炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

広大な宇宙を旅する地球。私たちは今、どの辺にいるのでしょう. 

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野菜の病気 ベト病  ( メロン )

2006-08-15 | エコロジー
  
 瓜類のベト病(Downy mildew)は、カビ(糸状菌)による病害で、多湿な条件で発生します。日本のメロンの多くは、この病気に抵抗性が弱いため、温室やビニールトンネルなどの雨よけ設備を必要とするようです。

 日本のメロンの品種は、うどん粉病、つる割れ病に抵抗性を持たせる品種改良が、盛んになされてきましたが、梅雨時の多湿な条件で発生するベト病( Downy mildew.)やツル枯れ病(Gummy stem blight. )に対する、抵抗性を付与する改良は、どうしわけか遅れているようです。
(右写真. つる枯れ病の発生初期 .株元にスギナが混生している。)


 日本の夏と同等の高温多雨な気候を有する、アメリカ南部の沿岸地域も、メロンの需要が高い地域です。アメリカ南部の沿岸は、ワニも生息する亜熱帯性の気候です。こうしたアメリカ南部のメロン生産は、日本とは異なり、露地での放任栽培が一般的なようです。東洋のメロン品種を利用した改良を行い、地域の特性に合った品種の開発が進んでいます。

 一方、日本のメロンの品種の多くは、イギリスの貴族が栽培していた、際立って美味な温室メロンの血を引くもので、特に25度以下の涼しさに当たらないと、糖度が上がらない特性を持つものが多いようです。これは、英国の夏涼しい西岸海洋性気候に適応した品種の特徴であり、日本の梅雨があるモンスーン型の気候には、そぐわない品種と言えそうです。(事実、英国より暖かな米太平洋岸オレゴン州の西岸海洋性の地域では、露地栽培で、日本の品種が作れるとあります。 オレゴン州立大のHP

 日本のメロンが、世界一高価なのは、自国の気候を無視した品種選択が、問題と言われています。これに対して、アメリカの品種は、各地の気候に適応した品種改良がなされ、必ずしも涼しさに当たらなくても、高温で糖度が増す品種が少なくありませんし、露地栽培が普通です。(下記参照)

 (なお、「 食農教育 」と称して、乾燥地帯のシルクロード産のスイカやメロンの種を配布している者がいると聞きますが、シルクロードの西瓜、メロンは、ベト病、つる枯病の抵抗因子が無いことが分かっています。雨には極めて弱く、日本の梅雨時には、枯死してしまいます。無為に子どもを落胆させるのは、教育の名にそぐいません。)


 梅雨時のベト病の蔓延。 つる枯れ病を併発して枯死する。


 ともあれ、温暖化が急速に進む中、蒸暑い夏に庶民が手軽に食べられ、健康を増進させる品種改良が求められています。
 

ご参考

・『園芸大百科 スイカ メロン』 瀬古龍雄(元新潟園県芸試験場)他 農文協 1989年.

 瀬古龍雄によると、「 高田(1980)は複合耐病性メロンの育成に、つる枯病、ベト病と同様に、蜜糖金+缶の血を入れて、ウイルス抵抗性の導入にも成功している。」とある。p141.
・農業生物資源ジーンバンク データベース検索では、「蜜糖缶」のベト病抵抗性が、表記されていない。(ジーンバンク検索番号 メロン /MI TANG TING /JP番号:74157)

 これに対してか、瀬古によると、「蜜糖缶」(ミータンチン)は誤字で、缶の字に金偏がつき、蜜糖金+缶「ミータンカン」であるとしている。p139.
また、農林省園試で育成された「平交1号*~4号」は、アメリカのベト病抵抗性品種と交配してあり,ベト病に対し、「..若干の発病はあるが、かなり強いほうである。(金沢 1968.)」という。
:参照:米農務省 種子バンクNPGS.  Mii Tang Guan. Donated from: Xinjiang, China.

 上記の*平交一号(平塚一号 F1)は、「 サンライズ 」の名称で種子が市販されています。ベト病、うどん粉病に強く、露地栽培が可能ですが、栽培の条件によっては、糖度が今ひとつ上がらない場合があるのは、交配の親が、英国系温室メロン「パール」×米国耐病系「C 68 」のためでしょうか...

・拙ブログ  
「 うどん粉病・つる割れ病  」
「  出生率低下に思う 」
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情報をありがとう (gagyu-click)
2006-09-02 05:52:18
貴重な情報をありがとうございました。

稲わらがうどん粉病に効果ありとのことですが、たまたま稲わらを敷いてても駄目でした。

栽培技術が未熟な故でしょうね。

これからもいろいろ教えてください。
臥牛苑さま、ようこそ^^ (YUJI)
2006-09-02 21:27:59
コメント頂き、ありがとうございます^^。

うどん粉病には、プロ中のプロも手を焼いているようです。メロンのそれは、1925年、米インペリアルバレーで、突如大発生したとのことです。

 化学肥料や農薬の普及次期と重なっていますから、薬もあまり効かないのでしょう。耐病性の極強品種を選んで植えるませう!



参考記事

http://blog.goo.ne.jp/rgriggs1915/e/6994d1c7ac4287b03645d7e52475ce7c

http://blog.goo.ne.jp/rgriggs1915/e/fb9c045beb1b3914a345e8e8f22b8fa9
中国瓜 (瀬戸の大白姓)
2006-09-07 05:43:12
 初めまして

瀬戸の大白姓です。

瓜、メロンの事を詳しく書かれているので大変参考になりました。



 中国瓜ですが味が何とも中途半端で食事には最適と思っています。食感も硬いのから柔らかいものまで自在です。



 一番良いのは自家採種10年になりますが品質劣化がみられません。F1種とは違います。

瀬戸の大白姓さま (YUJI)
2006-09-07 15:55:28
お出ましありがとうございます(^o^)。

西瓜・メロンは、二回目です。ほとんど失敗談と教訓をつづっております(涙)



>中国瓜ですが味が何とも中途半端で食事には最適と思っています。



アメリカのメロンもvesitableの扱いで、ハムを巻いたり、夏の朝食の定番と聞いています。



自家採取、何よりですね。自分でとった種は、充実していますね。今度、是非とも、そちらに掲載ください。
Unknown (英姫)
2006-09-07 20:41:54
初めまして^^

メロン栽培って難しいんですね。

うちのメロン、ちゃんと収穫できるか不安になっちゃいます(笑)

今栽培中のメロンは、スペイン系のメロンなので、日本の気候で育ってくれるか、ますます心配です^^;
英姫さん、ようこそ。(*^ ^*)。 (YUJI)
2006-09-08 11:07:08
メロンは、蔬菜、果物中、最も病気に対して、センシティブな作物のようです。



スペインの品種ですが、中南米やカリブ海の品種も入っているため、高温性の病害(うどん粉病等)に対しては、比較的強いようです。



これから、気温が下がってきますから、土中に、フザリウム菌が繁殖しやすくなります。ネギを、つる割れ病の予防に、株元に植えときましょう。一本太ネギが良いそうですよ。

英姫さんのメロン君、ガンバレ~!

瓜たち (tamtam)
2006-09-17 09:02:38
メールを頂き有難うございました、こちらに返事をしても良いのでしょうか?今、分かる範囲だけですが…



ナイジェリアではメロンは見た事がありません。こちらでは実でなく、種を食べるための栽培のようです。



南瓜は綺麗なオレンジ色をしています。かなり水っぽいとの事で、まだ調理したためしがありません。



西瓜は、見た目は黒いボールみたいです。甘みは殆どなく(たまに甘いものに当たることもありますが)、薄甘い感じ。きっと、外で農作業で喉が渇いたときに食べると美味しく感じられるでしょう。



おまけ:胡瓜。皮が硬いので、むいてぼりぼり食べます。私は炒め物やスープの具に使います。漬物には向きません。



これから気をつけて、いろいろ情報収集してみますね。
ウロコ、おちました・・・ (U-2)
2006-09-17 11:37:23
tamtamさん、お忙しいなか、ほんとうにありがとうございます(*^^*)。異国での子育て、たいへんなことと思います。どうか、時間のある時にで結構ですから、ぼちぼちとで、よろしくお願いします。



 それにしても、種を食べるためのメロンですか! 所変れば、品物も違うんですね。目から、また鱗が落ちました。ああ、びっくりw。



 スイカも、真っ黒...。最近、日本でも台湾の種苗会社が売り出した、小型のクロ美人という品種が流行しています。スイカは、量が多いので、甘いと糖尿病の危険がありますね。



 かぼちゃは、英語のパンプキンというのは、牛や豚の餌用のようですね。日本の酪農家や養豚家では「モ~ブ」と呼んでます(^^)。

人間の食用のは、英語で、「スカッシュ」。

日本でいう南瓜は、ウインター スカッシュだそうです。サマースカッシュは、日本では、ズッキーニとややこしいです。



おまけのキュウリも、とってもダイナミックな感じですね~(^^;さすがは、アフリカですな~。瓜類の故郷ですから。食べると元気が沸いてくると思います。皆様、お元気でがんばってくださいね。本当にありがとうございます!

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