日本史大戦略 Side-B 附 東国を歩く会 ~関東・東北の古代・中世史探訪~

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【下総古代史探訪 その3】列島最大の方墳・岩屋古墳にやっと会えた!【千葉県印旛郡栄町】

2017-05-05 16:32:59 | 歴史探訪
 古墳群を歩きだしたらいきなり古民家に遭遇してしまいましたが、古民家をゆっくり堪能する時間が無いので先を急ぎます。

 おっと、円墳だ!



 100号墳。

 そうですよね、龍角寺古墳群には100基を越える古墳があるんでしたよね。

 ここにも。



 99号墳。

 立て札にはちゃんと直径と高さが書いてあるのがいいですね。

 全体図発見。





 岩屋古墳はどこかなー?

 おや、向こうの方に大きな古墳が見えますよ。



 あれに違いないでしょう。

 やっぱりそうだー!



 国内で最も巨大な方墳・岩屋古墳です。

 古墳に向かって座っている方は絵を描いているようです。



 一辺78m、三段築成。



 私は古墳に興味を持って少し経ってから、前方後方墳にとくに惹かれるようになったのですが、それとともに円墳より方墳になぜか興味を持つようになっています。

 なので、龍角寺古墳群にある岩屋古墳を見てみたいというのは数年来の夢だったのです。

 図らずも久しぶりに祖母の墓参りに来たお陰で見ることができました。



 やっと会えた・・・

 周溝の跡でしょうか。



 墳丘の周りには「古墳は人のお墓です。登ってはいけません」という立て札が沢山立てられています。

 そうですよね、お墓ですもんね。

 私たち古墳マニアはお墓を見たり、お墓に登ったり、遺体が安置されていた石室を見たりして喜んでいるのですから、ある種の変態かもしれません。

 岩屋古墳は古墳時代終末期の古墳で、武蔵で言うところの府中市の府中熊野神社古墳や川越市の山王塚古墳などと同時代です。

 石室は横穴式で、2つ並んで確認されています。



 西石室。



 石材には貝殻が埋まってるんですね。



 いかにも海がある千葉県らしい。

 千葉ってます。

 フラッシュを焚いて撮影しますが、うまく撮れません。





 そしてこちらが東石室。





 千葉県は原始時代から人口が多かったようで、7世紀に日本が律令国家を構築していく段階でも下総(しもうさ)・上総(かずさ)・安房(あわ)という3つの国に区画されました(ただし、安房国は少し遅れて養老2年(718)に上総国のうち平群郡・安房郡・朝夷郡・長狭郡の4郡を割いて分出させました)。

 律令国家以前の日本列島の地方には国造(くにのみやつこ)と言われる地方官がいたのですが、現在の千葉県域には、 

 ・下海上
 ・印波
 ・武社
 ・千葉
 ・菊間
 ・上海上
 ・馬来田
 ・伊甚
 ・須恵
 ・長狭
 ・阿波

 という、11もの国造がいました。

 これだけ小さな国造がたくさんいる地域は列島内でも珍しく、それだけ各地域の独立心が強かったのかなと思います。

 つい最近の平成の大合併でも千葉県域はそれほどダイナミックな合併がなかった印象があるのですが、それも古代から独立心の強さがDNAレヴェルで影響しているからではないでしょうか。

 さて、上述の国造の内、印波国造がこの墓の被葬者ではないかと言われています。

 印波というのは、今でも印旛郡という地名で残っていますね。

 645年に始まった大化改新以降、古代国家は律令に則った国づくりを進め、列島内を「国-郡-里(郷)」という行政区画に分割します。

 この辺りは埴生郡になったのですが、郡の長官である郡司には、地元の有力者である印波国造が引き続き任命されたと思われます。

 日本は伝統的に古墳に墓誌をいれませんので、被葬者の名前は分からないのですが、もしかすると初代埴生郡司の祖父か曽祖父あたりがこの古墳に眠っているのかもしれません。

 そういえば、21歳のときにバイトした千葉県内の会社で武者さんという女性の先輩がいて、退勤したあとたまに車で駅まで乗せて行ってくれたのですが、国造の一覧を見ていて、字は違うものの武社にちなんだ苗字だったんだなあと思いました。

 珍しい苗字の人って結構いつまでも覚えているものですね。

 というわけで、まず最初に最大の目的である岩屋古墳を見ることができました。

 このほかにいくつか興味深い古墳があるので、公園内を散策してみます。


関東古墳探訪ベストガイド
東京遺跡散策会
メイツ出版

 ↑関東の古墳をめぐるに当たり、どこへ行こうか考える際に便利なオールカラーのガイドブックです。初級者の方はまずはこの本で紹介されている古墳をめぐれば、徐々に関東の古墳の面白さにハマって行くことでしょう。龍角寺古墳群も紹介されていますが、なぜか岩屋古墳については言及されていません・・・

 ⇒このつづきはこちら

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