好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

『はじまりの魔女』プロローグ「初めての冒険」

2017-01-21 | ゲームブック二次創作
あたし達の一族は「黒い森」って所に住んでいる。
「柳谷」の近くに、隠れるように広がっている深い森。
歴史も寿命もとても長くて、ずっと静かに暮らしてきた。

ただ、その中に偶に、少し変わった者が生まれてくるらしい。
バルサス・ダイアもその一人だと言う。
8年前、新しい不思議な妖術を研究するとして、突然に森を去った。
やがて、バルサスの妖術は恐れるべき強大な物になっていき、
ついには世界を征服する野望を持っているという噂が立ち始めた。

そこで本当のところを確かめようと、ある一人が偵察に行った。
剣の使い手として知られる、サミュエルお兄ちゃんだ。
お兄ちゃんも、しょっちゅう森の外へ旅に出て行く変わり者。
「冒険者」って名乗ってるのを聞いた事がある。

そのお兄ちゃんが、あちこち斬られた服と、
疲れ切った体で戻ってきたのが3日前の事だった。
何と、バルサス・ダイアは、「ぎざ岩山」の奥から魔物を集めており、
1週間以内に「柳谷」を、ひいては「黒い森」を攻め落とす準備を進めているというのだ。

「オレは途中で息切れしちまったが……、安全に逃げ出せる道が必ずあるはずだ。
コレがお前の先を照らす明かりになる事を祈るぜ」

お兄ちゃんは私に、書きかけの地図を渡してくれた。
そう。次にバルサスの要塞を目指すのは、このあたし。
一族の中で一番の魔力を持つ(らしい)あたしは、
お守り代わりにしている銀色の小剣を握りしめた。
どうなるか分からないけど、やれるところまで、やるしかない!

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