梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

LOVELYZを見た

2017-08-06 09:26:58 | 日記


   以前コメントを寄せてくださった方が熱烈なLOVELYZ推しでしたので、私もその熱意に打たれて、LOVELYZ初の日本公演に行って来ました。場所はZEPP TOKYO。場所はお台場よりずっと先、もはや江東区です。1時間45分かかりました。最近体力の低下が著しく、往復+立ったままの鑑賞に堪えられるかどうかがカギでしたが、お陰様で、なんとかなりました。

   韓流にはそこそこ詳しいと自負していた私ですが、LOVELYZの存在を知ったのは、実はコメント主の説明を読ませていただいて以後のことです。完全に白紙の状態で行ったことになります。


   ZEPP TOKYO、2,000人ちょっとしか入れません。こことか二駅先の豊洲PITあたりが、初見参の様子見としては適当なのでしょう。しかし、私が知らないくらいなのだから、知名度は大したことはないだろうと思ったのは私の思い上がりだったようです。始まってみれば席は完全に埋め尽くされ、幕開け寸前には声を揃えての大応援が二階席から聞こえてきました。途中でも見事に声を揃えて合いの手が入るではありませんか。おそらくファン同士では交流があって、すでに共通認識が存在するのだと思います。

   いつものように客層の分析から入ります。うーん・・・、やはりおっさんが7割、若い女の子が3割、若い男の子も、いなくはない、というところでしょうか。私の近くに座った二人連れの若い子たちが、開演前のMVを見ながらしきりに「かわいい!かわいい!」を連発しています。ですから、きっとかわいいのだろうと思うことにしました。斜め前ではノートパソコンを開いたおっさんが、LOVELYZのMV動画を熱心に鑑賞しています。生を見に来てもなおかつ動画を見て時間を潰す。どこまで熱心なファンなんでしょう。

   みなさん購入されたペンライト、もはやペンライトとは言えない、大きな電球に柄がついたような代物です。こんな物をいいおっさんたちが、何のためらいもなく感情移入して、大声で叫びながら振ります。正直、そこまで出来ることの幸せをうらやましくなるほどでした。私はいかなることがあっても、そこまで感情移入はできません。それどころか、両腕を振り上げてこの巨大ライトペンを振り回しているおっさんの姿に、「後ろの人から舞台が見えへんがな。下ろしいや!」と関西弁で言ってやりたくなる、ひねくれ者なのでした。

   LOVELYZ、ずっと「ラブリーゼット」なのだと思っていました。本当は「ラブリーズ」と呼ぶのだそうです。「ももいろクローバーZ」でなじんでしまったせいかもしれません。いや、「ラブリーズ」ではまるきりあの熱血男が登場する消臭剤みたいではありませんか。ちなみにファンのことは「ラブリアス」と呼ぶのだそうです。語尾に英語の「私たち」=USを組み合わせたのでしょう。

   まだ日本デビューもしていないグループなので、いわば軽い猫パンチのようなジャブを出して、様子を見るというところ。しかし、これまでのグループよりかなり気合を入れて取り組もうという姿勢が感じられます。こうした顔見世のケースで、何本もドライアイスの煙を噴き上げたり、金銀テープを打ち上げて飛ばしたりするのを見たことがありません。途中で舞台から8人のメンバーが客席に向かって投げたのは、たくさんのTシャツでした。固く丸めてあったので結構遠くまで飛んでいましたが、さすがに10列目の私まで飛んで来ることはありませんでした。もらっても絶対に着ることも飾ることもないと思いますが、残念と言えば残念、ちょっぴりミーハーな私でした。

   最後の最後に噴き上げられ、空中をゆっくりと滑空しながら客席に舞い降りて来たのが、写真にあるハート形の、薄くて軽い発砲スチロールの板。さして経費は掛かっていないはずですが、それでも意気込みを感じさせるには十分でした。

   さて、このグループのメンバーはといえば、算数を格別に苦手とする私の計算によれば、最年少が19歳、最年長が25歳、間を21歳から24歳までのすべての年齢の子が埋めています。私も直前になってメンバーのプロフィール写真だけはチェックしていったのですが、写真と実物は全くの別人でした。25歳のリーダーは写真とは違って相当に増量しており、一般人のおばさんに近い体系と顔立ちになってしまっています。エクボがあるので少しだけカバーできていますが、これは少々いけません。営業シーズンに入ると見違えるように変身するAPINKのユン・ボミの根性を見習って欲しいものです。

   イェインという子とジンという二人も相当に違ってしまっていました。イェインの方は少しやせてすっきりとした顔になっていたので、きれいになったといえますが、ジンの方は体脂肪が落ちて、少し武骨な感じになってしまっていました。他のメンバーは歩留まり良く、問題ないレベルだったと思います。特に人気ナンバーワンの童顔ケイは、少しふっくらしたためにいわゆる「朝鮮顔」から離れることになり、結果的にプラスに作用したと感じます。ちなみにメンバー8人中、人気ナンバーワンはこの童顔のケイ、人気最下位はジンなのだそうです。

   ところで、こんなところが私の真骨頂なのですが、実物を見て私が一番気に入ったのは、可愛いケイではなく、不人気なジンの方でした。前職のせいか、どうも私は人物を見る際、重点の置きどころが皆さんとはかなりずれているようです。少し無骨になってしまった、と書きましたが、どういうつもりか前髪の本数を減らし、かつ長さが揃わないようなカットをした額が、妙にダサいとも感じさせるのですが、他のメンバーとの差別化を図るという意味では有効に働いているような気もしました。性格も、おそらくは武骨でまじめなのではないかと思います。

   などと思っていたら、このジン、アンコール後、最後のあいさつで、涙が止まりません。見かねたほかのメンバーが途中でスタッフにハンカチを要求し、彼女に手渡していました。付け焼刃の日本語では思いを伝えることはかなわず、すぐに韓国語に切り替えてのあいさつとなりましたが、鼻をすすりながら一生懸命意思を伝えようとしていました。

   こういう時には各人の性格が良く現れますね。通訳の都合を考えて、うまく話しに切れ目を入れて話す、気配りのできる子、通訳の都合などお構いなしにどんどん話してしまう子、他の子たちが全員敬語で話す中、パンマル(タメ口)で親しみを表そうとする子。それにしても、一人一人が話した時間が思いのほか長く、この公演に対して真剣に準備をして来たでことがうかがえる挨拶でした。おそらく当初の予定では公演時間は2時間だったと思われますので、6時開演でしたから、8時終演だったはずです。しかし終わってみれば時計は8時半を回り、予想外に遅い終演となっていました。

   以前コメントを寄せてくださった方の言われた「音楽性の高さ」、確かによく出来た曲ばかりだったと思いました。しかし、粒よりの曲を揃えている反面、破天荒な楽曲がないために、一気にトップに躍り出ることができずにいるのではないかという気もしました。トップに躍り出るためには、今まで誰も聞いたことのない曲と、今まで誰も見たことのないパフォーマンスの両輪が必要なのだと思います。

   LOVELYZ、悪くないと思います。メンバーの顔が一人ひとり歴然と違っていることも、とても好ましく感じます。ざっくり分類してしまうと、APRILなども入ってくるジャンルに属するのかな、と思いますが、高校生主体のAPRILと20代前半のLOVELYZでは、表現力に幅の違いが出てくることは確かでしょう。ただ、あくまでダンスを伴うガールズ・グループですので、曲想が今のようなものばかりだと、ダンスも無難で印象が薄いものにならざるを得ないと思います。近い将来破天荒な、殻を破った楽曲とダンスを引っ提げて、再び来日することを期待します。

   このグループ、私は好きです。