琳派墨絵保存倶楽部・部誌 「なてし子」

江戸琳派の祖、酒井抱一家に伝来する本格的な琳派の画法を継承している「琳派墨絵保存倶楽部」の活動日誌ブログです。

墨絵ワークショップ ~国際交流としての墨絵~

2017年01月16日 | 教室案内


2017年1月14日、一橋大学校内の国際交流会館で、今年も墨絵ワークショップを開催させていただきました。
受講の対象は、主に国際交流会会館に在住の留学生の皆さんです。

この「墨絵ワークショップ」は、もっと広い範囲の方々に墨絵の面白さを体験していただき、
そして、墨絵の愛好者を増やしていこうという想いのこもったワークショップです。
当、琳派墨絵クラブの原点ともいえる、大事な活動です。

最初に開催させて頂きましたのが、こちらの一橋大学様でした。
再訪する度に、身が引き締まる思いがします。
そして、自分の成長を感じるバロメーターに向き合う様な気持ちが致します。




ワークショップのプログラムは、たった2時間です。
この2時間の中で、

墨絵の歴史、
墨絵の道具の説明(名称と材料、書道の道具との違いなど)
基本の筆法をいくつか
色紙にお清書

をこなしてもらいます。

(今回のお教室の写真は、受講者の皆さんから使用許可を頂きましたので、
ご協力に感謝して、掲載させていただきます。)






ご覧のように、最初に硯で墨をする所から始まります。

皆さんにとって、墨絵とはまったく未知の世界です。
書道すら経験がなく、筆を持った事のない方がほとんどです。
もちろん、墨もはじめて見ます。墨の香りの意外さといったら。





墨絵の基本は、何といいましても「竹」の絵です。

様々なやり方で筆をととのえ、準備し、幹や葉や枝を描いていき、
最後に構図に収まるよう、苦心を重ねます。





色紙に描くというゴールを目指して、
何度もなんども丁寧に練習していく、皆さん。

最初、私は「記録用に」と何気なく写真を撮っていたのですが、
後から撮影した写真をみると、
どの方もニコニコ笑いながら、運筆していらっしゃいます。
本当に感動しました。





最初から色紙に描くというのは、難易度が高いと思います。しかしながら、
色紙に描く事で作品になり、お友達に見せたり、母国に持ち帰ってご家族に見せる事ができるでしょう。

そうして、「墨絵」が少しづつ身近に感じられるようになる事でしょう。






いつも、ワークショップの最後に「感想文」を書いてもらっています。


中には、美術館でみたあの絵が「墨絵」だと初めて知りました、という感想もありました。

「墨絵」を通して、若い留学生たちに、何が学びになるか?
毎回、いろいろな感想文を有難くたのしく、読ませて頂いています。


次回は、より「禅」の修行に取り入れられた、「理由」にも迫るような、
そんなプログラムができたらすごいな~と思いながら、今回のワークショップを終了しました。


琳派墨絵クラブ


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