華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

 ” わが悲しき娼婦たちの思い出 ”  ガブリエル・ガルシア=マルケス 著

2006-12-14 21:35:08 | ★本
南米・コロンビアの作家マルケスの小説 ” 百年の孤独 ”は好きな本で 三回も再読している
不思議な幻想が日常の中に違和なく挟まれ語られる物語性に  とても惹かれる
久しぶりにマルケスの本を手にした  ほんの数ページを読んだだけで パタンと本を閉じてしまった
「 わたしはマルケスの小説がとても好きだ   読み進んで読み終えるのが もったいない 」
あらためて そう思い  読むのを惜しいと思い  自分でも苦笑してしまう

この小説の巻頭には 川端康成の ” 眠れる美女 ”の中の一文が引かれている
” たちの悪いいたづらはなさらないで下さいませよ、 眠ってゐる女の子の口に指を入れようと
  なさつたりすることもいけませんよ、 と宿の女は江口老人に念を押した。 ” 
川端の小説の主人公は60歳代  少女は眠り薬で眠らされている  秘密と老いと死の匂いが漂うが
マルケスの小説の主人公は  粋で ユーモラスで  明るく前向きな好色人である
「 満九十歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して、自分の誕生祝いにしようと考えた。」
これが小説の冒頭である   
作家にとって 最初の一行はとても大事と聞くが  この一文にわたしは欣喜してしまった
90歳という高齢  誕生日を祝うという気持ち  なんとなく違和があり ユーモアのある書き出しである

町の新聞紙のコラム記事のようなものを書いて 妻も財産もなく生活してきた男が主人公である
「 女性と寝た場合、 必ず金を払うようにしてきた。    ・・・・・  
  五十代になると、 少なくとも一度は寝たことのある女性の数が五百十四人にのぼった。 」
こういうあっけらかんとスケールの大きなマルケスの主人公は  愉快で 笑ってしまう
原稿を書き続けることを待っている編集長とのやりとり  書いた記事に反応する町の人たちのこと
娼家へ行くために乗ったタクシーの運転手がかつての教え子で 「 行ってらっしゃい、 博士 」と
大声で親しげに言われてしまう    「私としては礼を言うより仕方なかった。」 愉快で笑ってしまう

十四歳に満たない少女は 病気の母や弟妹の世話をしながら昼間働く疲れで  いつも眠っている
九十歳になって眠っている少女に恋をしていく主人公は 家財を整理し すべてを少女に遺す遺言を書く
「 私は光り輝くような思いで外へ出た。 」 
明るく前向きに九十一歳の誕生日を迎える幸せな老人の物語である
また再読したい本が一冊できたのが  うれしい


   

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眠れる美女 百年の孤独 コロンビアの作家 ガルシア=マルケス
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2 コメント

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G・マルケス健在!? (青龍)
2006-12-14 22:29:27
「百年の孤独」は私も大好きです。
「わが悲しき娼婦たちの思い出」は書評が芳しくないので保留にしていました。「コレラの時代の愛」の方が書評は良いようです。週間朝日の特集で、今年のNo.1に選出されていました。どうしようかな・・・

>満九十歳の誕生日に〜
マルケスらしいというか(笑) 私はファウスト博士の方が品があっていいかな(笑)

マルケスの描く荒唐無稽な人物も、南米人には心の奥底で理解できる部分が多いらしいですね。川端康成の描く日本的な美を日本人が感じるようなものなのかもしれません。
YES!   健在なり (rei-na)
2006-12-14 23:14:25
あっという間に読んでしまえる語り口がいっそう明るく軽妙で 親しみを感じる本でした
愉快な気持ちの余韻を残してもらって 読み終えてしまったことが惜しいくらいです  笑
日本人;川端康成 vs. コロンビア人;マルケス  お国柄の違いは作風の違いでしょうね
ぜひ 一読してみてくださいな
”コレラの時代の愛”  ハーイ  今ここに 借りてきてありまっす
実に楽しみな物語で 読むのが惜しく 表紙を撫でているところでっす  (^0^)v

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