ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

有意義

2017-12-17 | アメリカ事情

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合衆国各州には、それぞれ州のニックネームがある。加州は、ゴールデンステイト(黄金の州)というが、気候以外ゴールドではなく、少し前まで、州財政は深刻な状態にあった。比較的高い州税なのに、州民はその還元を感じなかったどころか、経済危機にさえ、みまわれていた時期がある。その間、州に雇用されている者は、furlough*というシステムで、財政立て直しまで、ほぼ隔週一日は、無給休暇を取らされた。


その対象にならないのは、警察関係、医療関係で、当時私の所属する部の副ディーンでさえ、その職から、そして教授職からも、追い立てられるように、引退を迫られた。その上、それ以降副と名が付く役職の多くはほとんど消滅し、定年は何歳と決まってはいないが、おそらく間近と見られた年配の職員も、勿論良い査定結果ではなかった職員も、押し出されるように引退や解雇を余儀なくさせられた。


私の親しくしていた同僚リンダも、まず電話もコンピューターもない、ただ机と椅子があるだけの、物置のようなオフィスに移され、仕事は一切ない、という状態に置かれた。彼女は30年以上のベテラン職員で、仕事もよくでき、その人当たりの良さが、定評の人であったのに、大学は、彼女の引退を促すため冷遇をした。当初彼女は、憤慨し、労組を使って訴えを起こす事も考えたが、結局「ここらがいい退け時かもしれない」と辞めたのだった。「これからは母と叔母と愛犬とで楽しく暮らすわ」とキャンパスを去った。


リンダは、アメリカ国籍だが、横浜本牧にアメリカ軍基地があった頃そこで育ち、高校生の頃に、日系人の父と日本人の母と共に帰米した。日本語は、読むのは、漫画の本で練習した、と言っていたが、日常の会話は、そつなくこなせる。保護団体のために、愛車を寄付したくらいの、動物好きで、彼女のオフィスでは、キャンディバーを一つ1ドルで売っていて、その売り上げはすべてこの地域の動物保護団体に直接寄付していたものだ。ランチをよくしたし、楽しい同僚であったが、キャンパスを去ってしまった私はしばらく重い心で出勤した。

 

*furlough= In the United States, a furlough (/ˈfɜːrloʊ/; from Dutch: verlof, "leave of absence") is a temporary leave of employees due to special needs of a company, which may be due to economic conditions at the specific employer or in the economy as a whole. (Wikipedia) 合衆国でファーロウとは、経済的理由により一時的に雇用者が被雇用者に無給休暇を与える事。

 

https://www.hallco.org


それなのに、なんと私は彼女の住所を聞かないままだった。独身であることや、女所帯なので、住所や電話番号は公にはなっていず、彼女の元同僚に尋ねても知らないのだった。 うっかりしていた自分を責めていて、年月が過ぎ去った。 ところが先週土曜日の事である。土曜日の仕事(つまり家事と買い物)を済ませて、夫と私は、夫の同僚が「この町で一番おいしい新しい中華屋」と推薦していたレストランへ、初めて足を運んでみた。テーブルに案内されて落ち着くと、ふいに見かけたことのあるお顔がドアを開けて入ってきた。まあ!リンダ!


リンダは、注文した物を取りに来たのだった。早速私達は抱き合って再会を喜び、話し込み、私は住所を聞かなかった非礼を詫びた。その夜彼女とたくさんテキストを交わして、これからは、どこそこのレストランでランチに落ち合おう、などと約束した。勿論、私は彼女の住所ももらった。

http://clipartandscrap.com/friends-clip-art_18026/

 

「見よ、あなたがたはしばしばともに集いなさい。」という聖句が今日12月16日のクリスマスカレンダーである。 リンダとの思いがけない再会で、この言葉を思い出し、これからは以前にも増して会う事だろうと思った。


日本では、「レンタル」して、「友人」を「雇い」、一緒にインスタ映えする写真撮影して投稿し、いかに自分には、友人が多いかを見せるそうである。なるほど。けれど、友人というのは、その数よりも、質ではないのだろうか? 


インスタグラムに投稿するだけの「友人」よりも、本当の友人ともっと有意義な時間を一緒に持てるのが、最善だが、友人がいなく、最後にそんな時間を友人と過ごしたのは、どのくらい前だったか、思い出せないならば、まず自分が好むヴォランティア活動をお探しになるのも一つの友人探しの方法ではないだろうか。 


又、家族の中で孤立感を持つならば、この週末家族で一緒に楽しく過ごせることをほんの二時間でも、あなたが計画なさっては。 それは電源のいるゲーム遊びではなく、ボードゲーム(ライフやモノポリーなど。日本にはたくさん面白いボードゲームがあり、楽しそう。)をする時間でもいい。あるいはトランプを使うゲームでも。クリスマスから年末年始にかけては、そういう時間が普通に比べて取れるのでは?

 

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ご夫婦で、あるいは子供達と。

 


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2 コメント

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ステキ! (福田恵利子)
2017-12-17 07:01:42
ステキですね!!。読んでいて私も嬉しくなりました。
きっとご縁の深い方だったのでしょうね…。

私にも会いたい人がいます。
私にもご縁がありますように…。
Unknown (ままちゃん)
2017-12-17 12:38:59
ニューヨーク・ライフと言う生命保険会社のキャッチフレーズは、The Company You Keep と言うのですが、リンダは、The Friend I Keepです。エリコさんも、お会いしたい方と再会できますように。

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