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2511号Флаг(旗)

2017-08-05 19:44:37 | 作品写真
地下街の万国旗のようなデコレーション。楽しんで針を持ったのは最近いつだったかな。この日、やっとの事で老母のブラウス袖口の釦をつけた。
受診に向かう前に気づいて実家に戻ってから針・糸とハサミを老母の針箱に探した。老父は自分の耳が遠い分、俺にも怒鳴る。釦はどこそこにあるかも知れない、とかハサミか?糸切挟はない!針はどうのこうのととにかくうるさい。日帰りの実家なのに思わず『‥うるさい』と口に出ていた。老父は居合わせなかったが、老母が笑って静かに頷く。
そういえば、子どもの時も何か置き忘れたものなどを探して茶の間をうろうろする度父親に叱られた。茶の間は父親の縄張で、親が置いたものを勝手にさわれない。窓際とか座ったあたり位しかあてはないが、とにかく探しているだけでよく叱られた。今同じように認知症老母が小言連綿喰らう。
釦が存外にすぐ見つかって、余分の糸は老父のカッターで切った。縫針は百均にあるような針セットから抜いた。黒い木綿糸もあった。
失礼して着せたまま袖口に縫い付ける。細くない糸を迷って二本取りに結びしつこく二重に留めつけた。昔のお婆さんのように、口で糸を切る。
実家の座布団は、老母が昔古物を縫い合わせたカバーに入っている。パッチワーク風や、様々な材質。不思議なつぎはぎで中厚の縞は、昔のコートの裏地だ。病人が身のまわりの綿ものを粗相して損じると老父がいいつのる。座布団カバーも無理やり切っては洗うと言う。布団も畳も痛むと毎度言います。無表情で聞き流す。畳替えなぞどうせしない癖に。ふんケチ、と内心つぶやく。
親子でも惜しむものは違う。この旗のように楽しくはぎれをとり合わせ昔バザー用にピンクッションをつくった。もっと昔老母が繰り返し編んだ大量の毛糸の残りは、鉤針の長編みで毛布のような形になった。暁の空のような毛布。
拙い針目、糸運びでは親潮に流されるような老母の病状進行をつなぎとめられない。この先俺は何の役に立てるか。
闘う隊、旅ゆく船、週を日を追う生業の店、皆旗を高くあげる。この日こそという時に、心の平原にどんな旗を立てようか。
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