去年もまたこの時期・・・5月23日にお世話になったが、今年も津高におじゃまする。津高OBによる倉田教頭先生を交えての懇談会だ。
今年度の津高実績は去年に比べると今いち・・・国公立大学合格者167名。確かに去年の200名からすると減った。しかし入学時の受験倍率が津高の歴史のなかで一番低かった1.06倍の学年である。それを踏まえたうえでならよくやったんじゃないか、個人的にはそう思う。
よくしたものでこの私的な会を仕切ってくれている松田先生(フロイ学院院長)が言う。「入学時の倍率と国公立大学合格者には見事に相関関係が出る」 つまり、倍率が高かった学年はたくさん国公立に合格し、低かった学年は少ない。
今日の会で手渡された資料だ。
国公立合格者が229名となっているが、これが浪人の合格者も含めた数字。注目したいのはその上の折れ線グラフ。これはたぶん去年の卒業生のものだと思うが、入学時のスタディサポートから卒業時までを追跡した全国模試の軌跡だ。この資料は秋に開催される塾対象の説明会でも配布されているが、ここ数年ずっと同じだ。つまり入学時から3年間かけて生徒は上昇していく。
この生徒たちの軌跡を示しながら倉田教頭は今年も断じる、「津高の先生方の教務力はどこの高校と比較しても絶対に負けません」 津高の先生方にで絶大な信頼を寄せているのだ。
「でも外から見てるだけでは今の津高は何をやってるんや、ちゃんと生徒を育ててるんか・・・そんな苦言を頂くわけです」とも倉田教頭。四日市高校との比較だ。確かに今年の四日市は一人勝ちと言っていいほどの実績を叩いた。同じトップ高なのに四日市にえらく水をあけられたじゃないかとの観客席からの声、叱咤に身をこわばらせているのかもしれない。
中勢地区では各中学のトップクラスが津高へ、そして北勢地区ではやはりトップクラスが四日市へ・・・確かにそうだが、母集団ではかなりの開きがある。それを倉田教頭は「地盤沈下」というタームで説明する。
北勢地区は生徒が増え続けているが、中勢では減り続けている。それに加えて県内では唯一の強い私立6年制・・・高田6年制を抱えている。たとえば南が丘小学校は中学進学時にほぼ1クラスぶん生徒が減少する。高田や三重、鈴鹿などの私立6年制へと進学するからだ。それが津高進学者の推移に顕著に表れる。今の高3は18名、2年が34名、そして1年が18名・・・34名の年は私立中学進学者が少なかったはず。南が丘以外でも橋北や西橋内などでも顕著な減少傾向が続く。それぞれ、31名→28名→21名、17名→15名→11名という具合だ。あえてこの地区から四日市高校を目指す生徒たちもいるだろうし、今風の自分に合った無理をしない選択をする生徒たちもいるだろう。
少なくとも津高へ進学したいと願う生徒たちの絶対数が減った。それが今年の1.06倍・・・新聞発表の数値では1.07倍となるが、当日欠席分・・・鈴鹿高専への進学者の欠席もあり、実質は1.06倍となった。1.06倍・・・再び津高とすれば窮地に立たされた格好だ。
今日の懇親会は津高OBたちによる同窓会という色合いもあり、今年度の実績をあげつらうこともなく、倉田教頭の説明を全面的に受け入れた。まあ、甘いと言われればそうだろうが、倉田教頭が大好きなんだから仕方がない。それでも俺の本音・・・それでも津高はよくやっている。入学時のスタディサポートの成績からすれば四日市高校との差は歴然としている。それを3年間でなんとか勝負できるところまで引き上げていく。あの折れ線グラフが全てを語っている。シングルヒッターたちの集まりをなんとか三塁打を打てるチームへと育てていっている。
少なくとも愛おしい生徒たちを安心して任せられる・・・そんな高校が少なくともこの地区には一つはある。今日は、その事実を再確認したということで十分である。