林 住 記

あしたはあしたの風が吹く

水辺破壊事業

2011-02-25 | 高麗便り

  1.

巾着田を囲む清流・高麗川で、過去にない大規模土木工事が、「水辺再生事業」として行なわれている。
「川底を安定させるための工事を行なう」、と旧ドレミファ橋の袂に看板を出していたが何のことはない、工事そのものが、1200年間安定していた川底を深く掘り下げ、掻き回している。かなり危ない工事である。

 2.

また、旧新井邸から高麗川の岸に下り、天神橋の下をくぐり巾着田に至る遊歩道の工事も行なっている。
この旧邸の活用計画を策定しないまま、何がなんでも工事をやってしまえ、ということだ。
巾着田は、埼玉県が行なう聞こえのいい「水辺再生事業」により景観が更に一変するだろう。

 3.

県には豊富な税収があるらしい。巾着田に県税を投入して、「よりよい観光地にする」ことは一応歓迎しよう。
地元(かどうか分らないが)土木業者が潤うことは大いに結構なことだ。
他の市町村でなく、巾着田でじゃんじゃん県税を投入して貰おうじゃないか。

 4.

だが問題はその使い方である。なにしろ工事の方向性が、数周遅れの列島改造論のままなのだ。
これは県と市にだけに問題があるのではない。市民が社会の変化に無関心で無知だからである。
市民は、巾着田から里の風景を失くしコンクリで固めた都会の公園にすることがいい、としているからだ。

 5.

また、巾着田の諸施設にかかる維持管理費が、福祉医療教育費を圧迫することに気付いていない。
行政と商店は観光客より住民の生活を優先すべきで、観光客で儲けようとするのは誤りである。
だいいち、里の風景を奪ったコンクリートでピカピカな巾着田に、都会から来る観光客が喜ぶだろうか。

 6.

埼玉県による「水辺再生事業」はここから上流の横手渓谷までを対象としている。
こういう乱暴で無駄な河川改修工事を、まだ自然が残る美しい横手渓谷にまで延ばしていいのだろうか。
市民はよ~く考えて、徒労かもしれないが先ず行政に注文を付けてみよう。

市は県がやっている、と言い、県は市の要請でやっている、とたらい回しするはずです。
市議会は役人の言うことに、全てOK牧場ですからね。
....... さぁ、どうする?

   1.あいあい橋から高麗川上流を見る。
   2.あいあい橋から天神渕を見下ろす。
   3.赤い天神橋(県道) 白壁の旧新井邸、奥に日和田山。
   4.天神橋下の遊歩道工事。
   5.新ドレミファ橋からあいあい橋までの大規模な川底掘削。
   6.同じ場所の二重護岸工事。

ドレミファではなくなった「新・ドレミファ橋」は、次の記事をご覧下さい。

110225A

『埼玉県』 ジャンルのランキング
コメント (4)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« グー・ブログ不具合のため | トップ | 偽・ドレミファ橋 »
最近の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (放念の翁)
2011-02-25 16:08:37
ご無沙汰をしております。
お怒りに同感ですね。「水辺喪失事業」コンクリートで固め、河床を変形し、魚が棲めない、小動物が棲めない、自然が失われる景観を「再生」と言うようです。
近隣の河川に魚道、土砂で埋まり魚は遡上が出来ません。
ブロック積みの護岸等を近代的な工法とも言いますが、一寸した出水で簡単に崩落。
一昔前の空石積み工法の箇所は、親方と言われる現場監督が石の面の重力分散を経験的に考えて、自然と一体の工事が、そこ箇所が崩落した話は聞きません。
科学と人間、まだまだ人間の経験則の能力が優れています。
結局のところ (森生)
2011-02-25 22:10:44
翁さま
ご同感のコメントを有り難うございます
記事を書いた甲斐があります

森生の住む坂の町の新住民は 分ってはくれますが 行政にも市議にも注文を付けません
旧住民の多くは 井の中の蛙です

巾着田周辺の旧住民は 流石にこの工事を問題視していますが 公然と反対はしません

市議は 県や市をチェックせず 唯々諾々仲良しクラブです

国の行政改革が一向に進まないのも 選挙民が怠慢だからでしょうね
貴重な資料です。 (奥武蔵の風)
2015-08-10 17:25:34
はじめまして。
高麗に生まれ育つ者にございます。
遅ればせながらコメントさせて戴きます。
日高市では、「水辺喪失事業」の後を受け継ぐべく、
巾着田魚道工事、更には天神橋から高岡橋、獅子岩橋~新井橋にかけて遊歩道工事に取りかかろうとしています。
今回ばかりは・・・ということで、近在市民有志が動き始めております。
その上で森生様のブログが大いに参考になります。
下記ブログ記事にこのページをリンクさせて戴きましたので、何とぞ、ご承知のほど、宜しくお願いいたします。

http://okumusashi-bike.hatenablog.com/entry/2015/08/09/233000
この件も (森生)
2015-08-11 11:28:47
奥武蔵の風さま
これまで何回も巾着田の景観と自然破壊を書いてきました
あいあい橋 どれみふぁ橋 ビオトープ 駐車場拡張 バラック小屋 禁止看板など 最近はあのブザマで役に立たない魚道建設についても書きましたが 日高市民からは全く無視されております

水辺再生事業は あの条令破りの知事が企画し「ドブ川を再生させる事業」と2回目の知事選では選挙公報に自画自賛しておりました

その暗い目の知事が3選され 水辺再生事業は 必ず実行されるでしょう

既に武蔵横手では遊歩道の一部は完成しました
巾着田から下流は 沿岸遊歩道ではなく 川底をコンクリ舗装をして 水中を歩かせるという信じられない工事になるという人を知っております(いい加減な人ではありませんよ)

川床が抉れることを防止するはずだった巾着田周辺の大工事は 工事中に川床を掘り下げたため かえって川床が下がり 鹿台堰の基礎部分が浮いてきました
今後は 鹿台堰の補修工事が必要になるでしょう

近在市民有志は羊のようにおとなしく アテにはなりません
市内の諸自然保護団体は マクロレンズしか持っておらず 不勉強です
重箱の隅を突くことはしても 知事や某県議の企みを 暴き 叩く戦略と戦術がありません
巾着田と高麗川の景観と自然は 堕ちるところまで堕ちないと 元に戻す動きは出てこないでしょう

リンクをして下さり 有難うございます

コメントを投稿

高麗便り」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事