一筆啓上、火の用心、おせん泣かすな、馬肥やせ
手紙には、書式があって、前文、本文、末文、後付、副文となるそうです。
前文というのは「拝啓」などの頭の言葉とそれに続く相手や自分の安否やお礼などのこと
そして本文がきて、前文同様の挨拶があって、頭の部分の言葉に対応した結語「敬具」などがくるというわけです。
前文や末文にくる頭の言葉と、それに対応した言葉の由来というのは中国の書き言葉にあります。
「拝啓」の「拝」はお辞儀を意味し、「啓」は述べるや口を開くことを意味するので、つまりは「つつしんで申し上げます」ということになります。
相手を名指しするのが失礼だという観念があったので、「上様」や「御房」などが使われていました。
ちなみに、「御房」というのはお坊さんのことです。
女性の手紙の場合、頭文字を取ります。
カズオさんへの手紙の場合だと、「カズ様参る」と書いたりするわけです。
あなた、こなたと同じ意味合いがあるので、間接表現していることになります。
手紙のはじめが「拝啓」ならば、最後は「敬具」となります。
「具」は伴う、具足の具、述べるという意味で、「つつしんで申し上げました」で終わっていることになります