好事家の世迷言。
こうずかのよまいごと。不思議な物語を愛する、調べたがり屋の生息日記。コメント・トラックバックは、基本的には歓迎します。
 



『工藤新一への挑戦状 裁判所内殺人事件』読了。

とうとう短編集の、それも連続刊行である。(全4話収録)

実写ドラマのノベライズだそうだが、小説の形態ならば読まざるを得ないと思って手に取った。

まず端的に言って、話が短い。
「40字×17行=680字」の一段組みノベルス60ページ程度で1話終了。
無論、ページの全面が埋まってるはずはなく、
実質のところ原稿用紙50枚程度のボリュームしかない印象である。

だから、ゲストキャラ達の人物関係も、犯人の動機も、ことごとく説明台詞が続く。
事件に巻きこまれた新一が、あれこれ蘊蓄を説明しつつ、蘭や小五郎らと共に解決する、の繰り返し。

ただし、第4話の『結婚披露パーティ怪事件』は、純粋にミステリとして興味深かった。
確かにこのトリックを扱うのは、『コナン』の世界観では無理だろう。
というか、だったらそもそも『コナン』の世界観で書く事自体が必要なんだろうかとも思うが。

原作との相違点も変わらず多い。小五郎が帝丹大学出身になってるのは痛い。
中でも、新一の違いは明白である。
小五郎にタメ口どころか「おっちゃん」呼ぶし、公衆の面前で「オレ」で話すし、
やけに謙虚で、既に有名人である小五郎の弟子みたいなポジションだし。
これでは新一でなく、まるで――少年探偵団に接している時のコナンだ。

つまりこの本で最も違和感を放っているのは、
冒頭の「工藤新一が「江戸川コナン」になる前のお話です。」という但し書きだ。

『コナン』本編が完結した後の物語だという設定なら、感情移入も若干しやすい。
いずれ続刊も読んでみよう。

それでは。また次回。

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