ちぎれ雲

熊野取材中民俗写真家/田舎医者 栂嶺レイのフォトエッセイや医療への思いなど

台風12号災害から知ったこと 3)途中で止まった土石流

2013-11-03 | 危機管理と災害

 2011年9月に紀伊半島を襲った台風12号大災害を体験してわかったことをシリーズで書いています。

3)途中で止まった土石流

 災害発生間もなく、Googleの衛生写真を使った災害情報マップが設置されました。
 これは今でも見ることができ、紀伊半島各地の災害直後の衛生写真や報道写真を見ることができます。

台風 12 号災害情報 http://www.google.org/crisismap/japan_typhoon

 とても便利でよかったのですが、衛生写真をじーーっと見て、「ぎょえ………」と思うことがありました。
 実際に被害を起した土石流だけでなく、下まで到達しないで途中で止まっている土石流がたくさんある………!

 土石流と言えば、一番下の平坦な所に出るとか、川の本流まで達するとか、最後まで流れ切って被害を起すというイメージがあったのですが、衛生写真を見ると、全然流れ切ってないものがたくさんあるのです。

 いや、地形によって土砂の流れが阻まれることもあるでしょうから、当たり前と言えば当たり前?

 で、私が「怖ぇ……」と思ったのは、それらが集落の上流で止まっていることでした。

 一旦止まった土砂が、次の荒天で再び流れる確率がどのくらいかは、私は知りません。止まったのだから、次はもう流れないのかもしれない??
(途中で止まった土石流というものを、どう考えていいのか?どう扱っていいのか?知りたいと思うのですが)

 でも、集落の上流にそういうものがあるということは、「上流の山域は土石流を起す場所なのだ」ということを示していて、次には同じ谷の別のところが崩れるかもしれない、次には人家まで来てしまうかもしれない、と考えられるのです。

 上の写真は那智勝浦町の色川地区の例ですが、南紀の衛生写真を見ていたら、こんなのたくさんあります。

 例えば、熊野川河口から国道168号を川沿いに熊野川町に向かって遡っていくと、途中に白見の滝というのがあって、この滝も台風12号で派手に崩れたんですが、その滝の上流の山塊でたくさんの土石流が発生している(でも途中で止まっている)のが、衛星写真で見えます。
 この山塊は崩壊しやすいんだな?……と思うので、私は大雨の時は、白見の滝付近にはよう近付きません。
(下流の檜杖集落周囲でも多数の土石流が発生し、たくさん人も亡くなってしまったので、白見の滝周辺だけというより、荒天時には国道168を通らないようにしています)

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