ringoのつぶやき

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DJ-米議会が必要とする妥協のパラダイムとは

2013年01月08日 16時53分26秒 | 政治

 (ダウ・ジョーンズ)米議会の次の難局は、すでに具体化しつつある。現在必要なのは、これを解決するため
の全く新しいパラダイム(枠組み)だ。

 かすかな希望となっているのは、超党派の議員と活動家が来週からこのための活動を始めようとしていること
だ。

 米国の当局者らは今後2カ月のうちに、連邦政府が再び法定債務上限に達し、議会の機能継続のため新たな資
金が必要になる前に、新たな赤字削減策を講じなければならない。共和党は、新たな予算案には増税でなく歳出
削減だけを盛り込むべきだとし、民主党は控除撤廃による税収増を盛り込むべきだとしている。

 この背景には、より深い現実がある。はっきりしているのに誰もが避けている問題への対処について、合意に
近づく動きすら見られないのだ。その問題とは、大規模なメディケア(高齢者向け医療保険制度)、メディケイ
ド(低所得者医療保険)、社会保険プログラム費用の増加抑制に着手しなければならない、ということだ。この
中心的な問題について、民主党と共和党の意見の対立は、1月1日の財政の崖回避策合意より前に両党が税率をめ
ぐって対立していた以上にはっきりしたものとなっている。

 かつては、こうした行き詰まりの解消法として、中間的な議員グループが連帯して主要な核となり、他の議員
を先導する解決策を見いだすことができた。しかし、現在は米議会が二極化しており、こうしたことを選択肢と
できるような政治的中心がほとんど存在しない。

 そこで、新たなパラダイムが必要となる。過去2年間の大幅な赤字削減合意を目指す取り組みの失敗で明らか
になったように、米大統領府と議員らが何らかの和解に到達できるという想定に基づいた現在のモデルは、明ら
かにうまく機能していない。さらに、1980年代や90年代のモデルが現在再現される可能性も低い。

 80年代には、保守的な民主党の歩兵と穏健な民主党の指導者で構成された連合体が中心にあり、レーガン政権
の経済プログラムはうまく機能した。これらの議員はまず、レーガン政権の予算と減税に協力し、その後数年間
このプログラムの修正で連帯した。

 90年代の政治の舞台で最も重要な2人の人物は、国民を政治の中心に引きつけることで権力や名声を手にした
ビル・クリントン氏とロス・ペロー氏だった。これはクリントン元大統領の場合、自身が率いる民主党を急進派
から引き離し、中道寄りにすることだった。92年と96年の大統領選に立候補したペロー氏にとっては、失望を抱
いた両党の議員と手を組むことにより、政治システム全体を中道路線へ向かわせるよう彼らを説き伏せることだ
った。たとえそれが、自らの政党への忠誠を捨て、第3政党の独立候補として大統領選に出馬することになったと
しても、である。

 このように80年代や90年代に見られた、妥協点を探る動きを構成する要素の大部分は、現在失われている。保
守派の民主党議員や穏健派の共和党指導者はほとんどいない。大統領も共和党指導部もお互いについて、人々を
中道路線に引き寄せているとは見ていない。中道派の反乱も、まして第3政党を主導するペロー氏のような人物も
存在しない。

 その代わりにあるのは急進派と保守派で、両者を引き寄せる勢力はないに等しい。

 現在、米国の政治家に欠落しているのは、異なる見解があることを認めつつ、その違いを超えて問題解決のた
め合意しなければならないという姿勢だ。中道派が新たに浮上しないなら、意識を改める必要がある。

 そして現在、こうした意識の変化は、過去2年間の失策で力を失った両党指導部でなく、一般議員の間で広が
る可能性が高い。最善のモデルは、86年の税制改革かもしれない。同改革は、次席レベルとされたビル・ブラッ
ドレー上院議員とリチャード・ゲッパート下院議員が、大々的な施策を始動させるべく協力したことで実現した

 こうした類の動きが生じる可能性がある団体の1つは、民主・共和両党議員と独立系の政治活動家で構成され
る超党派団体「ノー・ラベルズ」だ。同団体は、「問題解決のための新たな政治」の模索に尽力すると公約して
いる。共にかつて問題解決に寄与し、型破りの州知事と評された元共和党大統領候補ジョン・ハンツマン氏と、
ジョー・マンチン上院議員(民主党、ウェストバージニア州選出)は、同団体の指導者に指名されたばかりだ。


 1月14日にニューヨークで会合を開くノー・ラベルズは、「党派を超えて信頼を築くために定期的に会合へ出
席する」議員を両党から募る方針だという。同団体はまた、独自の取り組みに対する国民の支持を促すため、精
力的に活動している。

 米政府には、税制の立て直しと給付金制度の改革という、2つの重要な任務が待ち受けている。だがこうした
「党派を超えた信頼」がなければ、いずれも実現しないだろう。結果はすぐに分かるだろう。
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