ringoのつぶやき

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DJ-長期債投資にご用心-投資フロー頼りの危うさ

2016年09月15日 16時05分26秒 | 債券

 

 債券バブルがはじけつつあるのだろうか。この数日は安全とされる国債が大量に売られ、伸びきった相場に典型的な調整が入ったかのようだ。投資家は中央銀行の一挙一動に注目しているが、債券市場が経済に無関心になっていることは気がかりだ。

 まず、バブルがはじけたような動きを見てみよう。最も下げがきついのは超長期債だ。50年物英国債は価格が10日間で11%下落(利回りは上昇)した。かくも短期間の損失という意味では、2008年にロイヤルバンク・オブ・スコットランド・グループとリーマン・ブラザーズが破綻し、相場が混乱した以来の大きさだった。ただ今回はこれといったきっかけもなく相場が崩れた。主要国の国債市場では、まず30年物日本国債が下げ始めた。7月初めに付けた高値から12%下げ、50日間の下落率は国債相場が暴落した03年以来の大きさとなった。その時点でも材料らしい材料はなかった。

 下げに転じるまでの各国国債相場は、いつもならば何か異常な事態ではないかと思わせるほどのリターンを上げていた。長期英国債は今年に入り55%も急騰した後、下げに転じた。日本の長期国債も似たような動きをしている。30年物ドイツ国債は1月から7月末までの間に30%上昇したが、その後は下げ始めた。確かに異常事態は起きている。英国では国民投票で欧州連合(EU)離脱が決まったことで、リセッション(景気後退)入りする可能性や長期的な成長への不安が高まった。日本では日銀の実力が疑問視されている。また、欧州中央銀行(ECB)の1兆ユーロ規模の債券買い入れは、少なくとも08年より前の基準からすれば明らかに異常だ。

 最近の米国はずっとまともだが、利回りが低い諸外国から逃げ出した投資資金が米国債の利回りを押し下げている。

 だが、満期が30年以上の債券利回りでさえ中央銀行のインフレ目標よりも低い状況を正当化するには、次の三つのいずれかが実現する必要がある。中央銀行がインフレの押し上げに失敗するか、景気がいつまでも不振で長期停滞に陥るか、債券投資の実質的な損失の方が他の投資対象よりもはるかに妙味があると思えるかの三つだ。


 この三つはどれも起こり得るが、この夏に米国株を過去最高値まで押し上げた投資家は、株価についてはそうした懸念は無用と考えているはずだ。

 だが、金融政策は機能するのか、金融政策はどう機能するのか、今後の金利水準はどの程度で落ち着くべきか、とった問題について経済学者が議論しているのをよそに、投資家は中央銀行が債券買い入れにどれほどの資金をつぎ込む構えなのかに注目している。

 JPモルガン・アセット・マネジメントの債券部門グローバル責任者、ボブ・ミシェル氏は「(量的緩和が)すでに高すぎる資産クラスの価格を上げ続けている」とし、「その結末はひどいものになるだろう。ただ、いまから年末までで言えば、今は買うときだ」と述べた。

 英国の偉大な経済学者ジョン・メイナード・ケインズが80年前に嘆いたように、プロの投資家はファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)よりも資金フローに注目することが多い。ただ、現在実施中の量的緩和という壮大な実験でも、利回りを長期にわたり低く抑えるのが精いっぱいというのが現状だ。中央銀行があらゆる債券を買い尽くすとでも予想されない限り、債券利回りはいずれ経済に対する期待を反映するはずだ。

 こうした期待は当然抑えられている。これまで先進国の成長を促してきたのは、債務拡大やグローバル化、労働者の裾野拡大だった。高齢化や反移民感情、貿易縮小、借金漬けという要素はいずれも、今後は経済の拡大速度がずっと遅くなることを意味している。

 状況はあまり良くはならないと考えるだけでは不十分だ。債券価格が織り込んでいるのは、暗いだけでなく危機以前のようなかたちのインフレを永遠に生み出せない経済情勢だ。債券相場が不安定なのは、低金利がずっと続く「新たな常態(ニューノーマル)」を心の奥では否定し、もっと愚かな中央銀行に転売して利益を上げることだけに期待して債券を買っている投資家があまりにも多いからだ。

 資金フローに基づく相場は全く不安定なものだ。9日や12日のように、材料がほとんどなくても反転しやすい。インフレに上昇の兆しが見られるなどしてファンダメンタルズが再び注目されるようになれば、債券には致命傷となる。それは世界的な利回り追求の動きによって価格が押し上げられた他の資産も同じだ。

 筆者は経済が好調だとは思わないし、インフレがいずれ確実に大きく上昇するとも考えていない。それでも債券価格が織り込んでいるのは、不愉快でインフレがいつまでの期待はずれな経済状況だ。しかも、そのように織り込んでいるのは、資金フローに原因があり、状況がそれだけ悪くなると債券投資家が信じているからではない。長期債と債券並みに扱われる株式(ディフェンシブ銘柄)は暴落するリスクが高いので、十分に距離を置くべきだろう。
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