ringoのつぶやき

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10月31日 16時03分 DJ-ギリシャ国債のCDS決済が発生しない場合にEFSFに及ぶ影響とは

2011年10月31日 16時24分20秒 | ユーロ危機
(ダウ・ジョーンズ)ギリシャのデフォルト(債務不履行)の可能性に備えたクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を買った投資家は現在、冷や汗をかいている。既発ギリシャ国債の元本の「自発的な」50%ヘアカット(債務減免)は、CDS決済のきっかけとならないように計画されているようだ。これを決める委員会は、支払い状況の条件が満たされたかどうかについて話し合うため、会合を開いている。筆者の同僚であり、ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)にブログ「マーケットビート」を掲載するマット・フィリップス氏は、CDS決済の可能性は低いとみている。CDSが決済されない場合、CDSの買い手が受ける傷がさらに打撃を受けることになる。これは、CDSは銀行間の契約として、たとえば5年CDSに対しては5年間のプレミアム(保証料)の支払いが設定されるなど、CDSは通常特定期間続くためだ。このため、今年初めにギリシャ国債のCDSを買った場合は必ず、さらに4年間支払い義務を負うことになる。こうした事態は、そのほかすべての条件を同じと仮定すれば、大惨事にはつながらないかもしれないと、CDSを取り扱う向きは言う。これは、銀行は自行が引き受けている国債の評価損を相殺するためのバランスシートのヘッジとして、CDSを活用しているためだ。しかしこれは、あくまでもCDSの価値が維持すればという話だ。なぜなら、次にギリシャがデフォルトするとすれば、「自発的」な減免にはならないからだ。ただ、この可能性は低いようだ。シティグループのベテランエコノミスト、ウィレム・ブイター氏は、ギリシャのデフォルトは、いわゆる「ダックテスト」のようなものだ、という。つまり、ギリシャはデフォルトしているように見え、デフォルトしているように聞こえるが、ちゃんと卵を産んでいる、というのだ。この(減免による)評価損が「自発的」だというのは、投資家が頭に銃を突きつけられながら、自分の財布を「自発的に」手渡した、とでもいう意味でだけである。つまり、このCDSが政治的なペテンや専門家にしか分からない理屈のため決済を免れるのだとすれば、国債のCDSを持とうなどという者はいなくなるだろう。ブログサイト「マクロマン」への投稿者が指摘しているように、先進国の国債市場においては、本質的に債券のデフォルトに対する保険であるCDSがいかに意味のないものであるかということは痛いほど明らかとなっている。米国や英国、日本など自国通貨の発行権を持つ国々では、デフォルトの確率を推定するのは非常に難しい。本来なら中央銀行は国債購入を拒否できるのだが、中銀総裁のいすに政治家が座ることはつねに、そうつねに可能なのだ。だが、われわれはもう、自国の金融政策を管理できない国についても法律上の意味においてのデフォルトすることが容認されない、ということを知ってしまった。ギリシャ国債のCDSを購入した人々は、裏切られると分かっていても保証料の支払いを続行するだろうか。それでも、先進国国債のCDSに価値がないことが明白になったら、こうしたバランスシート上のヘッジ(ブイター氏の試算では、ギリシャ国債のみで残高総額約740億ドル)はいきなり無価値になってしまう。そして銀行の資本には埋めるべき新たな穴が開く。しかしそれで終わりではない。市場参加者同士の保証(であるCDS)が政府によって無効とされるのだとしたら、政府自らが提供する保証契約の価値はどうなるのだろう。これは、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)のことだ。EFSFは現在、欧州ソブリン債の強力な保証機関としてもてはやされている(といっても最初の20%のみとなりそうだが)。ブイター氏はここで再度、重要なことを強調している。つまり、既存のCDSを決済させない、ということがきっかけとなってEFSFの保証の信頼性が損なわれることのないようにすべきだというのだ。さらに掘り下げてみると、ユーロ圏全体の行動が、深刻な信頼性の問題を引き起こしている。各国政府は、すでに限界点に達しているユーロ圏加盟の基準を満たすために、会計上のごまかしや簿外会計、デリバティブ(金融派生商品)といったあらゆる手段を利用した。ギリシャは国家財政を絶えず間違った方向へ導いた。フランスとドイツは、2008年の金融危機以前でさえ、マーストリヒト条約で定められた財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を3%以内とする義務に違反したのだ。現在行われている駆け引きは、欧州の官僚というものは、中古車販売員を高潔さや慎重さ、誠実さの見本のように見せかけるものだ、ということを確認しているに過ぎない。-0-Copyright (c) 2011 Dow Jones & Co. Inc. All Rights Reserved.


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