日本史大戦略 Side-B 附 東国を歩く会 ~関東・東北の古代・中世史探訪~

『日本史大戦略』のB(Blog)面です。城・館・古墳・古道・官衙・国分寺・神社・寺院・民俗・エミシ・南部氏・後北条氏など

【東国を歩く会 夏期古墳講習 その4】八幡山古墳/若小玉古墳群【関東の石舞台】

2017-08-13 10:01:18 | 東国を歩く会
 埼玉古墳群を出て次に向かったのは、若小玉古墳群に属する八幡山古墳です。

 20分くらい走ると、道路に標識が出ていたので左折、低速で注意深く走行していると左手に砂利の山のようなものが見えたので何となくその方向へ行くと、むき出しになった石室が見えました。

 公園になっているようです。

 とりあえず車を路駐させて公園の中へ行ってみると、係の方が待機しておられたので駐車場の場所を尋ねます。

 私とS源寺さんで車を回しに言われた場所へ行ってみると、バスも停められる駐車場がありました。

 最近は史跡に来ると駐車場の大きさやトイレの有無をチェックする習慣が付いているんですよね。

 雷電號とX號を駐車させ、石室へ向かいます。

 駐車場には史跡めぐりの看板がありますよ。



 ここは八幡山公園という公園なんですね。



 おや、これは何でしょう。



 へー、万葉集に埼玉が出てくるんですね。



 万葉集では武蔵にちなむこんな歌もありますね。

 「赤駒を 山野にはかし 捕りかにて 多摩の横山 徒歩ゆか遣らむ」(20-4417)

 防人として召集を受けた人たちは一旦国府に集まってから、皆で筑紫を目指したようです。

 武蔵国府があった東京都府中市にある府中市郷土の森博物館の展示で、上の歌を題材にした簡単なアニメがあります。

 ここ2ヶ月、私は立て続けに福岡へ行っていますが、飛行機だと乗ってしまえば1時間ちょっとです。

 でも昔の人は歩いて行ったわけですから、その苦労は並大抵のものではなかったことでしょう。

 事実、筑紫での任務が無事に終わっても、東国まで帰ってくることができずに途中で行き倒れてしまった人も多かったそうです。

 さて、石室の前に来ると、皆さんが係の方から説明を受けているようでした。





 この八幡山古墳の面白いところは、墳丘の土がごっそりとはぎ取られて、横穴式石室が丸見えになっているところです。

 まさしく「関東の石舞台」ですね。

 本来は直径80mの円墳ですが、円墳で80mといったらかなりの大きさです(先ほど見た埼玉古墳群の丸墓山古墳が直径115mで日本一)。

 そしてこの八幡山古墳は、若小玉古墳群という先ほど見た埼玉古墳群とは別の古墳群に属しています。



 ※『シリーズ「遺跡を学ぶ」016 鉄剣銘一一五文字の謎に迫る 埼玉古墳群』(高橋一夫著・新泉社刊)より転載

鉄剣銘一一五文字の謎に迫る・埼玉古墳群 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
高橋 一夫
新泉社


 ※埼玉古墳群について多くの図版を交えて解説したオールカラーの本で、埼玉古墳群について知りたい方には必携の本としてお薦めします

 では中へ入りますよー。



 ※石室の中には土日の昼間しか入れません

 中は真っ暗。

 今日は懐中電灯を持ってくるのを忘れました。

 皆さんはスマホのライトで中を照らしています。

 天井に頭をぶつけないように気を付けてくださいね。

 一番奥の玄室まで来ると自動で照明が付きました。

 おー、広い!

 そして見事な切石積みです。



 つい2か月前の6月には、今日一緒にいる皆さん(おっと、あの日岸本さんは欠席でした!)と東京都府中市にある武蔵府中熊野神社古墳の復元石室へ行きましたが、あそこは復元ですがこちらは本物です。



 こんな凄いのを1300年も前に造ってしまったんですよ。



 しかし凄い技術ですね。

 玄室入口の上部は板のような一枚岩を4枚重ねています。

 

 皆さんも驚嘆の声を上げながら喜んでいます。



 私はクラツーでも石室の内部をご案内することがありますが、石室は皆さんとても喜んでくれますよ。

 古墳めぐりをするようになって石室の魅力にとりつかれると古墳めぐりには懐中電灯を持って行くようになるのですが、先ほど言った通り、今日は不覚にも忘れました。

 でも電灯がついていて良かった。

 玄室から後室に下がり、玄室を見ます。



 つづいて後室の入口まで下がり後室を見ます。



 またまた下がって、前庭部から前室を見ます。



 後室の入口の両脇には神様が祀られていますよ。

 ちなみに、係の方の話によると、この石室は関東大震災でも大丈夫だったのが、ついに東日本大震災の時に入口脇の石積みが損傷を受けてしまったそうです。

 その部分は現代の工法で修復したわけですが、こう言っては何ですが、1300年前の技術の方が綺麗に仕上がっている・・・

 まあ、もちろん予算の都合もあったのだと思います。

 以上、この石室の全長は16.7mもあります。

 既述した武蔵府中熊野神社古墳の石室も見事ですが、あちらの全長は8.8mです。

 時代的にも熊野神社古墳と同じ頃なのですが、これらの古墳の築造から数十年後に武蔵国府が造られた時、埼玉の勢力は国府誘致合戦に敗れてしまったのです。

 その理由は何でしょうか。

 国府の誘致の問題は、ここ数年、私がずっと考えているテーマです。

 ちなみに、横穴式石室の大きさを話題にした場合、群馬県高崎市にある観音塚古墳(墳丘長約100mの前方後円墳)の横穴式石室の全長は15.3mで、あそこもかなり広いですよ。



 ※観音塚古墳の石室(7月1日にクラツーにてご案内しました)

 観音塚古墳の築造時期は八幡山古墳よりも数十年前で、石室も切石積みではありませんが、一つひとつの石の大きさは驚嘆に値します。

 では、少し外観を見ましょう。

 この古墳の素晴らしいところは、普通であれば絶対に見ることのできない横穴式石室の外側を見れるところですね。

 玄室入口部分です。



 中で見ても板状の岩が4枚重なっているのが分かりましたが、外から見るとこうなっているのです。



 これはいいねえ。



 皆さんとしばらくあれこれと話しながら外側の観察をします。



 ここは絶対クラツーで案内したいな。

 30分ほどの滞在を終え、係の方に「気を付けて!」と見送られ、次の古墳へ向かいます。


 ⇒このつづきはこちら


*     *     *


 もっと沢山の石室を皆さんにお見せしたくてこんなツアーを造成しました。


 
 この右上のがそうです。

 ところが、発表して1ヶ月経たずに満席となってしまい、キャンセル待ちの方までいらっしゃる状況となってしまいました。

 多くの方々に参加表明をいただいたのはとても嬉しいですが、参加できない方のことを考えると寂しいため、もう少し参加者を増やせないかクラツー内で検討した結果、バスを大型に変えてもらうべくバス会社に問合わせるということです。

 なので、もし当日大型バスがまだ空いていたらもう数名はご参加できます(不確定な話をしてスミマセン)。

 それと、まだ本決まりではないですが、12月3日(日)にクラツーで埼玉古墳群ツアーをします。

 それにはこの八幡山古墳の石室もコースに加えますので、興味のある方は正式発表(「歴史への旅」9月10日号)をお待ちくださいね。

 ※後日註

 上記の予告通り、クラブツーリズムにて八幡山古墳の石室もコースに入っている埼玉古墳群ほかのツアーができました。

 こちらの「歴史への旅」9月10日号のスキャンをご覧ください。



 下段左側のがそうです。

 12月3日(日)と2018年1月13日(土)の2回設定されていますが、12月3日の方は催行が決定していますので、申し込んだのに最少催行人数に達してないからツアーが中止になるという悲しい事態は避けられますよ。

 興味がある方は下記リンクをご覧ください。


 ⇒クラブツーリズムの公式サイト

『埼玉県』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 【東国を歩く会】埼玉古墳群... | トップ | 【東国を歩く会 夏期古墳講... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

東国を歩く会」カテゴリの最新記事