性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

【多様な気候対応パッシブハウス PHIJPセミナー】

2018年01月12日 06時34分05秒 | Weblog


さてきのうは東京出張にてアメリカパッシブハウスの事例紹介、
とくに断熱改修を中心とした紹介とアメリカパッシブハウス研究所の
認定基準についてのセミナーを取材してまいりました。
同セミナーには、ご案内していた東京大学・前真之准教授も参加され、
アメリカボストンで活躍されている建築家・岡田早代さん、
施工のビルダーを経営されているBRIAN BUTLERさん、
日本のPHIJP理事である京都工芸繊維大学の芝池先生などの講演、
その後のパネルディスカッションなどで意見交換を行いました。
意見交換はさらに会食機会を捉えて続行し、
活発な日米交流が展開されていた次第です。
岡田さんはもちろん、BRIAN BUTLERさんも日本語が堪能で、
技術的な細部では英語単語なども交えながら、意見交換が有意義に実現。
実務の住宅改修に関わる報告では、北海道での事例とごく近似した
手法、原則的同一性が随所に確認できて、経験知を共有できました。
また、かれらが活躍しているボストンは開拓期以来、
北海道ときわめて縁が深く、彼の地の建築関係者が「開拓技師」として、
多数北海道に来てくれていた故事があります。
アメリカ北東部と北海道の気候的類縁性が高いことを表しています。
そういうことなので、わたし的には見聞きするすべてが共感できた。
会場での前真之准教授も交えた意見交換では
彼の地での「気密重視」の手法について、気密を捨象した日本の基準との
対比について討論があり興味深いものがあった。
北海道では国の基準がどうであれ、基本通り気密が最重視され
普遍的な構法技術原則になっており、まったくアメリカに同意するところ。
アメリカ側の講演では、上に掲示の下図の各層の「連続性」が繰り返し
強調されていました。北海道の気密層の連続概念とも共通する。

今後、詳細な取材まとめを行っていきたいと考えていますが、
とくに芝池先生の講演で指摘の世界の気候傾向分析、やはり興味深い。
大洋と大陸の位置関係によって、大きく地球レベルで気候が変位するという。
大西洋と太平洋、それに対して陸地がどのように位置取りするかで
いわば「蒸暑」と「乾燥」に大きく気候区分されるとされている。
ヨーロッパ北米西岸は基本的に大西洋に対して東側に位置しているのに対し
北米東岸地域は西側に位置している。
同様に極東人口密集地域である日中朝3民族地域は太平洋に対して西側。
この位置取りと地球の自転方向が大きな変位を生むとされていた。
このことは最近話題の古代アンデスの気候区分でも顕著。
太平洋に面した西側は砂漠気候なのにアンデス高地を挟んで反対側の
大西洋岸方面地域では湿潤なアマゾン地域が広大に広がっている。
こういった巨視的な判断からも、北米東岸地域とアジア極東地域には
きわめて類縁性の高い共通基盤があると思われますね。
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