好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

変形しすぎは普通になる。

2009-09-18 | 物語全般
時間を作って、映画『BALLAD 名もなき恋のうた』を劇場に見に行く。


「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」のスピンオフ。

出来れば、「アッパレ~」を見返して復習しておきたかったのだが。
復習しなくて正解だった。
というのは、「アッパレ~」の方が、私は好みだったから。

私が考えるに、この物語の核は、決まりきった典型的な合戦絵巻に
乱入してきた小市民の家族がもたらす、激しいギャップだ。
戦場(いくさば)を蹴散らす乗用車なんてのも、本来ならばギャグなのだ。
(タイムパラドックス問題などを清々しいまでに無視しているのがこの映画の特徴)
そんなギャグ漫画の世界観だからこそ、深刻な人死にが、悲恋が映えるのだ。

にも関わらず、その肝心な笑いの部分を全て消してしまえば、
それは単にありふれた戦国ものでしかなくなる。
無難に楽しむ事は出来ても、それ以上の興奮は望めないのだ。

それから、個人的に気になった点。この映画の宣伝の仕方である。
確かこの映画は、「アッパレ~」と視点を変えたスピンオフという触れ込みだったはず。
そのじつ、宣伝では二言目には、又兵衛と廉が取り上げられている。

しかし。この実写映画の方でも、物語の主軸は、乱入してきた家族の方だ。
戦国時代に触れた事で成長した少年こそが、真の主役なのだ。
家族の設定などの小手先を変えたところで、その部分は変わっていない。

スピンオフなどと言わず、素直に「アッパレ~」の実写版と
名乗った方が良かったんじゃないのかな……コレは。

それでは。また次回。

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