ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)とグラナダ・ホームズを語る
グラナダ(NHK)版ホームズの鑑賞日記とホームズ役ジェレミー・ブレットに関する情報を発信していきます
 



今日も本「Dancing in the Moonlight」のご紹介です。

今回は、46ページを中心に最愛の妻ジョアンさんの死についてです。

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ジェレミーとハードウィックは、以前から知り合いだったが、共演をしたことはなかった。2人とも70年代の初頭にナショナル・シアターにいたが、当時二つのグループに別れており、2人はちょうど別の制作グループに属していた。ハードウィックは、僕にこう言っていた。「確かに、ジェレミーの事は知っていた。言動が目立っていたから。」

目立った言動というのは、妻ジョアンの死による衝撃が、躁鬱病の症状を激しくさせた結果だと想像できる。彼の健康は、「復活」シリーズの撮影中から崩れてきた。ジェレミーは亡くなる前に国営ラジオに出演してた際、躁鬱病に罹っていて、時々行動にムラが生じると話していた。1985年夏のジョアンの死から、ジェレミーの病状は、徐々にそして確実に悪くなっていった。

「冒険」シリーズの撮影の最後の数ヶ月、ジェレミーはジョアンの健康状態を心配していた。スイスで「最後の事件」の打ち上げパーティの為に、マイケル・コックスとジェレミーが一緒に風船を膨らませていた最中でも、ジェレミーはジョアンの身体を案じていた。ジェレミーは、ジョアンが膵臓がんの治療を受けているアメリカに住みたかったが、グラナダ・ホームズのスケジュールで叶わなかった。「ジョアンは化学療法を受けている間は、僕が側にいるのを望んでいなかったけど、横についていられなくてイライラしたよ。」

ジェレミーは、ジョアンの意見が正しかったと認めていた。ボストンの病院に、最初に付き添いに行ったとき、ジェレミーは気が遠くなった。

「治療室に入って、器具に繋がれていた彼女を見た時は、落ち込んで、僕は全く使いものにならなかった。ジョアンは、こう言った。『もう来ちゃダメよ。あなたにとって、良い事はないわ。』もちろん、僕はまた着いていったが、その時はマシに振る舞えたよ。」

ジョアンは、1985年7月4日に亡くなった。1988年12月の「TV Times」のインタビューで、こう告白している。「僕はジョアンに頼り切っていて、彼女無しでは続ける理由が見つからなかった。」

確かに、ジェレミーは続けたくなかった。ホームズシリーズの契約をする際、ジェレミーはホームズを演じたくなかった。「シャーロック・ホームズの復活」シリーズ撮影の為に、9月には戻らなくてはいかなかったが、ジョアンなしでは、気落ちしてしまい、将来の展望も持てなかった。ホームズを演じるストレス、マンチェスターのホテルでの仮初めの生活、複雑な台詞の暗記、そして自分が人気番組を動かしているという事実。これらのストレスとジェレミー自身の壊れやすい精神状態、妻の死と相まって、ジェレミーは追い詰められていった。

「孤立感が増していったよ。そしてついに、恐ろしいほど落ち込み、病院に10週間近く入院していた。入院したことで、忌々しい「Sun」が一面で作り話を載せて、僕の家族が深く傷ついた。しかし、面白いことに、これが原因で僕は人と話さなければならなくなって、結果的に病状の回復に役立った。息子のデービットには、特に苦労をかけてしまった。アニー(前妻のアンナ・マッシー)が運転して、息子を僕の病院までよく送ってくれた。この事は、生涯忘れることがないだろう。彼女は、中に入って僕を刺激しないよう、いつも病院の外で待っていてくれた。愛情だね。」

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今回は読んでいて、夫婦愛にグッときました・・・。

ジェレミーは、ジョアンさんの事をこう表現しています。「Joan was my confidence」
confidenceって「信頼、信用」なんですが、「妻は僕の信頼」・・・。
なんという重い、そして愛情深い言葉・・・私の言語力では、この言葉の全ての意味を表現できないのが、悔しいです。
ジェレミーは、ジョアンさんを心から愛していて、彼女を信じていて、自分の全てを預けてるんですよね。
自分よりも信じられる存在を持つ幸せ・・・。素敵なご夫婦愛だなぁともうジーンときました。
そして、そんな存在が奪われることの、ジェレミーの喪失感が見ていて、・・もう辛いです。

その後に続く言葉が、「without her there was no reason to go on.」
彼女無しでは、生きる理由が見つからない。と訳しても良いと思います。ちょっとインタビュー前後が分からないので、不確かですが。
今回は、すぐ後にホームズの話が続いてますので、「彼女無しでは、ホームズを続ける理由が分からない」と訳しました。

治療中の奥さんの言葉も、自分のことではなく、まずジェレミーを事を想い、気遣う優しい一面が見えて・・もう・・。
ジェレミーはいつも、「ジョアンは、病気中でも僕の事を気遣ってくれる」と言っていますが、本当にお互いの愛情が溢れていて、
なんでこんな愛し合っている2人が引き裂かれないといけないんだって、もう読んでいて何度も涙ぐみました。

絶望感の中、入院もしましたが、前妻の優しいサポートでデービットにも何度も会え、良かったです。
ジェレミーとアンナは、夫婦としてはお似合いじゃなかったけれど、友達としてだったら仲良くしていられたと思うんです。
こうして別れた旦那さんの窮地に優しく接してあげれるって、アンナさんも素晴らしい女性だと思います。

結婚していても、お互いを完全に信頼しきれない夫婦って結構いると思うんですよね。
そんな中で、ジェレミーは本当の運命の相手に会えたのに、別居婚で一緒にいる時間も少なく、本当に過酷な運命だったと思います。
天国では、2人仲良く楽しく、そしてずっと一緒に過ごしていることを切に願います。



先週末は、NHKでホームズ特集がありましたねー。
もちろんNHKですから、グラナダ・ホームズの映像も使われまくりでした♪
いよいよBBCの「シャーロック」もファイナルシーズンですし、放映前後にはグラナダ・ホームズもじゃんじゃん地上波で放映して、新たなジェレミーファンの獲得を狙いたいものです!


りえ(https://twitter.com/riekojeremy)



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