銀の砦

子供の頃に構想した漫画ストーリーの焼直し小説?

#54

2017-06-09 22:35:00 | 銀の砦
リシュナを乗せたウマが城に到着した。後方には、ウマを走らせ追い付いたセルルもいた。

城の警備が遠くからそれに気づいていた。

城勤めの者や、残っていた守備隊員・衛兵の多くが、門の外に集まり、祝福と賞賛の言葉を口にして、ウマに乗ったままのリシュナとセルルを出迎えた。リシュナは得意気な笑みで、門から城の敷地内へと進んで行った。もちろん、あの、偉大なる力だという女も一緒だ。セルルもそれに続いた。

イシュタル国民の、リシュナへの心酔は絶大なるもので、はじめて見る女の正体に疑念を抱く者はいなかった。

ただ、祝福ムードの歓声のなか、ひとり、真剣な眼差しでセルルのウマに駆け寄り、声をかける者がいた。
「ねえ、リィは? リィは無事なの?」
ルシアだ。
「大丈夫。後から来るよ」セルルは頭を下げ、ウマの上からルシアに顔を近づけて小声で答えた。
「本当?」
ルシアは泣きそうな顔ですがるように訊き返したが、大勢の観衆にもみくちゃにされ、直ぐにセルルとは引き離された。

第二王子のイリノが自室の窓から、その様子を、神妙な面持ちで見つめていた。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
« イラスト | トップ | #55 »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。