広域生態環境計測・リモートセンシング

計測&モデリングによる地域・地球環境対策への貢献をめざして

陸域観測衛星の未来

2013-02-12 | メッセージ

昨年、12月にJAXA主催のワークショップで

http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/conf/workshop/alos2-3ws4/ALOS3_4_5_TsutsuiKen.pdf

について共同で発表いたしました。

かなりの反響が周りからあり、驚いております。

是非、今後

今までのリモートセンシング技術を継承しつつ、
社会を変革するブレークスルー技術を生んでいけたらと思っています。



福島県の稲作復興に向けた提案

2012-08-05 | メッセージ


(論文)
稲作の復興に向けた放射性セシウム汚染土壌におけるエタノール生産,用水と廃水,54巻,7号,pp.51-57(2012).


この論文は、「がんばろう、福島!!」の第二弾である。

本提案は、主に137Csにより放射能汚染された水田で、手間がかからず肥料も少なくて済む多収穫米を育て、
各地域に小規模なエタノール製造システムを設置して、バイオエタノールを製造しエネルギー用として供するものである。
本提案により放射能汚染された土壌は徐々に除染されると共に、水田が放棄地にならずにその機能を維持でき農家の生産活動も継続できる。
エタノールの生産、利用に関して特区のような措置をとることで、地域の雇用拡大ができ、
次世代の再生可能エネルギー生産の先端的モデル地区として新産業の創出に貢献し、農家が将来展望を持つことができる。
バイオエタノールをガソリン代替として利用することにより、県内の石油消費を抑制でき、
将来の安定的な石油代替燃料の開発につなげられると考える。


福島県におけるイネからのエタノール生産の提案

2011-12-26 | メッセージ
写真は、飯館村の水田である。
水田は、水を張らなければ数年で樹木が育ち、
再び、水田として使うには大変な作業を要する。


わが国の農業は地域社会と深い絆があり、原発事故で農業が立ち行かなくなると、
単に営農ができなくなり農産物が生産できなくなるに止まらず、
地域社会そのものが破壊されることになり地域文化の喪失に結びつく。
事故が収束しても土壌の放射能汚染の懸念がなくなるのには数年から数十年単位の時間が必要と思われる。
このような事態を避け、明日の希望へとつながる放射能対策を目的として、
イネからのエタノール生産システムを提案する。
もとより経済的にはコスト高になるのは明らかではあるが、
再生可能エネルギー生産の場として農業の新しい可能性を秘めており、
何よりも農業従事者が誇りを持ち、地域社会が健全に維持できる意義は大きいのではなかろうか。

「がんばろう、福島!!」



(論文)
持続的稲作を目指した放射能汚染土壌におけるイネからのバイオエタノール生産,
日本エネルギー学会誌,90巻,12号pp.1183-1186 (2011)

計測と制御、リモートセンシングと何?

2009-11-29 | メッセージ
エンジニアリングでは計測したら必ずと言っていいほど制御が必要となる。
言い換えると、何かをコントロールするために「はかる」のである。
例えば、エアコンがいい例だが部屋の温度を制御するために温度センサによって計測している。

では、リモートセンシングは何のために計測しているのであろうか?
例えば、
環境分野では、地域や地球規模で生じている問題に対して対策を考案するために計測していたり、
農業分野では、食料生産の安定や増産を目標に農地を管理するために計測していたりする。
制御と言う言葉は使わないが、計測、評価、予測といったエンジニアリング分野と
同じようなプロセスを試みて対策や管理を実行するのである。

この中で、環境分野の対策などは政治、経済、地域の文化など様々なことを
考慮して実行しなければならないという難しさがある。
環境分野でエンジニアリングでいう計測・制御を実行するためには、
多くの分野に精通した(理系・文系という枠を越えた)人材を育てたり、
縦割り組織ではない横断的に連携した組織が必要となるであろう。
しかしながら、連携が大切であると主張するのは簡単で、結構当たり前なのだが、
うまくいっているケースはあまりないのではと思う。
これは、それぞれの専門分野(大学では各学部や各学科、霞ヶ関では各省など)が
それぞれの利益のために動くので連携しても形だけになってしまうことが多いと言える。
地域あるいは地球のためにと発想できればよいが、悲しいことに実際は難しい。
そうなると、連携した組織が必要な場合は、トップダウン方式で解決するための
問題(お題)を決めて実行するのがよいのかもしれない。
(Blogのタイトルから話が少しずれでしまった)

最後になったが、忘れてはならないのは、
計測やリモートセンシングは、サイエンスの分野での新しい発見を導く第一歩でもある。

計測とは? リモートセンシングとは?

2009-11-09 | メッセージ
昔、
「計測とは物理現象を数量化することである。」と学んだことがある。
また、
「リモートセンシングとは、離れた所から直接触れずに対象物を同定あるいは
計測し、またその性質を分析する技術である。」と有名な本に記述されている。

以上から、
リモートセンシング技術は、現地に行かず必要な情報を定量的に示すことが重要であり、
目指すところであると思う。
このためには、リモートセンシングデータを単なるデータとして考えず、
そのデータに潜んでいる本質すなわち有益な情報は何であるかを常に意識し、
最終的には意味をもった(例えば物理的意味のある)計測モデル(数式)で示すことが必要であると思っている。

多くの場合、この計測モデルを示すために現地調査(グランドトゥルース)が必要であり、大切である。
しかしながら、中にはいつまでも立ってもこの計測モデルが見えてこない
調査研究が多くあるのも現実である。
同じことに、お金と時間を費やしている気がしてならない。
リモートセンシングを研究の中心としている皆様、
リモートセンシングが今ひとつブレークしない理由は、この辺にあるような気がするのですがどうでしょうか。

自戒の念を込めて。