ダークサイドに落ちた日本人たち・その２

　　　先日、区フランスに留学中の日本人女性黒崎さんが殺害されたのではないかという報道にからんで、ＳＮＳ上になんともひどい投稿がありました。それは、黒崎さん殺害の犯人はやはり在日韓国人だった、というもので、ご丁寧に黒崎さんが微笑みながら一人の男性と写っている写真が添えてありました。

　　　私はそれに対して、とりあえず、「チリ国籍の在日韓国人」なんてありうるのだろうかという疑問を投げかけてみたのですが、続くコメントは読むのも嫌になるくらい口汚く韓国人をののしるものばかりでした。私は政治的姿勢としては現在反韓以外のなにものでもありませんが、これではあまりにも情けないとあきれてしまいました。

　　　写真に写っている男性は、私の目には韓国人というよりも、中国・台湾、あるいは中華系東南アジア人という印象が強く、また、殺害を犯すような人物にしてはあまりにも純朴で真面目な人に見えました。そこで更に、万一この男性が無関係な人物であったなら、一体どう責任を取るつもりなのかと問いかけてみたのですが、何の答えもありませんでした。

　　　今朝になって、各テレビ局とも、犯人の実名と犯人が写っている動画の発表に踏み切りましたが、案の定、典型的な白人であって、韓国人でも何でもなく、ましてやＳＮＳによって拡散されてしまった気の毒な男性とは全く似ても似つかないものでした。

　　　そこでとりあえず、次のような投稿をしてみました。

　　　「黒崎さん事件について、何の根拠も無く犯人は在日韓国人だとして写真入りで投稿した人物がいて、それを見た人達が無批判に在日韓国人をののしっていたが、軽々しく尻馬に乗ることの愚を悟ってもらいたい。そういうやり方は、感情的な韓国人たちの反日と同じレベルになり、私たちの正当性を損なう事になってしまう。狂ったような反日韓国人と同じになっては、本末転倒だ。日本人としての矜持を失わないでいただきたい。」

　　　幸い、この投稿に対しては、次々と「いいね」が押され、同意見のコメントが寄せられて来ました。この結果、とりあえずは、やれやれという気持ちにはなったのですが、皆さんなぜ最初の投稿の時に何の反応も無かったのかという疑問も湧いて来ました。

　　　もしかすると、今の日本では、「韓国人は馬鹿だ。」「韓国人は変態だ。」「韓国人は強姦魔だ。」「韓国人は嘘つきだ。」「韓国人は人糞を食べる人種だ。」「韓国人はＤＮＡレベルで異常だ。」「韓国の女はみんな売春婦だ。」等々の書き込みに対して異論を唱えてはいけないというような「空気」が出来上がっているのではないかという気がします。

　　　もちろん私自身もこれに類する内容をこのブログに書いたりはしているのですが、個々の事件について、本当に事実なのかどうかを考えるだけの心のゆとりは持ち合わせていますし、朝鮮や韓国の歴史についても普通の人よりはるかに勉強しているので、感情的なののしりに走ったり、ガセネタかどうかも考えずに悪乗りしたりはいたしません。

　　　肝心なのは、「空気」が出来上がってしまうと、それは現在の韓国における反日と同じで、情緒的で切れやすく、事実に基づかなくとも相手を口汚くののしるという気風が完成してしまうという事です。そうなれば、もはや私たちの方にも、相手を批判する資格が失われてしまいます。

　　　こんな様子では、韓国が日本と一戦交えると言い出したら、おお、やってやろうじゃないか！と、自衛隊員でもない人たちが調子に乗ってしまうことも無いとは言えません。韓国の次期大統領候補と目される人物が、韓国は北朝鮮と組んで日本と戦争すると発言している無軌道状態なのですから、こちらが冷静でなければ話になりません。

　　　私も韓国の現状は、馬鹿げていると思っています。しかし、それは取り合っていてはいけない性質の馬鹿さ加減なので、私たちは冷静に、どうしても避けて通れない場合以外は、幼稚な罵詈雑言で反応したりせず、紳士的な「無視」を貫けばそれで良いと考えます。