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日記に…なるかしらん

下駄をはいてない32代目、華麗に推参!!  ~『獄門島』2016エディション~

2016年11月20日 00時31分38秒 | ミステリーまわり
 みなさま、どうもこんばんは! そうだいでございます~。いよいよ山形も寒くなってまいりましたね~。

 いや~、生きててよかった。ついにこの、「復活の日」を迎えることができました! この、まさしく不毛としか言いようのない2010年代、なが~く辛抱してきた甲斐があったというものでございます!!
 え? いったい何が復活したんだって? そりゃも~あなた、このお方で決まってるじゃないっすかぁ~!!
 あ、そうそう、家に BS放送が見られる TVがあったことにも、大感謝。


ドラマ『獄門島』(2016年11月放送 NHK BSプレミアム『スーパープレミアム』)
 32代目・金田一耕助   …… 長谷川 博己(39歳)
 16代目・磯川常次郎警部 …… 小市 慢太郎(47歳)
 金田一耕助もの長編『獄門島』の7度目の映像化
 ※本作は、金田一耕助が登場する映像作品としてはドラマ『金田一耕助 VS 明智小五郎ふたたび』(2014年9月放送 金田一耕助は山下智久)以来約2年ぶり、横溝正史の原作小説の映像化としてはドラマ『悪魔の手毬唄』(2009年1月放送 金田一耕助は稲垣吾郎)以来約7年ぶりの作品となる。
 ※『獄門島』の映像化としては、ドラマ『獄門島』(2003年10月放送 金田一耕助は上川隆也)以来約13年ぶりとなる。

主なキャスティング
鬼頭 早苗   …… 仲 里依紗(27歳)
鬼頭 月代   …… 堀田 真由(18歳)
鬼頭 雪枝   …… 秋月 成美(20歳)
鬼頭 花子   …… 吉田 まどか(19歳)
鬼頭 与三松  …… 山崎 銀之丞(54歳)
分鬼頭 儀兵衛 …… 古田 新太(50歳)
分鬼頭 お志保 …… 山田 真歩(35歳)
鵜飼 章三   …… 柳 俊太郎(25歳)
了然和尚    …… 奥田 瑛二(66歳)
了沢      …… 岡山 天音(22歳)
荒木 真喜平  …… 菅原 大吉(56歳)
村瀬 幸庵   …… 綾田 俊樹(66歳)
清水巡査    …… 山中 崇(38歳)
漁師の竹蔵   …… 谷田 歩(41歳)
漁師の梅吉   …… 八十田 勇一(51歳)
お小夜     …… 中西 美帆(27歳)
鬼頭 千万太  …… 石田 法嗣(26歳)
鬼頭 嘉右衛門 …… 瑳川 哲朗(79歳)

主なスタッフ
演出 …… 吉田 照幸(47歳)
脚本 …… 喜安 浩平(41歳)


 ありゃ~、「そろそろ誰か、金田一さんやってくんないかな~。」なんてボンヤリした渇望感をおぼえながらつらつら生きてたら、なんとまぁ7年もの歳月が過ぎてしまっていたのですか! 日本全国のファンのみなさま、待たされてしまいましたね~。「金田一? あぁ、剛くんのやつ?」だとか、「今度はジャニーズの誰がやるんだろうねぇ~。」などと言われの無い勘違いを受け続けてきた隠忍自重の日々がついに今、報われる。
 わたくしは、芦辺拓先生による、金田一耕助ものと明智小五郎ものの世界観が交錯する一連のパスティーシュ小説群は、本当に遊び心に溢れた展開の連続で大好きです。
 大好きではあるんですが、それはやっぱりあくまでもパスティーシュなのであって、大乱歩や大横溝の残した綺羅星のごとき聖典の数々と同列に並べるべきものでは絶対にないと思っています。ましてや、聖典をさしおいて映像化するだなんて、そんなバカなというお話なんでございます。
 それどころかシリーズ化すらしてしまうとは……ほんとに、作った人たちは何を考えてるんだろうか。ご本人の映像を1秒も見せずに、コロッケさんの物真似だけを見てちあきなおみを好きになれ、と強制しているようなものです。

 もう2010年代も半分過ぎちゃったわけなんですが、遅ればせながら!といった感じで、突然降ってわいたように「原作小説を基にした」金田一先生が復活したわけなのであります! ぃよっ、待ってました!!
 ただし、なんとな~く、その予兆のようなものは今年のはじめにあった、と言えなくもありません。それは、同じ NHK BSプレミアムで「ひっそり。」と放送された『シリーズ江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎』(2016年1月放送 全3回)でありました。
 「ほほ~う、そういう形で映像化しますかぁ。」といった形式での明智先生の大復活であったわけですが、気持ちいいくらいに視聴率だのジャニーズだのをとっぱらった企画にみなぎる勇気のアツさに、「こりゃあ金田一先生も、いけるかな?」などと妄想する素地はあったわけなのでした。

 そしてそしての『獄門島』ときたもんだ。そしてなんと、演出はあの、『洞窟おじさん』の吉田照幸さん! これは期待感いやがおうにも大となりましたる次第。
 わたくし、実家の現住所に住むようになってからこのかた、それまでにも増して TVドラマというものを(半自動的に観ている大河ドラマ以外は)チェックしなくなっていたのですが、偶然気になって観てみた『洞窟おじさん』(2015年 全4回)は全部観たんだよなぁ。すっごくおもしろかったんですよ、これ!
 吉田演出のおもしろさは、全体にオフビートなジャズや古典的洋楽ロックを流すような、なんとなく弛緩したかのような空気感をかもしつつも、登場する俳優さんがたの演技にはかなりの緊張感を要求するかのような、スローなカメラワーク。この、「人生の重だるさを笑い飛ばしたいけど笑えない」みたいな二律背反の表現にあるような気がしています。もちろん、大事な時にシャープなカット割りははさむにしても、軽くはないんですよね。
 あともうひとつの特徴としては、「男の登場人物の描写にけっこう力を入れている」という点も感じました。いや、そりゃあたまたま『洞窟おじさん』がそうだった、というだけだったのかも知れませんが、逆に言うと女性の描き方がちょい少なめ。ヒロインがいたとしても、ロマンチックでなく男同様に人間味がしっかり出ていてリアルなんですよね。尾野真千子さん、よかったですよね。そうなると、クリストファー=ノーラン的ということになるのでしょうか? いや、さすがにあれほど「漢、漢ォオ!!」してはいないでしょうけど。

 つまり、なんだかんだいってもロマンチックな展開や表現がふんだんにある横溝正史ワールドとは、ちょ~っと違ったリアリズム重視の作風を吉田演出には感じたわけなのですが、「とりあえずジャニーズに金田一をやらせときゃいいっしょ。」みたいな民放ドラマのくびきからは外れた作品が観られるかも!?という期待感は十二分に高まっていたのでありました。

 さぁ! そうして満を持して観た『獄門島』2016エディションであったのでしたが……結果はいかに?


 いや~、リアルもリアル! 身応え十分のリニューアル『獄門島』でしたが……なんなんだ!? この金田一耕助は!!

 うむむ……これは、言っちゃいけないんだろうなぁ。
 言いたくてしょうがないんですけど、今作の長谷川金田一の最大のオリジナリティって、クライマックスで「どう謎解きをしたのか」にあるんですよね。ですから、作品自体の結末が違うとかいう話ではないのですが、これは明らかに視聴者が「えっ!?」とビックラこくような反応を狙ってますよね。「これが、あの金田一耕助!?」みたいな。
 じゃあやっぱりこれは、これから初めて観る人のためのお楽しみということで、あんまり語るべきじゃないんだろうな。
 ま~ま~ともかく、今作で衝撃のデビューを果たした長谷川金田一は、これまでの歴代金田一にはついぞ見られなかった専売特許を有していたわけでありまして、この時点でその勇気に何十点かを差し上げたい良さを感じました。
 いや、これはこれで、原作小説の金田一耕助とはぜんぜん違いますよね! 違うんではありますが、少なくとも登場人物に無理矢理「あの人は天使なのかも知れない……」などという、思わず歯が成層圏まで音速で浮かび去ってしまうようなセリフを吐かせる思考停止な位置づけよりは数百倍マシでしょう。

 つまり、この長谷川金田一のクライマックスにおける所業は、「金田一耕助が横溝正史に話さなかった真の自分の姿」と解釈できなくもないわけで、もちろんこの『獄門島』に横溝先生は登場しなかったのですが、小日向文世さんが横溝正史を演じたあの「稲垣金田一シリーズ」とはまったく逆のアプローチで、「小説に描かれていない金田一耕助」の実像を想像させる造形の深みを生んでいたのではないでしょうか。
 なんてったって、『獄門島』の金田一耕助は、太平洋戦争に従軍してからの復員直後なんですもんね。今作の長谷川金田一ほどに「ああなって」しまっても、無理はない! まんま PTSDのような「鬼頭千万太の霊」描写もふんだんにありましたしね。しゃあないしゃあない。
 ただしそう考えてしまえば、長谷川金田一の精神的コンディションがこうまでになっちゃったのは『獄門島』事件の発生タイミングがそうだったからなのであって、それ以降、多くの難事件を解決していきながら、長谷川金田一は徐々に私立探偵としての自分を取り戻していく道を歩んでいくのではないでしょうか。

 だから、もし長谷川金田一の次回作があっても、今回ほどにトンガッたキャラクターにはならないのかも知れませんが……エンディングでサービスぎみに出てきた『悪魔が来りて笛を吹く』のときには、ちょっとでもいいから「穏やか~」に事件を解決してくれることを切に願います。ただでさえドロドロな事件が、更にカオスに!!

 長谷川金田一に濃厚に漂うリアリティというのならば、やはりその外見も語らないわけにはいきません。
 「復員直後」というポイントを強調するべく、長谷川金田一はぼさぼさではあるものの「長髪とはいいがたい山寺宏一さんみたいな中途半端な髪の長さ」になっており、そして何よりも「下駄じゃなくて軍靴」を履いているのです。
 さすがや! 別にそれなりの言い訳を用意すれば定番の「長髪ぼさぼさに下駄」でもいいのでしょうが、そこをバサッと捨てたのは素晴らしい思い切りの良さだと感じました。「じゃあ和服じゃなくて復員服でもいいんじゃ……」というコメントはなしで! そこまでいったら海賊狩りの警察に誤射されちゃいますよね。


 全体的に、わたくしは非常に好意的に今回の『獄門島』を受け留めたのですが、あえて苦言を呈するのならば、やっぱりキャスティングになりますでしょうか。
 BS放送ということからくる予算的制限って、やっぱりあるんですかねぇ。有名な俳優さんがもうちょっと多くいないと、犯人当ての愉しみがないというか、華やかさに欠けるというか。
 特に今回は、「分鬼頭家の人々」がじぇんじぇん容疑者リストに挙がってこないんですよね。印象が残らない! 太地喜和子さんと比較されるっていうこと自体がそうとうかわいそうなんですけど、それでも、お話をもっとおもしろくするような味つけにはなってほしかった……
 金田一ものの映像化作品って、「女優さんのキャスティングで犯人がわかっちゃう」なんてよく言いますけれど、これ、犯人が男だとしてもそうなのよねぇ。よりによって……だし、ねぇ。キャーもう絵に描いたような「奥歯に物が挟まったような」言い方!!
 要するに、吉田演出のクローズアップなキャラクター造形の連続が、ミステリーとしての「犯人はこの中の誰?」という楽しさをそいでしまった感は否めないわけです。う~ん、これ、登場人物の(比較的)少ない『獄門島』だったから良かったけど、あとちょっとでも容疑者の数が多くなる原作小説を選んでいたら、かなり混乱した映像化になってしまったかもしれませんね。

 でも、BS放送だからこそ、例の「言葉トリック」も堂々と映像化できたのかもしれないし、粗雑な要素の混じらないストレートな『獄門島』の映像化につながったのかもしれないということで。痛しかゆしですよね~。

 吉田演出の女性の魅力……今回はちょっと、どの女優さんからも感じられなかったかなぁ。ビジュアルは、あの三姉妹とかかなり良かったんですけど、鬼頭早苗さんも含めて、「生きてるなぁ」と感じられるキャラクターはいなかったと思います。
 仲さん、好きなんだけどなぁ。鬼頭早苗さんのパートが今作ではけっこう削られていましたから、なんか事件をますます混乱させるだけの邪魔だてをするか、おびえるリアクションしかしてない小娘みたいな印象になっちゃいましたね。損な役回りになっちゃった! そりゃあ原作みたいなロマンスなんぞ生まれる余地はありません。仲さんの無駄遣い。


 個人的にわたくしは、今回の長谷川金田一の活躍を、あの豊川金田一を祖とする「ちょっとアレな天才・金田一耕助」系統の発展形にして初の「成功例」と受けとめました。いい感じの「社会不適合者」感というか、「あ、確かにこの人は探偵でしか生きていけないな。」みたいな説得力のある演技だったんですよね。豊川金田一は人間味がなくてただ気持ち悪いだけだったんですけど、なんか、長谷川金田一でやっと「平成オリジナルの金田一耕助像」が立ち上がったような気がする。言いすぎ!?
 長谷川さんだから言うわけじゃないけど、今回の長谷川金田一の「異形っぷり」って、『シン・ゴジラ』のゴジラに似ていますよね。今までの金田一と似ているようで、決定的に違う異質な特徴を持っているという意味で。ほんと、「悪魔的な金田一耕助」という造形は新しいと思います。長谷川金田一で『三つ首塔』やってほしい! あっ、そうか、長谷川金田一はもしかしたら、原作小説の「都会の猟奇犯罪もの方面」に親和性があるのかもしんない! 『幽霊男』とか『夜の黒豹』、いけますか!?


 長谷川金田一の次回作、今から楽しみですね~。そして、そちらはそちらで頑張っていただくとして、その一方で地上波放送局でも、少々ケレン味があろうがジャニーズさんだろうが構わないから、別の「ストライク正統派」の金田一さんにも出てきてほしい気がする! メジャーとエッジ、その両輪があってこそ、残り少ない「2010年代」の映像化金田一シーンは真の活性化を見るのではなかろうかと!!
 いちファンの欲望は尽きません。よみがえれ、「雨後のたけのこ金田一耕助」状態~!!

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8 コメント

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ただただヒドイ出来でした。 (Sahara)
2016-11-21 15:25:42
 情感もヘッタクレもない演出で、ちょっとガッカリ!? SFXの進歩で死体のリアル感は増したものの全然怖くない。因習に囚われた陰湿な日本の田舎の感じが出せないで、単なるサスペンスものになっちゃいました。
 長谷川博己の金田一耕助はアツくなり過ぎ、もっと押さえた演技ぢゃないとこのヒトの良さが出ないです。シン・ゴジラ等への出演で、デキる男の役が続いてますが、全然似合ってない。このヒトの真骨頂はダメ人間を演じたときに発揮されるので『家政婦のミタ』の優柔不断なお父さんや『雲の階段』でのニセ医者とかをしたら俄然イイ味が出せるのに、使い方を誤っているよね。惜しい!金田一耕助は探偵としては全くの敗北者(関係者がほぼ全員殺されてしまった後でしか解決できない)なので、そうした手遅れだった感をもっと出して演技するべきでした。
 あと『仲里依紗はキャラからしてどう考えても分鬼頭(わけきとう)の巴をするべきだよね』とか『奥田瑛二は住職にしたら生臭過ぎるよね』等、全体にミスキャストが目立った番組でした。
いや、ここは気長に!! (そうだい)
2016-11-22 01:50:55
 Saharaさま、実に的確なコメントをまことにありがとうございます!

 現在、仕事が忙しいという理由でなかなか本文を上げられないのが非常にもどかしいのですが、実はわたくしめは、今回の『獄門島』をけっこう好意的に受けとめているのです。
 それはとにかく今作が、市川崑監督がでっちあげた「金田一耕助=天使」の構図を徹底的に批判していること、この一点に尽きます。これだけでもう、100点満点! かといって、原作小説の金田一耕助が長谷川さんほど「悪魔的」というわけでもないとは思うのですが……
 言うまでもなく、市川ワールドの情感には全くかなわないわけなんですが、演出家はなんてったってあの『洞窟おじさん』の方なんですから、そこはわざと荒涼としたテイストにしたのでしょう。市川版の獄門島は事件解決後も「まぁなんとかやってけそう」な平和感があったのですが、今作はもう早苗さんが残ったところでなんともならず滅亡しそうな絶望感がありますよね。それはやっぱり、原作にもいたはずのコメディリリーフをあえて全く入れなかった判断があったからなのでしょう。清水巡査もそんなに親近感を沸かせないし、コミカルな刑事も出てこないし。

 長谷川さんの演技は、豊川悦司版金田一耕助を思わせる神経質感がありましたが、ちょっとまぁ、今回は復員直後で PTSDが残っているということで、だんだん探偵として生きる道に活路を見出していく長谷川金田一の冒険を見守っていきたいな、と感じました。次作ではもうちょっと穏やかになった彼が見たいですね。今作みたいな調子で『悪魔が来りて笛を吹く』は、やってほしくない! 重すぎる!!

 ともかく、実に7年ぶりに横溝原作が映像化されたということにはもう諸手を挙げて大歓迎しかありませんし、しかもそれが視聴率というものを一切考えていないような硬質なキャスティングと演出で制作されたという点を、私は高く評価したいと思います。
 だって、ジャニーズ系もAKB系もどこにもいない金田一耕助ものなんですよ!? もう最高じゃないですか~。

 仲さんの早苗さん……確かに仲さんが輝いていたかと問われればそうとは言えなかったわけなのですが、そこはそれ、新境地に果敢に挑んだのだということで……

 うん、分鬼頭の巴のほうが……
 え!? 巴って、巴御寮人は別の島のお方じゃないですか!? いやぁSaharaさま、あんたも好きねぇ!!
失礼しました。 (Sahara)
2016-11-29 11:16:41
間違いです(汗)。訂正します。

【誤】仲里依紗はキャラからしてどう考えても分鬼頭(わけきとう)の巴をするべきだよね

【正】仲里依紗はキャラからしてどう考えても分鬼頭(わけきとう)の後妻をするべきだよね

コメントは修正できないからツライです。

追記 今日から読者になります。よろしくです。
恐縮の至りです! (そうだい)
2016-11-29 23:28:17
 Saharaさま、ふたたびのコメント、そして読者登録、まことにありがとうございます!!
 もうちょっとしたら、なんとか本文を上げられそうな余裕が出てきますので……ご期待なさらずに気長にお待ちいただければ! 2016年版『獄門島』、申し上げたい事は山ほどありますので。

 間違いだなんて! 完全にあえてそう言われたジョークだと受けとめておりました。
 でも確かに、仲さんが巴御寮人の『悪霊島』は観てみたいです~!!
Unknown (あいあい。)
2021-08-24 22:37:36
そうだいさま、お久しぶりです! お元気ですか?(あ、私の事覚えてます?(笑))

遅ればせながら、最近この長谷川ver.を観ました。
実は原作も(あの漢字一文字の表紙の方)ずっと積読していて(多分原因は清張さんだな)昨日から読み始めています。 だから市川版や古谷金田一などの筋しか知らないんです。
寝る前のお供😸細かいところをまだ知らないので逆に?とても新鮮!凄く楽しみです!今更ながらなんでほったらかしていたのかな?と(笑)
先日「悪霊島」の方を読みました。 あー面白かった👍

…で、長谷川さんはスタイル良すぎ ~、でもあんなに感情剥き出しの金田一も見応えがありました。 
現時点でこの一作だけなのはもったいない気もしますね。(今色々引っ張りだこっぽいですもんね、良いことだ(笑))
長谷川金田一はずっと語り継がれそうな感じですよね。
苦悩する金田一…。 人は何故、簡単に人を殺めるのか⁇ 戦争体験が遺した大きな心の傷跡。 あー、総じて観たら此処もありますかね? 

奥田英二さんは年齢的には合っていそうですが、カッコ良過ぎ ~(^_^) (実はファンです❤️) もっとドッシリ感が欲しかった。(←あくまでも今までのイメージからです)
仲里依紗さんも、綺麗だけど、なんか違う感じですよね。もう10年若かったらそれこそ?ゴーゴン三姉妹にピッタリだったかも🤗

映像は凄くくっきり綺麗でしたよね。(横溝作品的には良いのか?悪いのか?)
おひさしぶりです~!! (そうだい)
2021-08-28 09:48:14
 どうもあいあい。さま、大変にご無沙汰しております! お元気そうで何より! コメントありがとうございます~。

 BSプレミアム版の一連の金田一耕助ものもいったん落ち着いた様子となりましたが、その中でも長谷川版はひときわ異彩を放つ味わいになっていましたね。個人的には、戦争の話題をことさら強調しなくてもトリックの部分で十二分に楽しめる作品だと思いますので、そこまでしなくとも……という気もした「悪魔的」な長谷川金田一だったわけですが、逆に戦後まもなくとはとても思えない、ペンギン村なみにのんびりとした空気に満ち満ちていた市川版の『獄門島』へのアンチテーゼなのかな、と感じてしまいました。

 でも、今こうやってコロナ禍に1年半以上身を置いていますと、東京の弛緩した疲労困憊っぷりを見るだに、市川版の不気味な上っつらだけの平穏さのほうが、むしろ戦争でおかしくなった人びとの麻痺した感覚をあらわしてるみたいで、いかにもヤングなBSプレミアム版よりもリアルだったりして……市川版『獄門島』も、あなどれませんね!

 了然和尚の役は重要ですよね~! 奥田さんも充分良かったのですが、やっぱりわたくしとしましては、片岡鶴太郎版『獄門島』でのフランキー堺さんが忘れられない。すばらしい演技でした……

 『悪霊島』とは! 要するに岡山・瀬戸内海もの金田一シリーズの最初と最後をおさえたわけですな! 横溝先生の歴史を体現する2作ですね。
 そういえば、映画版『悪霊島』における伝説の鹿賀丈史金田一は、長谷川さんとスタイルが瓜二つですね! 履いてるのも下駄だけじゃないし!!

 なるほど、金田一耕助は、孤島に行くとスタイルが良くなって、岡山の山奥に行くとずんぐりむっくりになるのか……いや待てよ、1996年に八つ墓村に行った時だけは、背がビヨーンと高くなってたぞ。
 金田一耕助に関する謎は、深まるばかりですね!!

 もし2021年に『獄門島』が映像化されるとしたら、鬼頭早苗さんの役は、今の朝ドラで主人公の妹の役を演じている蒔田あじゅさんにやってほしいですね。あの人、まなざしや雰囲気全体が山口百恵さんに似ていると思うんです。夏の孤島、似合いますよ~!!
Unknown (あいあい。)
2021-08-29 22:22:08
 こんばんは😀
 
のんびりとしたペンギン村🐧のようなですか(苦笑)
もしかして市川版の評価は微妙なんですか? (他の記事拝見したのですが天使発言が点数落としたのかな?) 役者さんは皆素晴らしいですけど。三木のり平さん良いですね~(^^) 坂口良子さんも凄くキュート。
長谷川版と比較するとやはり? 雰囲気は緩いんですかね? 石坂さんは全体的にふわぁっとしたイメージ、雰囲気ですもんね。
私は最初が古谷金田一だったので古谷さんの方が色々懐かしいですね。(茶木みやこさんの主題歌も最高です♪)
でも見方によっては逆に表面の能天気差を逆手に取って(皮肉に?)考えさせられる、みたいな⁇

フランキー堺さんの了然和尚? 残念ながら未見です。 鶴太郎さんのも結構色々有ったんですね。観てみたいなぁ。
フランキー堺さんといえば、今TVドラマの「私は貝になりたい」を観ています。 (笑)…で、お顔を見ていて誰かに似てるなぁっと思ったら、めでたく来場所横綱デビューする「照ノ富士」関にですね~😄 照ノ富士関観てても何時も誰かに似てるなぁっと思っていたのが今判明しました(笑)
この「私は貝に 〜」作品も戦争の悲劇を描いてますよね。
余談ですがフランキー堺さんといえば私的には「霊感ヤマカン第6感」(笑)今回初めて演技しているところを観ました。

最初と最後の岡山もの。あー、本当ですね。 
先に映画版観たんですが、双子の志麻さん、では無かった(苦笑) 巴御寮人ピッタリな役どころだと思いました。 原作も志麻さんイメージして読みました。
磯川警部の身の上話には驚きました。 そして設定年が私の誕生年だったので余計に感慨深い思いがしました。
鹿賀丈史さんの金田一も飄々としていて良かったですよね。一作だけなのはもったいなかった。 ブーツでしたっけ?

1996年のといえば、トヨエツ金田一? これも残念ながら未見です。あまり評価は良くないらしいですね。イメージ的にかっこいいけど暗すぎる?

「蒔田あじゅ」さん、存じませんでしたので、wikiでお顔拝見したら、憂いのある表情が百恵ちゃんみたいですね。
朝ドラ出演した方はそのあとの活躍が著しくて楽しみですよね。

そうだいさま、朗報です! 又々池松金田一で有るらしいですよぉ〜😃
「女怪」「女の決闘」「蝙蝠と蛞蝓」ですって😆 
「女怪」の「虹子」はとびっきりのイイ女の女優さんに演じてほしいですね。(虹子ってちょっと乱歩先生の陰獣のヒロインイメージしました。でもこっちは承知の上ででしたけど?)
「女の決闘」これは初めて聞きました。全然知らないお話で楽しみです。
「蝙蝠と蛞蝓」 いやぁ、実に良いチョイスですね~😄 短い話乍らも大好きな作品です❣️
このコロナ禍の中出演者スタッフ大変でしょうけど、嬉しいですね。
ひと味もふた味も違った?演出も音楽もワクワクします。

話がだいぶん脱線してすみません。
そうだいさまも季節の変わり目コロナ等、気を付けてお過ごし下さいね。 それではまた😊
耳より情報~!! (そうだい)
2021-08-30 23:40:01
 いや~、あいあい。さま、耳寄り情報が満載のお返事をいただきまして、まことにありがとうございます~!!

 ほんと? ほんと!? こりゃまた、いぶし銀の3本ラインナップですね~!! 加藤シゲアキ金田一も吉岡秀隆金田一もちょっとブランクがあき過ぎてしまっているというていたらくの中、池松金田一だけは相変わらず気を吐いていますね~。とっても楽しみです!!
 この3本の中でいうと、やっぱり目玉は『女怪』ということになるのでしょうか。金田一もの短編としては珍しく、古谷金田一(単発ドラマ期)と片岡金田一とで都合2回ドラマ化されているという恵まれた作品なわけですが、「人間味たっぷりの金田一耕助」が描かれるわけですからね。これは見ものです! さすが、横溝正史版『陰獣』とは、言いえて妙でございます。そこを比較すれば、大乱歩と大横溝との違いが如実にわかりますね。

 市川版『獄門島』は、やっぱり「真犯人」付近に原作から大きく離れたアレンジがなされているのがネックかと。公開の約1週間前にテレビで堂々完結した『横溝正史シリーズ』版『獄門島』のほうが評価が高いというのは、衆目の一致するところなのではないでしょうか。
 それ以外にも市川版『獄門島』の「はずしちゃったポイント」はいろいろありまして、それこそいちいち挙げていったら独立した記事になりそうな深みがあるわけなのですが、わたくしがにらんでいる最大の敗因は(そんな、後年の『八つ墓村』やリメイク版『犬神家の一族』ほどの失敗ではないのですが)、「謎の復員服姿の男」や「戦争の生んだ悲劇」をまともにやると、まんま『犬神家の一族』の焼き直しになっちゃうから、わざとそこをあっさりめに流してしまった、という判断だったのではなかろうかと。
 でも、『獄門島』は珍しくそうとう悪い人間を演じている大滝秀治さんと、シリーズの中でもいちばんキュートな坂口良子さんが観られるので、それで充分、合格だと思いま~す!

 フランキー堺さんは、80年代生まれのわたくしにとりましては、もうこの片岡金田一版『獄門島』と、大河ドラマ『太平記』(1991年)での入魂の演技こそが原点でありまして(ここでも片岡鶴太郎さんとペア!)、完全に「いぶし銀の名優」というイメージしかありません。『私は貝になりたい』、もはや伝説のドラマですね~。新横綱、似てますね~!!

 『悪霊島』での鹿賀丈史金田一は、浜村純さん演じる漁師から、島内散策用にゴム長靴を借りるんですよね。ガボガボ鳴らして必死に走りまわりながら野犬に追い駆けられるという、地味きわまりないアクションシーンが印象的でした。
 篠田正浩監督は、ほんとに岩下さんをきれいに撮りますよね~。逆に言えば、それ以外の女優さんはあんまりきれいに見えないという……『悪霊島』のメインヒロインは、いちおう岸本加世子さんなんですけどね~!!

 トヨエツ金田一自体は別に悪くないんですが、ほら、『八つ墓村』は、金田一耕助がそんなに目立っちゃいけない作品ですから……ノッポでしゃべり方が妙に特徴的な金田一さんに対して、本来の主人公であるはずの寺田辰弥(演・高橋和也)が全然目立たないのが致命的な失敗なのではないかと。1977年版における渥美清さんとショーケンさんとの力関係の完全な逆なんですよ。主人公がパッとしないんだもん、誰が死のうが興味わきませんよね。真犯人も……大変に失礼ながら、そんなにピチピチした方じゃないし。

 蒔田あじゅさん、私は大好きです。2020年代の価値観で言うと、絶世の美女ではないかもしれませんが、あの瞳の、愁いをたたえた奥行きはすばらしい。勝手ながら応援してます! 令和の横溝ワールドにスカウトしたい新人ナンバーワン!! あ、もう池松金田一の『貸しボート十三号』で出てました。

 大横溝ではないですが、同じくらいに私が大好きな小説家・辻村深月さんの『朝が来る』の映画版でも、あじゅさんは非常に良い仕事をされています。お暇でしたら、そちらも、ぜひ!!

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