ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)とグラナダ・ホームズを語る
グラナダ(NHK)版ホームズの鑑賞日記とホームズ役ジェレミー・ブレットに関する情報を発信していきます
 



今日も本「Dancing in the Moonlight」のご紹介です。
今回は、47ページを中心にジェレミーの躁鬱病についてです。

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躁鬱病は、破滅的な病気である。この病気は、普段は狡猾な動物のように眠っていて、敵が弱ってくるとその隙をつき攻撃を仕掛けてくるのだ。当時、病状は良くなっていたのだが、間が悪く、妻の死、ホームズ役が強いる人生と心への圧迫が病気へ作用した。ジェレミーは、若い頃からこの病気の発作に悩まされてきた。普通より目立った性格だったため、他の人はジェレミーの気持ちの変動を特に変だとは感じていなかった。

エドワード・ハードウィックは、鋭い洞察をしている。

「良い意味で、ジェレミーはいつもエキセントリックだった。そうなれるのは素晴らしい事だと思う。僕も、そうなりたいものだよ。だから、ジェレミーの行動の多くが、病気のと言うより単に性格的にエキセントリックだったらよかったのだが。」

当時、ジェレミーが完全に自分が躁鬱病だと受け入れたかどうかは、判断が難しい。シャーロッキアンのJean Uptonは、ジェレミーとシャーロック・ホームズについて電話で話した時、衝撃的な経験をしている。彼女が、ホームズは多分躁鬱病に罹っていると思う、という説を言ったら、ジェレミーは何も言わずに電話を切った。この話から、ジェレミーの弱点への繊細さが分かる。その弱点についてだが、亡くなる直前、ジェレミーは躁鬱病協会の為にラジオに出演していた時には、自らの病気を完全に認識していた。これは、そのインタビューでの言葉だ。

「僕は、躁鬱病に罹っている、だから、僕が何を話せばいいのか、自分で分かっている。知って頂きたいのは、深刻な心の病に罹る前から、僕はプロの俳優だった。この病気は、気持ちが揺れ動きやすく、どん底の落ち込みから上機嫌になったり活動過剰になったりする。躁状態の人は、すごい行動力とエネルギーを持っている。アイディアが次々と沸いてきて、眠る事もできなかったり、見境なくお金を使ってしまう。幻影をみているようで、リアリティーを失う。僕も躁状態の時は、困らせるような事や破滅的な事をしてしまう。」

「臨床的に鬱状態の発作が起きると、活力がなくなり自暴自棄になる。1986年Maudesley病院に入院した時、あまりにも動揺していて、周りの物や人と関わりが持てなかった。僕が出来る事といったら、拳を握りしめ、うつぶせに横たわるだけだった。僕が思っていたよりも長い間、この心の揺れ動きと折り合いを付けてきた。プロの俳優になってからは、少しのMadさは演技の足しになっていた。僕の場合、銀行や学校で働く人より、職業が病状が適応しやすかったんだ。プロの俳優としてキャリアを積んできたことで、この病気の事、成功した人生や仕事を諦めない、という告白をする勇気をもらえた。病気は治療可能だ。」

この勇気ある発言は、ジェレミーの最後の仕事となった。1995年9月3日に放送され、ジェレミーは9月12日に亡くなった。

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今回は、ジェレミーの躁鬱病についてでした。
今でこそ、manic depression=躁鬱病で辞書にも載っていますが、ジェレミーが亡くなった頃には、この病気が掲載されていない辞書もあったり、
日本でも躁鬱病という病気が浸透していない時期でした。

だからジェレミーも病気の事を周囲に理解してもらえなかったり、病状での気持ちの揺らぎが自身の行動だと見られたり苦労したと思います。
躁鬱病の病状が軽い時は、冷静に対応出来る事でも、病状が重く出ている時には、今回のようにホームズファンと電話を突然切った事もあったり。
皆さんご存じのように、ジェレミーは他人を思いやり、いつも相手に誠心誠意対応してきた人ですから、病気とは言え誰かを傷つけてしまう行為をした後、
ジェレミー自身も後悔したり、傷ついたりしたのでは・・と心配です。

ジェレミーが入院していた病院は、こちらではないかと思います。
外観がとてもイギリスらしい病院で、ロンドンの南側(テムズ河より南側)にありました。
クラパムコモンの自宅からは、車で15分程度なので、自宅近くで入院していたのですね。

エドワード・ハードウィックの病気についてのコメントが、なんとも愛情溢れるコメントでしたね。
ハードウィックは、ホームズの舞台劇の時、病気からジェレミーが台本と違う台詞をアドリブで入れてきたりして、
ぶっつけ本番の緊張の中でそれに合わせるのにも大変な思いもしたと思います。
ワトスン役としてジェレミーの側にいて、ジェレミーの病状で嫌な事を体験したこともあると思うんです。

「エキセントリックだというのは、素晴らしい事だよ。」
ジェレミーの病気の事、本来のジェレミーの性格としてのエキセントリックさを全て認めて、受け入れてのコメントじゃないかなと思います。
この言葉に、ハードウィックからの、病気のジェレミーを包み込むような愛情を感じます。
「彼のエキセントリックさが、病状からじゃなく、本来の性格から来るものでも、僕は好きだったよ。」と、表現できそうな包容力を感じるコメントでした。



さて、先週末は、「シャーロック」の最新話が放映されてましたが・・・
私は痛恨の録画ミスで見逃しました・・・。
なんか評判ではあんまり良くないのかな?いままでがよく出来ていたので、何が低評価なのか確かめたいです。再放送を待ちます。

訳が続きましたね-。今度は、何かビジュアル行きたいですね♪
今、この「Danicing the the Moonlight」を訳してるんですが、同じ作者なので「Bneding the willow」で書いてあった事と重なる事も多いです。
ただ、前回の本を訳して数年経つし、やはりジェレミーの年に近づけば近づくほど、経験を経てより理解が深まっている様な気がするんですよね。
どうしてこの人がこういう会話をしたか、多分前より予想がつくようになっていると思うのです。
だから、内容がダブっても気にせず、どんどん感じたことを書いて、アップしていきたいです♪

今日みたいに、ハードウィックからのジェレミーへの愛を感じたとき、本当に心から嬉しいし、うるうるきちゃいます。
誰かからジェレミーが愛を受けていると感じれた時、「ジェレミー、こんなに愛されていたんだなぁ。ほんとに良かった。」としみじみと胸にこみ上げます。
そして、私まで愛に包まれて、幸せになれます♡
ジェレミーが病気に罹っていた事は辛いですが、そんな苦しい中にも愛や優しさが、ジェレミーを包んでくれたと思います。


りえ(https://twitter.com/riekojeremy)



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