午前10時から現代文・・・2008年度の青山学院大学文学部の大問1。
そして古典は「大鏡」の菅原道真の大宰府流罪の章。
これを正午までの2時間で処理するにはかなり無理がある。
しかしクラブがある以上はどうしようもない。
香保(松阪高校1年)は現代文から参加し、昼食を食べて、今しがた夕食を食べて・・・。
この流れだとウチの塾で12時間ほどを過ごすことになる。
勉強する姿勢にむらがない・・・中間試験では真ん中ほどだったが、このままなら伸びるだろう。
月曜日から期末試験だとか。
ついつい内申の正念場を迎えた中学生に目が行ってしまうが、退屈している俺に積極的に質問を繰り出す。
伸びる奴はいつだってそうだ・・・分かったふりはしない。
砂保と星哉には今日から正進社の『夏の完成』に入る。
7月実施の中部中の実力試験の範囲、現在完了・受動態・動名詞から。
砂保と星哉は実力試験は数学と英語に絞って勉強させている。
各中学の期末試験が終わったら中2と中3と和輝とで『夏の完成』に入る。
7月は去年同様、英語にどっぷり浸かってもらうつもり。
真ん中の部屋にいた俺に質問に来た由梨香(津高1年)、質問が終わってから中学生の部屋を一瞥、吐き出すように言う。
「楽しそうに勉強してますね」
「立ち上がり係数はなんとか沈静化したが、音なんかに対する振り向き係数、依然として治らんからな」
集中力を切らした者同士の視線が絡み合い、無言で互いを慰めるようなアイコンタクト・・・小市民だ。
受験を潜り抜けてきた受験生なら誰もが気づいてしまう、このぬるい雰囲気。
やはり悲惨な点数を取ることで、各自自覚してもらうしかないのか。
400点を越えるはずなのに越えられない・・・このぬるさが元凶なのだ。
馬鹿にはそれが分からない。
いや、分からないから馬鹿なのだ。