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ユタの話 その伍

四度目のユタ…
2010年12月の沖縄旅行記にもチラッと書いたが、思いもよらずユタのレイさん(仮名)に再会することになった。

毎年行っている沖縄だが、2009年に行ったのが2月なので少し間隔が空いてしまった。出発一週間くらい前の夜、明らかに飲み屋と思わせる喧騒をBGMに電話がかかってきた。飲み屋からの電話となると、十中八九ゑ姉さんである。
「ねえ、来週沖縄行くでしょ。ちょっとお願いがあるんだけど。」
ゑ姉さんの頼みとなれば断るはずもなく…。知り合いを一人、レイさんのところに連れてって欲しいという内容。聞けば、かなり深刻な状況みたいだ。
早速、沖縄に連絡を入れ、30分後には段取りが完了していた。

朝10時過ぎのANAということは、羽田を7時台に出発していることになる。初対面で顔は解らない。携帯の番号を聞いていたので、それらしい人を探しながら出口で待つ。それらしいというのは日帰りだから軽装だろうということ。
携帯にかかってきた主(ナナさん:仮名)は、カミさんと「あの人かな…」と言っていた人だった。「朝早くから大変ですね。ゑ姉さんから聞いています。」

せっかく沖縄に来たのに日帰りなので、少しでも沖縄を感じてもらおうと、行きすがら淡水で沖縄そばの昼食を済ませ、高速でレイさんのお宅へ向かう。
右手に見えるのは…などと景色を説明していたが、やはり朝早く出ているのでしばらくすると寝てしまったようだ。

お隣のビルに引っ越しして、部屋は少し広くなっていた。部屋の中は相変わらず…。
いつものように氏名、住所、干支などを紙に書き、見立てが始まった。仕事柄、人と接することの多いナナさんは、聞かなくてもいいことを聞いてしまったり、上下関係などで悩みが多く、いろいろとアドバイスを受けていた。いつもの口癖「ステキ」も多い。

最後に、今回の本当の目的であるお祓いをしてもらった。ゑ姉さんが祓ってもらったときより時間がかかっているようだ。途中「気持ち悪くない?」とレイさんが声を掛ける。しばらくしてお祓いは終わった。
ナナさんは所謂霊感が強く、見えなくてもいい物が見えてしまう体質だという。ここ数ヶ月、とても体調が悪くなり血みたいな物を吐いたりしたので、医者に行ってもすこぶる健康(むしろ人より健康体)と言われるだけで悪いところは見つからない。ワインの飲み過ぎかとも思ったらしいが、他にも、運転中に気を失いそうになったり、電車のホームで線路に落ちそうになったり…と。夢の中でも何かに追われて、朝目が覚めると腕に捕まれたような指の跡が残っていた事もめずらしくないらしい…。

そこまで行くと医者の領分ではない。ということで年内にみてもらった方がいいだろうと、今回のユタ訪問を決めたそうだ。
不調の元は生き霊だった。何年もの間に何層もタールのように溜まっていた…というのがレイさんの見立てだった。

帰りに基地の中が見えるところがあるけど…というと見てみたいということになったので「道の駅かでな」に寄った。ここの屋上からは嘉手納基地の内部を見る事が出来る。ちょうど普天間の移転問題がニュースになっていた頃だった所為か、屋上には数人のカメラマンが待機していた。
「よく見えるでしょ」と振り返り、ナナさんの顔を見て二人でびっくりした。顔つきが全然違うのだ。さっきまでと別人のように、人なつっこい笑顔のナナさんがそこにいた。
「とてもすっきりしてきぶんがいい」と笑っていた。本当のところ、レイさんに「気持ち悪い?」と聞かれたときは、吐きそうになっていたそうなのだが、ここで気持ち悪いというとお祓いをやめてしまうのでは…と思い、必至で我慢していたそうだ。一番のピークはレイさんのお宅へ向かう車の中だったらしい。祓われることを感じた生き霊の最後のあがきだろうか…。

16時過ぎの飛行機で東京へ帰っていったナナさんから、その夜メールが来た。お礼と一緒に、「会った人みんなから今日はいつもと違ってとてもすっきりした顔してる」と言われたと書いてあった。

この時、4ヶ月後にまたレイさんのお世話になるとは思ってもいなかった。

ユタに関する記述はあくまで個人的な感想です。


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