ringoのつぶやき

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DJ-【焦点】米製造業、業況回復に雇用が追いつかず

2016年12月20日 14時21分26秒 | 社会経済

 

 米国では、国内製造業を再活性化させるという公約がドナルド・トランプ氏を次期大統領に押し上げる以前か
ら、製造業は活気を取り戻していた。

 だが、雇用はそれに追いついていない。そのため、トランプ氏(同氏に限らないが)が公約通りに工業地帯の
雇用を大幅に増やすのは難しいだろう。製造業者はIT(情報技術)化と自動化によって、今までより少ない人員
で製品を作り、成長することが可能になっている。

 製造業生産はリセッション(景気後退)前の水準に近づいている。しかし今年11月の製造業雇用者数は1230万
人と、正式に景気後退入りした2007年12月の1370万人を約150万人下回っている。これは景気後退期に失われた
雇用の約20%に相当する。

 連邦準備制度理事会(FRB)と労働省の統計によると、11月の製造業生産は前月比で横ばいだったが、製造業
雇用者数は減った。

 景気後退から脱した09年6月から11月までで、米国の雇用者数は11%増加した。労働省によると、09年11月の
非農業部門雇用者数は約1億4500万人だった。一方、同じ期間に製造業雇用者数は5%しか増えなかった。

 需要があるのはスキルの高い労働者だ。製造業の求人件数は15年ぶりの高水準に達しているが、スキルが低い
多数の元工場労働者は、米経済がいくら急成長しても、IT化が進む製造業から締め出されそうだ。

 ロボット開発会社Hロボティクスの創業者、ピッパ・マルムグレン氏は「米国には2つの経済が存在する。その
うちの1つは、どれほど油を注いでも火はつかない」と述べた。

 シカゴ地区連銀のエコノミスト、ウィリアム・ストラウス氏は、生産性と効率の向上で大量の人員を雇う必要
がなくなるにつれて、米製造業の労働者が全体に占める割合は現在の8.5%から低下し続けると予想している。


 「この傾向は数十年前から続いており、それが変わる理由は見いだせそうにない」と語った。

 トランプ氏は違う考えを示唆している。アイオワ州デモインで今月開いた集会で、規制を緩和し、中国との貿
易関係を見直す方針を改めて示した。これが経済成長と新たな雇用をもたらすとしている。

 トランプ氏とマイク・ペンス次期副大統領は先月、米複合企業ユナイテッド・テクノロジーズ傘下の空調大手
キヤリアに対し、インディアナ州の工場の雇用を一部維持するよう説得した。その数日後、トランプ氏はツイッ
ターで、ウィスコンシン州ミルウォーキーを拠点とする工業機械メーカーのレックスノードが約350の雇用の多
くをメキシコに移そうとしていることを激しく非難した。

 こうした強引な手法や経済成長の加速が製造業者に大量の増員を促すかどうかは不明だ。より少ない人員でよ
り多くの仕事をこなす方が簡単だと話す企業は多い。ユナイテッド・テクノロジーズのグレッグ・ヘイズ会長兼
最高経営責任者(CEO)は今月、キヤリアのインディアナポリス工場の自動化への投資は「ゆくゆくは人員の減
少につながる」とCNBCに語っていた。

 製造業のIT投資が遅れていることを示すデータもある。米製造技術協会(AMT)によると、今年1~10月の製造
機械の新規受注は前年同期と比べ6%減少した。だが10月単月では前年同月比で3カ月連続のプラスとなった。

 工場への投資の回復は、製造業の雇用にとって新たな逆風になる恐れがある。
 
 ロン・デフェオ氏は今年、米工作機械メーカーのケナメタルのCEOに就任した時、メキシコへの工場移転計画
を中止した。これにより、数千人の従業員が解雇を免れた。

 しかしその一方で、2億ドル余りを投じて同社工場の多くで設備を見直す予定で、数百人の従業員が機械に置
き換えられる可能性がある。
 
 デフェオ氏は、需要が増加して増員できるようになることを期待していると述べた。近代化された工場では、
今働いている従業員が持つものより高いスキルが求められそうだ。ケナメタルのような会社から去るスキルの低
い従業員は取り残されるかもしれない。

 歴史の浅い製造業者には少人数しか採用しないところもある。

 ジェフ・フリーランド・ネルソン氏は12年にミネソタ州セントポールで工場を開業し、再生包装資材から子供
用ブロックを製造している。従業員は同氏を含めて8人しかいないが、昨年の売上高は5倍に増加した。

 大統領選以降、トランプ氏は製造業が自動化に向かっていることを認めており、人に取って代わるロボットな
ど、米国の製品製造は増えるとの見通しをニューヨーク・タイムズ紙に示した。

 トランプ氏が米製造業の再活性化に成功したとしても、生産拡大の余地はすでにある。FRBによると、11月の
設備稼働率は75%と、過去40年間の平均値(79%)を下回った。

 つまり人員を増やす余地はあるかもしれない。ただし、効率が向上しても増員が不要にならないという話なら
ばだが。
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