ネコギギさんのブログ

人生の備忘録。

超低金利は財政余地を拡大した(『低成長の罠から脱するための財政レバーの使用』)。

2017年05月06日 06時09分13秒 | 下書き
 市場アクセスに焦点を合わせると、財政余地は、2014-2016年に
多くの先進国で大幅に拡大したと評価される。
金利減少の衝撃は、潜在生産成長の推定される下降を凌ぎ、債務の限界の増加は、
対GDP債務比率における変化よりも大きかった(図 2.6)。
財政余地の推定される拡大の大きさは、国によって広く異なる。
ドイツとイギリスを含む、七つのOECD諸国において、GDPの20%を超えた。
しかしながら、フィンランドと韓国においては、目に見えて狭まったと推定される。
それは、潜在生産の大きな下降と実質金利の比較的小さな減少によるものであるが、
重要な余地は残されている。

 財政余地を見るもう一つの代替的な方法は、長期の持続可能性に焦点を合わせ、計画された
支出に供されて、国が蓄積できる最大限のプライマリーバランスの黒字を計算することだ。
典型的なOECD諸国は実際、年金と医療の費用含む、高齢化に関連した支出が
次の30年間、劇的に上昇すると見ている。
同時に、国はその租税収入を最大化することができる。
上述のように、これに対してアプローチする単純な方法はラッファー曲線を使用することであり、
国の特性と経済の状態により、典型的な国が集め得る最大限の歳入を決定する。
もし経済が衝撃に影響されなければ、そのような歳出と歳入の組み合わせは債務の限界を定義する。
しかしながら、経済の不確実性のため債務の固定された閾値は存在せず、
交差したときに国債のデフォルトを引き起こす。

 この展望から財政余地を見るに、債務の限界の分布可能性関数は、各経済における
公的債務の所与の水準における各々のデフォルト可能性を示しているが、
顕著な例外となっている日本以外、最も大きい先進国は財政余地を有すると提言する。

 ”長期的な財政の持続可能性”アプローチはまた、フランスとイタリアにおける
財政余地の大きさに関して不確実性を示す(図 2.7)。
フランスにおいては、財政余地の”市場アクセス”測定は、不確実性の範囲内で、
財政余地は小さな利得であることを示す。
”財政的持続可能性”測定は、いずれも明確なシグナルを発しない。
イタリアにおいては、市場アクセスに比べ、財政的持続可能性に焦点を合わせるとき、
財政余地は限られるように見える。
それは焦点が、プライマリーバランスの過去の動向か(”市場アクセス”アプローチ)、あるいは人口高齢化の
予算的含意(”長期的な財政の持続可能性”アプローチ)に合わせられているかを反映している。

 定性的な評価は、たとえ公的債務が、平均的なOECD諸国に比べてEMEs諸国においてより低くても、
財政余地拡大の大きさはEMEs間でミックスされることを提言する。
計画された生産成長、現在の金利水準、そしてまた金融市場の脆弱性を所与として、経済見通しの予測は、
中国においては、十分ではあるが狭隘化しつつある財政余地がある一方で、インド、ブラジルと南アフリカにおいては、
改革がなかったために財政余地がない状態が続いていると提言する。


USING THE FISCAL LEVERS TO ESCAPE THE LOW-GROWTH TRAP(OECD Economics Department)
http://www.oecd.org/eco/public-finance/Using-the-fiscal-levers-to-escape-the-low-growth-trap.pdf
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