IN TERRA PAX 観劇記

東宝ミュージカルを中心に観劇感想を書いています。

ミュージカル王家の紋章 4/8ソワレ(初日) ※ネタバレあり

2017-04-09 18:05:54 | 王家の紋章
ミュージカル王家の紋章 4/8 ソワレ 再演初日
帝国劇場

メンフィス 浦井健治
キャロル 宮澤佐江
イズミル 宮野真守
ライアン 伊礼彼方
アイシス 濱田めぐみ
イムホテップ 山口祐一郎
ルカ 矢田悠祐
ミタムン 愛加あゆ
ナフテラ 出雲綾
ウナス 木暮真一郎
ミヌーエ 松原剛志
セチ 工藤広夢


待ちかねた王家再演初日行ってきました。
ブラッシュアップ、スピーディと前評判はあっても、再演だからーと思っていたら、完全に別物でした。新曲も増えセットも変わり再演というより新演出ですね。
初演で気になったところにはおおよそ手が入っていた印象です。

TDVも再演の時にセットがゴージャスになって驚いたものですが(あれはむしろ初演のセットのクレーンがまるみえの「志村ーうしろ、うしろ!」的なちゃちさが好きだったけどw)、それを上回る美術と舞台装置の大変更。衣装も増えてます。

以下ネタバレ。
まだ初日見ていない方は、一度観劇されてから読むことをお勧めします。


まずは美術。
初演で印象的だった首飾りモチーフはありますが演出の関係で印象が薄くなりました。
そのかわりにナイル川の演出、幕を使った水の表現が強調されてます。
また、高さがせせこましく感じた玄室や牢屋のシーンは全く違うものになってました。
両端のヒエログリフのセットもこれぞ帝劇!という高さと奥行きを感じるものに。
背景画も追加され、奥行きとエジプトの広大さを感じられるようになりました。

…書き割り使うなら初演からやってほしかったさ。

演出と振付。
初演はずらっと並んで歩くだけ、という印象だった振り付けもかなり踊るようになり、隊列の組み方が変わったせいか、人数が多く見えるようになりました。変わってないんだけど。
少なくとも王がそこにいるのに奴隷3人かよ!!というツッコミが入る印象ではなくなった。
殺陣も増えたし、人数を多く見せるという演出にはこだわった感じがします。
冗長だったシーンのカットの嵐で、初演はすごいんだけどアイシスしか目に入らない…メンフィスなにそれ、という主演オタ的には悲しい状態から、きちんとメンフィスを立てるようにし、キャロルとメンフィスのラブストーリーを描くようにそれ以外のところはすべて省いてわかりやすくしたようです。
その代りいつものオギーの耽美さは薄れたかも。良くも悪くもディズニーミュージカルっぽいグランドミュージカルにふさわしいハッピーエンドなラブストーリーに。
これはこれで好きですが、初演で好きだったところがいくつもカットされたのは悲しい。ミヌーエの告白はいらないにしても、アイシスのメンフィスへの執着とそれを諫めるイムホテップまでカットしなくてもなーと。あとあれだけ初演で宣伝してた壁ドン腕ポキはずいぶんあっさりと捨てたな!あそこの聖子ちゃんのキャロルソロでいつも泣けてたんだけど。
無くなってみると結構好きだったのがわかって寂しい。
セットに高さ出せないからっていうのはわかるけど、大階段でやってもよかったのよ?壁ドンだけなくしてみるとか。まあ壁ドンはあの広い舞台でやるもんじゃないというのは理解できる。小劇場ならきっと映えて萌える。

一幕ラストと二幕ラストは大きく変わってました。
初演の一幕ラストは(何が何だかわからないけど、気付いたらキャロルが現代に戻ってた。何を言ってるんだかry)という感じだったけど、再演では明確にアイシスがナイルに突き落とすことを指示、女官が突き落とすという演出に変更。
二幕ラストの結婚式シーンはカット、代わりにメンフィスとキャロルが新衣装(装飾のみかも)で愛と未来を歌う曲に。このシーンのアイシス様のマイクの調子がおかしかったのか、ソロがほとんど聞こえず残念でした。
あのゴージャスな結婚式衣装なくしたのか、もったいない、と思ってたらカテコでまさかのお着替え。…デュエットが入ったのは嬉しいし、この終わり方の方が断然好きだ。初演のライアン兄さんの「キャロル!」は意味不明だったし、アイシスナレで終わるのもよくわからなかったから。でも、大階段に乗ったまま出てくるならそもそもそこを結婚式衣装で出てくればよかったんじゃないの?と思った。結婚式当日じゃなくてもリハーサル日設定とかでいいじゃない。カテコだけのお着替えにするにはちょっとあの衣装もったいなすぎた。


役者陣は相変わらず高値安定の中、一人宮澤さんはどうしたーと言いたくなる出来。初演はうまくはないけど聞けないほどじゃなかったんだけど、半年経ってこれは厳しい。初演最後の方よりも下手になってたと思います。
マモちゃんはコツをつかんだのか、初演のリサイタル歌いと違って強弱が付いた演技になってました。囁き声でも通るのはさすが声優。
しかし初日だからか異常なほど音響がひどかった。一幕なんて合唱してるところでスタッフの声が入っちゃうし。雑音ははいりまくるし、ハウリングは二階だったからかあまり聞こえなかったけど。一部では音が小さいという感想も聞こえたけど、二階端前方で聞いてた限りではそれはなかった。(除く宮澤さんの合唱時のソロパート)

以下箇条書きで変更シーン書き連ね。一度見ただけだし印象と記憶で間違ってるところもあるかもです。


カットされた
・発掘のキャロルの歌の一部
・アイシスソロの一部
・セフォラが岩に轢かれる~キャロル現場監督に怒る
・「いつも」の一部
・ミヌーエの告白
・アイシスとイムホテップの対峙
・「牢獄」
・腕ポキ、「困惑と苦痛の中で」
・テーベのルカ・ウナスのダンス曲
・「エジプトに勝利を」
・「祈り」の一部
・「私の為に」の一部
・「命をかけても欲しいもの」の一部
・結婚式
・大ラスのアイシスのナレーションとライアンの台詞

大きく変更
・セット、背景全般
・ライアン兄さんの最初の登場は上手張り出しではなく下手大階段
・アイシスは高い場所でのソロがほぼなくなった
・メンフィスが登場するのはほぼ大階段
・アイシスのミタムン殺害指示
・ミタムンの死
・死後ミタムンの出番(曲ごとカット&演出変更で目立ちにくく)
・一幕ラスト
・キャロルさらわれる~メンフィスとイズミル対峙までの流れ
・二幕ラスト
・カテコ、メンフィスキャロルは結婚式衣装で登場

追加
・『初めて笑ったな、もう一度笑え私の腕の中で』という台詞
・ライアン兄さんの出番
・テーベの新曲
・「命をかけても欲しいもの」でのメンフィスとイズミルの殺陣
・二幕イズミルラストの台詞
・ラストの新曲


まだ通うので気付いたらまた書きます。
宮澤さんでだいぶ消化不良。健ちゃんが良く見えるようになったから余計に。
聖子ちゃん増やせるかなー。(←この後の宮澤さんはあと1回だけど)

初日なのでご挨拶もありました。
まずは…と周囲を見渡すとすっと前に出ようとする伊礼君。「現代代表の…」と言ったところで両隣の祐さんと愛加さん、後列のアンサンブルに引き戻されその間に佐江ちゃんが「現代代表キャロル役の宮澤佐江です」とか。
佐江ちゃんがライアン兄さんのシーンが増えましたと行ったところで伊礼君が「キャロル!」ととなりの祐さんを軽く腕で突き飛ばしてキャロルに近づこうとしたら祐さんがもがき苦しむふりをしてて
伊礼「やめてください、お客様が本気にするでしょ!」
山口「…骨折した」
浦井「腕ポキ!」
というコントがあったり。
「まもちゃん!」と指名されたマモちゃんは「イズミルは新しいおべべ…(隣のめぐさんから突っ込まれる)はい、そうです。新しいオベーベが増えました!セクシーです」とか。

健ちゃんは「王家の紋章再演初演…あれ?王家の紋章初演…(総ツッコミ入る)王家の紋章再演初日にお越し下さりありがとうございます」というどっかのデスミュでも見たようなボケと「今回は大阪にもいくので、ぜひ全日本をナイルに沈めて」(キャスト、客席(・・・?))
「ん?ナイルに浸して(・・・???全く分からん)行こうと思います」という浦井砲をかますいつもの安定の健ちゃんでした。
しかし直前まであのメンフィスなのにカテコだといつもの健ちゃんって相変わらず切り替え早いな。そしてカンパニー仲良すぎ。

そのあとリーヴァイさんが呼びこまれ、かなり上達した日本語で「ミナサン、オハヨーゴザイマス。アリガトーゴザイマシタ」とご挨拶。ドイツ語で「No1, Ogita-san.Danke ~」から始まって、音楽助手の方やお嬢様、スタッフやキャストに感謝を色々述べてました。おばさまが通訳してたけど、通訳より本人のドイツ語の方がわかりやすかった。一通り挨拶するとウキウキしながら健ちゃんと佐江ちゃんの間に入って手を繋いでました。
最後は健ちゃんが「かなり変わってブラッシュアップされた王家の紋章、皆さんにも喜んでいただけたかと思います。明日は聖ちゃんと元基の初日です。引き続きよろしくお願いします」と締めのご挨拶。
さりげなく「聖子さん(ちゃん)」から「聖ちゃん」に変わってるのにちょっと「お?」と思いました。

なかなかに良いスタートだったと思います(除く佐江ちゃん)。
佐江ちゃん頑張れ。。まだチケット残ってるので次には期待させてくれ。

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