林 住 記

あしたはあしたの風が吹く

東京見物

2016-10-25 | 拍手

わが猫額亭の裏庭にあたる多峯主山に登ることが、体力的にキツクなってきた。
高麗の里にはケバい住宅が増え、巾着田など懐かしい山村田園風景は、県市共同で甚だしく損なってしまった。
侘しくなる一方の団地内を徘徊するのも面白くない。

いずれ徘徊先を新たに探さなくてはなるまい。いっそのこと華の東京見物はどうだろうか。
などと考えているうちに見つけたのが、ドイツ文学者で随筆家である池内紀著「東京いいまち一泊旅行」光文社新書である。

で、池内先生の行き先20カ所です。色々な読みかたができますが、小文字は森生の印象または感想です。

  品川区品川宿・・東海道始発終着点品川宿根ほり葉ほり。
  台東区上野・・西洋美術館で西洋の巨匠たちと交流。
  北区十条王子・・篠原劇場で大衆演芸を堪能する。
  港区赤坂・・まだまだ激変する坂の街。
  中央区築地明石町・・鏑木清方のハイカラ美人の面影を探して。

  新宿区牛込界隈・・名残りの江戸古町巡り。
  台東区河童橋商店街・・厨房の道具類は巷の芸術品である。 
  板橋区赤塚・・開発され尽くした郊外に残る田遊び神事拝見。
  江東区木場・・ホテル選びの着眼点と材木の町の盛衰記。
  葛飾区小菅・・東京拘置所効果を考える。
  文京区椿山荘・・豪華ホテルで夫人(?)と割引招待券を利用する。
  足立区千住・・宿場町の路地歩き。

  中央区丸の内・・料金無料廻りが楽しい。
  明治神宮・・都会における原生林の成り立ち。
  練馬区豊島園遊園地・・ディズニーランドに押される遊園地で初恋の思い出。
  西多摩郡桧原村・・山深い村々の祭と兜造り民家を廻る。

  大田区蒲田・・知る人ぞ知る温泉巡りで寛いだ。
  青梅市・・映画看板を辿り青春映画を懐かしむ。
  八王子市・・横浜港に繋がっていた絹の道往還。
  中央区神田日本橋・・馴染みの老舗名店食べ歩き。

以上すべてが一泊旅行だ。
池内先生は東京の郊外に居住し、都内のどこでもほぼ1時間以内に行けるにも拘わらず、です。
但し、泊まったのは椿山荘以外は全てビジネスホテルらしいですが、その選び方にはこだわりがある。
何故、わざわざ一泊したか、ホテルはどう選んだか、等々は参考になるので本をお読みください。

旅行記の内容は薀蓄あり、皮肉あり、自虐あり、批判あり、懐古あり、冗談あり、と自由自在。
もちろん事前に資料をバッチリ読み込んでいる様子だ。

ただ、この種の本にありがちなグルメや色刷り写真は無く、地図もない。
だったら地図は自分で調べ、写真は自分で撮ってやろう、と思えてくる不思議な魅力がある旅行記だった。
わいわいがやがや連れ立っての名所廻りを卒業したじじばばにお奨めします。

もちろん森生には、ホテル代を経費で落としてくれるような出版社が付いていない。
全部日帰りの東京見物にしますけどね。

                                                  

遊園地にしては寂しい写真は、豊島園遊園地名物メリーゴーランドです。「デイリーポータルZ」さまからお借りしました。
こちらのご報告もなかなかの優れもの。こういうの好きだなぁ。是非ご一読して下さいね。

161025

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