性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

【住む感受性〜狭さが生むニッポン的充足感】

2017年04月18日 06時35分26秒 | Weblog


きのうの札幌アクト工房さんのオープンハウス見学の続きですが、
引き込みカーポートと玄関の上の位置に微妙な高さの空間があった。
2階建て、そしてシンプルなボックスだけれど、
高さレベルではいろいろな変化が仕込まれていた。
「断面図的にはすごく表現の難しいお宅ですね(笑)」
と、松澤さんと話していたら、その通りだったようで
図面をたくさん描きましたって白状されていました。
シンプルなボックスプランというのは、
外皮の表面積がいちばん合理的に収められて、
熱性能的には欠損の生じにくい外形形状ということができる。
単純なカタチこそ、シンプルイズベストとはいえる。
けれど、そういったカタチには可変性が乏しいかと言われれば、
そんなことはまったくない。
もしそう言う設計者がいるとすれば、その技量はちょっと疑わしい。
こちらの例のように高低差が室内デザイン変化を生み出すこともあり、
そういうことへの住む側の感受性もあるのだと思うのです。

で、2枚目の写真、この玄関側に位置する2階の小さな階段。
ここを上がっていくと、1枚目の写真のような
ギリギリの高さの空間が現れた。大体1.2mくらいかと。
壁紙にはなんと利休鼠〜りきゅうねず色の壁紙が貼られている。
なんとなく茶室的なイメージも漂っているのですが、
「どうしてこんな場所を作ったの?」と聞いたら、
施主さんの子どもさんが狭いところが好きで、
新居に入居するまで暮らしている賃貸住宅でも
押し入れで寝ているのが好きなんだと言うことだそうです。
それは仕方なくということではなく、空間的好みをそのように伝えて、
結果としてこういった空間を作ってもらったそうなのです。
外観を特徴付けていた窓は、この部屋の左側の窓で、
この開口位置からは、隣居に影響されずに手稲山の眺望が得られる。
子どもさんのリクエストに、設計者・施工者は
こんなにもリッチな空間で応えているのです。
世界の建築でも特異に日本人的な茶室みたいな空間に
思い入れや感受性を持っている子どもさんがいるのです。
空間的狭さをあえて受け入れていくことで、自由の本質に目覚める。
これは茶室という文化に込められた本質の部分ではないかと。
利休鼠の色合いに込められた建築側の思いは
この小さな施主さんにきっと伝わるに違いないと感じさせられました。
こんな空間を得た子どもさんは、どんなふうな人間性を涵養するか、
激しく興味をそそられた次第であります。
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