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専門家が予測するトランプ失脚と「2020年アメリカ内乱」のシナリオ=高島康司

2017年05月14日 21時18分27秒 | 政治

今回はトランプ大統領が弾劾される可能性と、その後に起こりうるアメリカの混乱について解説する。このままだと米国は、2020年代には分裂するとの専門家の予測もある。(『未来を見る!ヤスの備忘録連動メルマガ』高島康司)

※本記事は、未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 2017年5月12日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

想像以上に高い「トランプ弾劾」の可能性、米国大混乱は不可避か

深刻さを増すアメリカの政治的分裂

今回のテーマは、「2020年代におけるアメリカ分裂の可能性」についてである。

トランプ政権が成立してからというもの、これまでにないくらいにアメリカの政治的な分裂が深刻さを増している。政権発足時ほどの勢いはないものの、いまだに全米でさまざまな理由で反トランプの激しいデモが行われている。

また、国務省を中心に依然として多くの幹部人事が決まっておらず、これから外交と内政の運営ができるのかどうか不安が出てきている。さらに、共和党主流派との関係がいまだにギクシャクしており、オバマケアの修正案は辛うじて下院を通過したものの、上院で可決されるメドはまだ立っていない。

そして、1兆ドルのインフラ投資と大型減税を含んだ予算案だが、これに至っては議会の反発が激しく、通過する見通しはまったく立っていない。予算案が通過しなければ、早ければ7月末には現行の予算を使いきり、2011年に起こった連邦政府施設の一部閉鎖に追い込まれる可能性が出てくる。

それだけではない。オバマ政権時の期限法が3月15日で失効したため、新たに債務上限引き上げ法案を可決しない限り、新たに国債を発行することはできない状態だ。いまのように議会と対立している状況では、この法案は通りそうもない。すると、たとえ予算案が可決したとしても、国債の発行ができないので現金が不足し、予算を組むことができなくなる恐れもある。

【関連】米国の北朝鮮攻撃は期待薄?トランプのシナリオに翻弄される日本=近藤駿介

大統領の弾劾を望む声

このような状況に対して、トランプ政権は機能しないのではないかとの疑念が強くなっている。野党の民主党だけではなく、共和党内部からも、あまりに問題の多いトランプを早々に辞任させ、穏健なペンス副大統領を大統領にしたほうがよいのではないかという声が強くなっている。

一方、CIAFBIはトランプ及び政権の閣僚がロシアとの不適切な関係にある可能性が高いとして、本格的な捜査に乗り出している。ロシアとの関係が証明されると、トランプを弾劾できる可能性が高くなる。トランプの選挙参謀であったロジャー・ストーンは、すでに水面下で情報機関による弾劾裁判へと向けたトランプ追い落としの策謀が進んでいるとしている。

それを見越しての処置か、5月10日、トランプはロシアとの協力関係を調査していたFBIのコミー長官を突然解任した。これは歴史的にも異例なことで、コミー長官で2人目となる。これでトランプに対する批判は高まり、弾劾に向けての動きは加速する可能性もある。

もしトランプが失脚すると?

だがトランプが弾劾されると、これが引き金となり、アメリカの分裂が一層深刻になり、取り返しのつかない事態になるのではないかと懸念する声も多い。

それというのも、トランプ政権の主要な支持母体であるオルトライト(オルタナ右翼=主にネット発の保守勢力で、白人至上主義など過激な主張を掲げる)を代表し、政権内で依然として大きな勢力を維持している主席国家戦略官、スティーブ・バノンの一派は、トランプ政権をワシントンの支配層を一掃するための革命政権としてとらえ、既存のシステムの抜本的な改革を目指しているからだ。

もしトランプが弾劾されたならば、バノン一派は野に下り、オルトライトや没落した中間層と一緒になり、過激な政治運動を展開する可能性がかなり高い。

トランプが大統領に留まり、バノン一派がホワイトハウスで強い勢力を維持している間は、過激な革命思想を信じるオルトライトは政権内でコントロールされる。しかし、トランプが弾劾されると、このコントロールが効かなくなるということだ。

トランプの弾劾を予測する政治学者

このような状況になると、アメリカ国内の政治的な混乱は収拾がつかなくなるかもしれない。では、本当にトランプが弾劾される可能性はあるのだろうか?

実は、トランプ弾劾の現実性は想像以上に高い。まだクリントンの圧倒的な優勢が伝えられ、どの調査でもクリントンが次期大統領になることが確定したかのような状況であった2016年の9月に早くもトランプの勝利を予想した政治学者が、トランプの弾劾を予想している。それは、アラン・リッチマン教授である。

アラン・リッチマンは首都ワシントンにあるアメリカン大学の政治学部の教授である。リッチマンは自分が開発した独自の手法を用いて、過去34年間、すべての大統領選挙の勝者を的中させてきた。

実は、候補者本人ではなく、党に対する支持率を丹念に調べると、勝者の予測は難しくないという。具体的な手法は公開されていないものの、この手法で予測に成功してきた。ニューエイジ系のポップカルチャーにはジョン・ホーグがおり、トランプの勝利をかなり早い段階で予測していたが、いわばリッチマンは表の世界のジョン・ホーグのような存在だ。

「必ず弾劾される」

リッチマンによると、むしろトランプが弾劾されないほうが不自然だという。過去の大統領では、1868年のアンドリュー・ジャクソン、1974年のリチャード・ニクソン、そして1998年のビル・クリントンの3人が弾劾の対象となった。

ただ、ジャクソンは弾劾裁判にかけられたものの無罪となり、クリントンも有罪に必要な票数に達しなかった。弾劾裁判で有罪が決定したのはニクソンだけだったが、ニクソンは罷免される前に自ら辞任した。

リッチマンは、トランプほど違法行為の疑惑が多い大統領は過去に例がないとしている。弾劾裁判に持ち込む場合、過去に犯した行為の違法性がひとつでも証明されれば、アメリカの憲法では弾劾裁判の対象にすることができる。

これまでのトランプの経歴では、弾劾裁判の対象となり得る違法行為は枚挙のいとまがないとしている。最近出されたリッチマンの最新刊『弾劾弁護論』では、事業関連の利害相反、ロシアとの違法な関係、過去の法的争い、脱税疑惑、チャリティーの悪用、トランプ大学の違法性など13のケースがあげられている。また、地球温暖化防止のパリ協定からの離脱は、人間性に対する犯罪として認定される可能性もあるとしている。

必ずしも高くない弾劾のハードル

弾劾裁判は、下院の過半数の議員の同意に基づき実施される。その後、上院議員の3分の2の同意が得られれば、弾劾は成立し大統領は罷免される。

上院で弾劾が実際に成立する可能性だが、上院では193名の民主党議員と23名の共和党議員が賛成する必要があるとしている。トランプの出身政党の共和党が弾劾に賛成するとは考えにくいという意見もあるとしながらも、もしロシアとの違法な関係が証明されれば、共和党も弾劾に動かざるを得ないと見ている。

さらに、共和党内ではペンス副大統領の人気が非常に高く、トランプを早いうちに弾劾してペンスを大統領にしたいとする意見もあるという。

このように、2016年の大統領選挙でトランプが苦戦を強いられ、ほぼすべての世論調査がクリントンの勝利を予想していた昨年の9月に、早くもトランプの勝利を予想して的中させた政治学者が、トランプは確実に弾劾されると予想しているのである。その可能性は決して低くないと見たほうがよいだろう。

科学的に予見された2020年代の革命と内乱

先に書いたように、トランプが弾劾されると、トランプを熱狂的に支持して、すでに社会運動化しているオルトライトは、バノンの思想に忠実な革命運動を野に下って展開する可能性が出てくる。

これで、トランプ政権の成立によって辛うじて吸収され、押さえられてきた革命を目指すエネルギーが解き放たれることになる。しかし、そのようなことが本当に起こるのだろうか?

意外にも、将来アメリカで大規模な社会不安が発生する可能性を予想している歴史学者がいる。ピーター・ターチンである。ターチンは、ロシア生まれだが、1977年、父がソビエトを追放となったため、アメリカに移り住んだ人物である。現在はコネチカット州のコネチカット大学の教授で、生態学、進化生物学、人類学、数学を教えている。

1997年まで主要な研究分野は生態学であったが、現在は歴史学の研究が中心になっている。

歴史学ではこれまで、ヘーゲルやマルクスなど歴史の統一的な法則性の存在を主張する理論はあったが、そうした法則性にしたがって歴史が動いていることを証明することはできなかった。つまるところ歴史とは、それぞれ個別の背景と因果関係で起こった個々の事件の連鎖であり、そこに統一した法則性の存在を発見することはできないとするのが、現在の歴史学の通説である。

しかしターチンは、生態学と進化生物学の手法、そして非線形数学という現代数学のモデルを適用することで、歴史には明らかに再帰的なパターンが存在していることを発見した。

近代以前の帝国のパターン

そのパターンは、人口数、経済成長率、労働賃金、生活水準、支配エリートの総数などの変数の組み合わせから導かれる比較的に単純なパターンであった。ターチン教授はこれを、ローマ帝国、ピザンチン帝国、明朝などの近代以前の大農業帝国に適用し、そこには帝国の盛衰にかかわる明白なパターンが存在することを明らかにした。

詳しく書くと長くなるので要点だけを示すが、そのパターンとは次のようなものだ。

まず初期の帝国は、人口が少なく、未開拓地が多い状態から出発する。しかし、時間の経過とともに経済発展が加速すると、人口は増加し、未開拓地は減少する。それと平行して支配エリートの人口も増加する。この拡大が臨界点を越えると、帝国は分裂期に入る。

まず、人口の増加で労働力人口は急速に増加するため、労賃は下落する。さらに各人に与えられる土地も減少する。そのため、生活水準は低下し、これを背景とした社会的不満が高まる

他方、支配エリートの数の増加は、すべての支配エリートに割り振られる国家の主要なポストの不足を引き起こす。これはエリート間のポストを巡る熾烈な権力闘争を引き起こす。この状態を放置すると、国内における支配層の権力闘争と農民の度重なる反乱により、帝国は衰退してしまう。

これを少しでも回避するためには、人口が増加した国民に十分な生活水準を保証するだけの土地を与え、また支配層には国家の十分なポストを与えることができるように、帝国を戦争を通して外延的に拡大し、新しい領地を獲得しなければならない。

だが、この外延的な拡大の勢いよりも、人口の増加と生活水準の低下、そして支配層のポストが不足するスピードが速ければ、帝国の分裂と崩壊が進む。

このようなサイクルだ。歴史は、多様な出来事が複雑に絡み合った織物のように見えるが、実際は比較的に単純なパターンとサイクルが主導していることが明らかになった。ターチンは、こうした歴史的なサイクルが近代以前のどの帝国にも存在したことを証明し、大変に注目された。

現代アメリカの内乱のパターン

しかし、ターチンが注目されたのはこれだけではない。いまターチンは、近代以前に存在したようなパターンとサイクルが、近代的な工業国家である現代のアメリカにも適用可能であるかどうか研究している。研究は2010年頃に始まり、2012年から暫定的な結果が発表され、大変に注目されている。

なかでももっとも注目された論文は、『平和研究ジャーナル』という専門紙に寄稿された「1780年から2010年までの合衆国における政治的不安定性のダイナミズム」という論文である。2017年4月には、この論文を元にして『不和の時代(Ages of Discord)』という本として刊行された。

この論文でターチンは、アメリカが独立間もない1780年から、2010年までの230年間に、暴動や騒乱などが発生するパターンがあるのかどうか研究した。するとアメリカでは、農業国から近代的な工業国に移行した19世紀の後半から、約50年の「社会的不安定性」のサイクルが存在していることが明らかになった。

暴動や騒乱が発生し、アメリカで内乱が多発した時期がこれまで3つ存在した。1871年1920年1970年の3つである。これをグラフ化したのが以下の画像だ。ぜひ見てもらいたい。

明らかにこれらの年には、社会で見られる暴力が突出していることが分かる。

社会的不安定の原因

その原因はなんだろうか?

ターチンによると、近代の工業国家は前近代の農業帝国に比べて経済成長のスピードが極端に速いので、人口の増加とそれによって発生する労賃の低下生活水準の低下エリートのポスト不足などには、はるかに容易に対処することができるという。その結果、これらの要因が深刻な社会的不安定性の原因となる可能性は、かなり緩和される。

だが、これらの要因が近代工業国家でも作用し、社会的不安定性の背景となっていることは間違いないとしている。

アラブの春におけるエジプトの例

最近、これをもっともよく象徴しているのは「アラブの春」ではないかという。たとえば、エジプトのような国は年5%から6%の経済成長率を維持しており、決して停滞した経済ではなかった。

しかし、出生率は2.8と非常に高く、また生活水準の上昇に伴って高等教育を受ける若者の人口が大きく増大したため、経済成長による仕事の拡大が、高等教育を受けた若者の増加スピードに追いつくことができなかった

その結果、高い教育を受けた若年層の高い失業率が慢性化した。これが、アラブの春という激しい政治運動を引き起こす直接的な背景になった。

格差の固定と現代アメリカの不安定

これとほぼ同じような要因の組み合わせが、やはりアメリカの社会的不安定性の50年サイクルにも当てはまるとターチンは主張する。

人口数と高学歴者の数が増加していても、高い経済成長が続き、生活水準の上昇、ならびに高学歴者の雇用数が増大している限り、社会は安定しており、社会的な騒乱はめったに発生しない。これは、どんな人間でも努力さえすれば、社会階層の上昇が期待できる状況である。

しかし反対に、格差が固定化して、政治や経済のシステムが一部の特権階級に独占された状況では、たとえ経済が成長していたとしても、社会階層の上昇は保証されない。格差とともに社会階層は固定化される。すると、たとえ高等教育を受けていたとしても、期待した仕事は得られないことになる。

このような状況が臨界点に達すると、社会的な暴力が爆発し、多くの騒乱や内乱が発生するというのだ。

次のサイクルは2020年か?

19世紀の後半以来アメリカは、このようなサイクルを50年毎に繰り返している。これは上のような状況が、アメリカでは50年ごとに臨界点に達していることを現わしている。

そして、社会騒乱の次のサイクルがやってくるのは2020年前後になる。ターチンは、現在のアメリカにおける格差は、ひとつ前の社会騒乱の時期であった1970年の時点よりもはるかに巨大であるため、このまま格差が是正されないと、2020年代の社会騒乱は予想を越えた激しいものになる可能性があると警告している。

これが歴史学者、ピーター・ターチンの予測である。この予測の元になったのは、再帰的なパターンを歴史に見る手法だが、ターチンはこれを「クリオダイナミックス」というモデルとして理論化している。

ターチンが、近代アメリカのこのような政治変動のサイクルを発表したのは2010年であった。その予測が、2016年の大統領選挙とトランプ政権の成立に伴う大きな社会的混乱をきっかけとして、あらためていま大変に注目されているのだ。

もう一人の専門家、イゴール・パナリンの予測

さらにこれだけではない。2020年代と特定されているわけではないが、将来のアメリカの分裂を予言しているもう一人の専門家がいる。現在、ロシア外務省外交アカデミーの教授を務めるイゴール・パナリンの予測だ――
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イゴール・パナリンの予測

予測の評価

トランプの弾劾から分裂へ

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