金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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150:k.m.p. 『k.m.p.のやなコトを、どーにかこーにか。』

2012-11-20 12:58:02 | 12 本の感想
k.m.p.『k.m.p.のやなコトを、どーにかこーにか。』(二見書房)
★★★☆☆

幼いころから今にいたるまで経験してきた「やなこと」に
ついてつづった本。
理不尽な大人の言動に反論できずに泣くしかなかったり、
時間はあるけどお金はない大学時代、
「なぜみんなはあんなにコギレイに女子大生をやれるのか」
と思ったり、豹変した友だちの言動に
思わず無言になってしまったり……
「ああ~あった、あった、こういうこと!」
と、思い出して、なんだかじわっとイヤな気分。
泣くほどではない、怒りをぶちまけるほどではない、
だけど「ズキッ」としたり「もやっ」としたりする、
ふだんは忘れているけれど、触れられるとその存在を
思い出す心に刺さったトゲのような記憶を呼び覚まされる。

これを読んだ多くの人が「あるある」と思うと思うんだけど、
会ったこともない人々と共通の経験をするってことは、
その経験のきっかけになった「やなこと」を与える相手の
言動というのも多くの人に共通のもの。
個々の人間は一人ひとり異なるわけだけど、
遺伝的あるいは環境的なものに由来する共通の行動パターンというのは
やっぱり存在するわけで、だから心理学とか社会学というのが
成立するのだなあ……といまさらながら納得。



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