ペット保険最大手のアニコム ホールディングス<8715.T>が12日引け後、9月30日最終の株主名簿に記録された株主の所有株式を1株につき4株に分割すると発表した。投資家層の拡大および同社株の流動性の向上を図るため。
基準日は9月30日、効力発生日が10月1日で、分割の権利付き最終売買日は9月27日。
12日の株価は255円安の2400円ザラバ引け。
[ 株式新聞速報ニュース/KABDAS-EXPRESS ]
提供:モーニングスター社
2011/08/12, 07:08, 日経速報ニュース
11日の東京株式市場で、交流サイト(SNS)関連株の上昇が際立った。コナミなどSNSを通じて遊ぶ「ソーシャルゲーム」を手がけるソフトメーカーに年初来高値が相次いだほか、グリーの時価総額は上場以来で初めて5000億円を突破した。海外景気の減速懸念が強まるなか、成長が期待できる内需企業として買いが集まった。投資マネーは据え置き型ゲームから、パソコンや携帯、スマートフォン(高機能携帯電話)を通じて遊ぶソーシャルゲームにシフトしている。
SNS大手のグリーは一時、前日比7.5%高の2195円まで買われ、上場来高値(株式分割考慮後)を更新。競合のディーエヌエも堅調だった。ソーシャルゲームへの取り組みに評価が高まっているコナミとカプコンも大幅に上昇し、年初来高値を更新。コナミは一時7.3%高の2614円と、リーマンショック前の水準(2008年9月12日の終値2650円)まであと36円に迫った。カプコンも08年12月9日以来、約2年8カ月ぶりの高値圏まで上げた。
時価総額(終値ベース)の推移をみると、ディーエヌエとグリーの時価総額合計は、11日終値時点で昨年末比4217億円(63%)増の1兆959億円まで膨らんだ。SNSゲームを手がけるソフト大手6社(コナミ、バンナムHD、スクエニHD、カプコン、セガサミー、コーテクHD)の時価総額合計も同2600億円(22%)増の1兆4489億円となった。
一方、資金流出が止まらないのは、ソニーと任天堂という従来型のゲームハードを手がけてきた企業。2社の合計時価総額は3兆2909億円と、同3兆254億円減。ほぼ半減した計算だ。ソニーはテレビ事業の不振に加えて、最新据え置き型ゲームハード「PS3」を使ったネットワーク配信サービスにハッカーが侵入したことが重荷。任天堂は、新型携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」の販売不振が響いた。
新たなゲームのプラットフォームとなりつつあるSNSと、SNSを通じたゲームを「新しい利益成長のけん引役」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)として取り込み始めたソフトメーカー。米ジンガやフェイスブックなど海外のSNS関連企業の人気に「IT(情報技術)バブルの再来か」との声もある。SNSが一時的なブームに終わる可能性も拭えず、ソニーのハッカー問題のようなネットワークを通じたサービスならではのリスクもある。それでも海外景気の不透明感や円高に苦しむ輸出企業や、伝統的な内需企業に比べて成長期待が高いだけに、当面は資金の退避先として堅調な値動きが続きそうだ。
【主なゲーム関連企業の年初来の株価騰落率】
銘柄(コード) 株価騰落率(単位%)
11日 昨年末比 時価総額
▼SNSサイト運営
ディーエヌエ(2432) 3.8 35.5 5949億円
グリー (3632) 7.1 2.1倍 5010億円
▼ソフトメーカー
コーテクHD(3635) 9.3 12.1 641億円
セガサミー (6460) 1.5 7.2 4408億円
バンナムHD(7832) 2.4 13.1 2267億円
スクエニHD(9684) 8.2 17.1 1945億円
カプコン (9697) 5.8 69.3 1497億円
コナミ (9766) 6.6 50.5 3728億円
▼ゲームハード
ソニー (6758) ▲2.2 ▲43.1 1兆6717億円
任天堂 (7974) ▲0.2 ▲52.0 1兆6192億円
(注)11日終値時点で、▲は下落。任天堂は大証ベース。〔日経QUICKニュース 吉田晃宗〕