好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

『ラスト・ビジネス』第4話「フィン城の謎(ミステリー)」

2018-02-17 | ゲームブック二次創作
結局、俺たちは、定期船の出してくれた筏(いかだ)で川を渡った。
お婆さんは、にこにこしながら言った。

「ありがとうよ。その白い鳥は大事になさい。
フィンに着いたら自由にしてやるといい」

言われて思わず、籠の鳥を見ると、鳥は元気そうにクックッと鳴いた。
口に、小さな銀色の鍵をくわえている。
いや、それより、何でこのお婆さん、俺たちがフィンに行くって知ってんだ?
訊こうと顔を向けたら、もうお婆さんは居なかった。

俺たちは川筋に沿って、北へ歩いた。
立ち寄ったガテアの村には、市こそ立っていたが、今一つ活気が無かった。
答えはすぐに分かった。
マティウスからの許可を得ていないと、武器の売買も出来ないというのだ。
武器屋の主人は、ため息をついて説明した。

「狩りの弓矢でさえ御法度なんだ。フィン城の砦へ送られちまう」
「フィン城の砦?」
「知らないのか? あそこは今、マティウス様の牢獄なんだ。
謀反者は皆、魔物に変えられちまうんだと」

って事は、エリュテイアもやられちまってるのか?
とにかく、砦に急がないと。
せめて雑貨屋で買える物はないかと探した。
役に立ちそうなのは、移動用の手鉤と縄梯子。
この網も、罠を仕掛けるのに使えそうだな。買おう。

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