林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

平安キャリアウーマン

2016-09-30 | 拍手

「徒然草REMIX」に続き「枕草子REMIX」を読んだ。これも頗る面白い。
枕草子を一旦ばらばらに分解し再編集して、清少納言の真の姿に迫るのは徒然草と同じだが、こちらの方が先に発売された。

作者の随筆家・酒井順子さんは、千年前の清少納言を自分と同い年のキャリアウーマンと見做し、いたく共感している。
そしてここでは清少納言と酒井順子が、架空対談をする。

話題は男・女同士・ブス・夜・下種・老い・覗き・お洒落・友達ほかである。
二人はホンネ丸出し。清少納言は貴族のお嬢様だから品格を保とうとしていても、下種の出身の順子さんは何かとアケスケ。
清少納言に「尾籠ねっ」とたしなめられたりする。

酒井順子さんは先輩・清少納言を、

  自分をあくまでも客観視しながらも、露悪的ではない視線を持っている。
  単なる閨秀ではなく、一筋縄ではいかない、侠気に溢れた、純情で、女心を知り尽くした、友だちは多いが孤独な女である。
  そして枕草子は、女子校的極私的回覧雑誌である。

としている。

「原文で読んでみよう」という頁が多い。
始めはちょっと腰が引けるけど、各行の脇に添えた意訳がイマ風で鋭く、機知に飛んでいて笑える。

末尾に清少納言の外出先を追体験する「枕草子観光」が載っている
行き先は清
水寺・下鴨神社・逢坂の関・伏見稲荷・長谷寺・石清水八幡宮・船岡山・鞍馬寺・泉湧寺など。
このはんなりとした小さな旅も、目の付け所が結構面白かった。

 160930B 



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2 コメント

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性格は人それぞれ (Hじじ)
2016-10-01 17:28:06
新聞の集金に来た人の話で思い出したことがある。
数年前に小学校の通学見守りボランティアをやった。朝の通学時間帯に歩道の同じ場所に立ち、挨拶の声かけが主であったが、これが人間観察として興味深いものがあった。
「お早うございます」と声をかけて、8割の子ども最初から普通は返してくれる。無視している(と感じた)子供も、半月も続けると挨拶するようになった。
それでも反応しない子どもに挨拶を続けると、声は良く聞こえないが、口をもぐもぐさせて反応するようになった。顔を合わせ始めてから2~3カ月後であった。
大人も通るので同じように挨拶をしたが、さすが、大人はひねくれている割合が子どもより多い。子どもは素直と実感しました。
早朝ウオーキングの途中で会うのは大人がほとんどですが、挨拶をしてもまったく無視している人が約1割はいる。数回後はお互いに知らんぷりです。なんか淋しいかぎりです。
山道で (森生)
2016-10-02 19:44:55
Hじじさま
山道で行き合う人々は 知らない人同士でも よく 挨拶をします
特に女性がそうです
森生は 始めは面倒くさかったのですが 一応 挨拶を返してました
ある時 照れ臭いけど こちらから挨拶をしました
返してくれると嬉しいけど 男性はヘンな顔をする人が多く 少し不愉快です
そこで 挨拶は必ず返す にこちらから挨拶する時は 相手を遠くから観察してからする
そうして 当たり外れを 楽しむことにしています

ただ この頃 山に行くことがなくなりました
団地内で 試してみます

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