたのです!)

さて、法政大学文学部なのですが、あきらかに他学部と問題が異なっています。さらに、2005年から過去問をやってきましたが、2009年から問題の質がちょっと変わったようですね。全体として、統一感のある問題になっています。というか、2008年まではばらばらな問題の寄せ集めという感じだったのです。明らかに問題が良くなったように思います。統一の意思が感じられるのです。

さて、法政大学文学部とはどんな問題なのか? もったいないので、このブログではあまり書けないのですが・・・。少しは書きます。





☆長文の文章が他のGMARCや成蹊・東女と比べて長くない。

☆しかし、やっぱりMARCH型の問題で、成蹊・東女型の<問題→本文読解>形式の問題とは異なる 

☆常識で読める英語長文もあるが、かといって選択式の問題は全然素直じゃない。早稲田のように陰険で難しいものが多い。(短い文章で陰険だというのは、本当はあまり良い問題とはいえませんね。むしろ明学なんかを見習ってもらいですね。しかし、MARCHの一員でありながら、難易度が成蹊と肩を並べる法政大学ですから、そういう試験方式を選択したのでしょう)。

☆全部記号式です。和訳問題もありません。

☆はっきりいって、成蹊とは違って法政対策はたてにくい。強いて言えば、学習院・明治に合格できる人ならば、法政には合格できると思われる。(←全然アドバイスになっていないですが)


すみません。このぐらいにしておきます。

塾のほうですが、通常は1月7日からの始まりとなります。ただし、受験生の場合には特別に1月4日から授業することにしました。(年末だとか新年だとかという感覚はありません。正月早々から過去問演習の準備のために、どんどん解いていかなくてはなりませんから・・・)





読まずに解けるMARCHの入試英語

2010年12月18日 | 受験
MARCHの英語の問題というのは、多くの大学・学部で言えるのですが、一つひとつの文を丁寧にゆっくりと読み取ることを要求している訳ではありません。むしろパラグラフ全体の意味を把握し、さらに、文章全体で要するに何が書かれているのかを理解することを求めている場合が多いように思われます。要するに、速読力が必要になる試験なのです。

ゆっくりで良いから精読しなさいと求めているのが成蹊大学や東京女子大です。しかし、MARCHとなると、たとえ法政大学であっても、パラグラフ・リーディングや速読を求めているように思われます。(ただし、MARCHの英語の試験の方が難しいとは言い切れません)。精読から速読へ。ちょっと大変な跳躍ですよね。

しかし、問題はある意味で取っつきやすくなるかも知れないのです。なぜならば、MARCHの入試英語で出される文章は、ほとんどの場合、オーソドックスというか、凡庸な内容の文章が多いからです。だから、本文を読まなくても解けるような問題が出題されることがあるのです。


ところでYojiさんには、私のブログに対して次のようなコメントをしていただきました。

>英検の問題だったと思いますが、天体の話が出ていました。
>僕は本文を全く読まないで、設問だけで正解が分かりました。本文の中にある知識を、僕はすでに持っていたのです。

英検だけではなく、MARCHの英語の問題にも同じことが言える場合があるのです。全部が全部そうだというわけではありませんが、常識的に解けてしまうのです。たとえば、2008年の立教大学文学部の問題がそうでした。



画家のようなアーティストを論じた問1の問題ですが、1~4までは本文を読まなくても常識で解くことが出来ます。(早慶では、こういうわけにはいきません。念のため)。

ただし後半の5と6となると、どれも正解に見えてきますので、本文を読まなくてはなりません。といっても精読は不要です。常識さえあれば、さらっと流し読みするだけで解くことができる程度です。教える側にとっては、非常に楽ちんな問題だと言えます。