好事家の世迷言。

私「りえ」の感性で綴る、調べたがり屋の生存報告。※今は逆転裁判とFate(共に初期)に集中してます。他は勘弁。

昭和の創作活動は現在にも通ず。

2017-06-15 | 物語全般
『大いなる助走』(by筒井康隆)、読了。

初出は1977年。
歩き始めるまでの一歩を延々と引き延ばして書いた作品……ではない。
(↑そういう作品も存在します念のため)

簡単に述べれば、今の時代で言うところの、
オフライン一次創作同人小説サークルでの群像劇である。

自作品をネットで気軽に発表できる今時から見ると、こういったオリジナル作品を、
それも書籍の形で定期的に出版する事への情熱そのものに感嘆する。

この作品が出た当時の創作活動は、
良くも悪くも、重くて大きかった。何たって金がかかる(断言)。
翻って考えれば自分、曲がりなりにも、まとまった文章をものするようになっている。
そんな今の自分だから尚更、この本を読む価値があったと感じた。
初心に返るためにだ。

文学をやるとは、地獄の底まで堕ちる事。責任を取る事。
小説とはまず読者のためにある事。
作者は必ず誰かに読ませたくて、読んでもらいたくて書いている事。
今で言う、意識高い系の女子高校生が、
恋愛のもつれから自殺する際に書いた遺書が人生最高傑作なんて皮肉も。

……なんて堅苦しい論を無理に考えて読むのも野暮だったり。
終盤は、文学賞選考を巡っての殺人劇が、いつもの調子でバッタンバッタン。
SF作家への自虐ネタも飛ばす飛ばす。
考え次第で、深くも浅くも読める良作でした。

それでは。また次回。
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