林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

自衛隊音楽まつり

2014-11-16 | 拍手

武道館で開催された第50回「自衛隊音楽まつり」には、ぶっ魂消ました。
自衛隊のプカプカドンドンくらいにしか想定していなかった森生は、アサハカでした。

演奏技術が抜群のうえに、姿勢の良い隊員たちがきびきびと縦横に展開し、また回転し、その壮観さに息を飲んだ。
客演したアメリカ軍・オーストラリア軍・フィリッピン軍などを質と量で圧倒し、もう一度戦争をしたら日本の勝ちではないかとさえ思ったほどである。
だから自衛隊音楽まつりを、晋三坊ちゃまに見せるのは危険だ。隊員たちの雄姿を見たら、進軍ラッパを吹きたくなるだろう。

女性隊員が良かったなぁ。
立ち姿は凛としてたおやか。頗る付きの美声。玉を転がすお姿は、オーストラリア軍の歌ウマおばさんなんか目じゃなかった。
男性歌手隊員の一人の音程が怪しかったけど、SMAP隊員に較べれば上出来だぃね。

吹奏楽の導入部に尺八のソロ演奏が入る工夫があり、これがまたいいんですね。びっくりものだった。

防衛大学儀杖隊のおよそ50人が、旋回しながら突然空砲をぶっ放した時は、満席の客席から悲鳴まじりのどよめきと、安堵のため息があがった。

何よりもど肝を抜かれたのは、全国の駐屯地から集まった300人以上が、一斉に太鼓を連打した時だ。

団扇太鼓から小太鼓、大太鼓、特大の太鼓に張り付き、抱え、担ぎ、一糸乱れず派手に踊りながら、鍛え上げた腕力で力任せに太鼓を叩いたのだ。
巨大な音量と激しいリズムは物凄く、腹に響き、縄文の血を滾らせ、武道館の巨大な天井が吹っ飛ぶような、ゴジラも退散するだろう超弩級の迫力だった。
あんなに大量の太鼓は初めての体験である。世界はまだ広かった。そして和太鼓の演奏には指揮官がいなかった(見えなかっただけかも)。

あれは一体だれが作曲し、踊りを振りつけたのだろうか。練習には何日かけたのだろうか。あれを創り出した人は音楽界の大元帥だね。

力演した吹奏楽団は洋楽のためどうしても借りもの感があった。しかし和太鼓はニッポンのもの。世界に冠たる民族音楽ですなぁ。
一斉連打の間には、沖縄から北海道まで切れ目なく、それぞれの駐屯地のそれぞれの和太鼓も聞かせてくれた。
和太鼓は佐渡鬼太鼓座や鼓童が有名だ。秩父夜祭で聞く地域住民の和太鼓もいい。

しかし完成度と規模と激しさと美しさでは自衛隊が世界一。満足満足また満足だった。
相当税金を使ったのだろうが、国民が励まされるんだもの。どんどん使ってくれ。

田安門から退場した大勢の観客が九段下駅に押し寄せていたので、堀端の道を清水門を過ぎ、竹橋駅まで歩いた。
黄昏時の冷気で頭を冷やしながら考えた。

            あの若者たちを、安倍晋三の「積極的平和主義」で戦場に派遣し、戦死させるな。

巨大な武道館の擂鉢の底にあたる演奏場の演出は完璧だった。
吹奏楽団の制服は素晴らしく、和太鼓の駐屯地別祭衣装もいい趣味できれいだった。

しかし、縦横に動き回る吹奏楽を、拡声器を通して天井から聴かせるのは疑問ですね。
音響にステレオ効果が無く平らになる。巨大な会場なので無理かもしれないが一考を要します。
それに、お馴染みの行進曲をもっと演奏して欲しかった。

大群衆の整理と誘導も見事だった。
開場2時間前に到着し、いまが美しい盛りの皇居外苑を歩いてから入場するつもりだったが、既に最後尾が見えない長蛇の列。
散歩だけして帰宅する気になりかけたが、意外に淀みなく入退場できた。これにも拍手。

(写真はグーグル画像検索からお借りしております)

141116