【フロム・ヘル】

その名も『ジャック・ザ・リッパー』。
１８８８年、ロンドンを震撼させた連続娼婦殺人事件。

分かっているだけで５人の娼婦が猟奇的殺人の餌食となったこの『切り裂きジャック』事件。
疑わしいものも含めると２０人近くに達する可能性もあるとか。

類を見ないその残忍な殺戮方法と、犯人が捕まらなかったという事実において、
１００年以上たった今もなお、不気味な輝きを放ち続けている。

この事件解明に挑むのが、ジョニー扮するアバーライン警部。
これがまた、も・の・す・ご・く・綺麗

水を張った洗面器に顔を突っ込んだ後の、まさに『水も滴るいい男』ぶり
ちょっとプレスリーなモミアゲだってノー・プロブレム

生まれた星が違うんじゃないか、というくらい、
他の出演者との輝きの差は歴然としております

さて、この映画は『切り裂きジャック』事件を忠実に再現した作りになっていて、
遺体の損傷具合、遺体のあった場所と位置、
全ては資料に則って完璧に配置した、ということです。

当時、この事件の容疑者はかなりの数にのぼり、様々な説が語られたらしいです。

この映画においては『王室の陰謀説』が、映画的には美味しいだろうということで、
これに決定したそうですが。

王子が娼婦と恋愛して子供をもうけ、結婚式を執り行った。
それに参列した５人の仲間が、事実を知るということで、
口封じに処刑された、という筋書き。

これはちょっと違うんじゃないか、と思ってはおりますが、
取り合えず映画なので…

遺体に加えられた損傷というのが、
首を深く切る、腹を引き裂き臓器や子宮を切り取る、そして持ち去る。
殺人を犯していくほどに暴力はエスカレートし、
５人目の犯行に至っては文字通りめった切りで、狂乱の極みに達している。
髪の毛の色しか原型を留めないほどに。
かなり、怖いです

これは医学的な知識のある、外科的技術に長けた者の犯行だと推測して、
アバーライン警部は犯人に手をかけるところまで行くのですが…。


エスカレートする残忍さや連続性から、現代の快楽殺人的なものだったのでしょうね。
当時の捜査では証拠の科学的捜査も無理だっただろうし、
犯人の方が一枚上手のような印象を受けますね。

『切り裂きジャック』という名前も犯人自ら名乗ったそうですし、
『フロム・ヘル』という言葉も、警察へ送った手紙に書かれていたもの。

こんなこと言うのもナンですが、なかなか小洒落たことを言う犯人です。


ところで、この５人の娼婦の中で、一人だけ美女のヘザー・グラハム！
どう見ても娼婦には見えないぞ
案の定、アバーライン警部と恋に落ちるし。。

でも、この二人のシーン、良かったです。

犯人の犯行から彼女を守るため、お金を渡してしばらく仕事を休むように言います。
すると、感激してためらいの表情を浮かべる彼女を見て、
理解しかねてこう言います。『これでは足りないか？』
この時のアバーライン、すてきっ
美男な上に優しい。

その後に続く感動的なキスシーンも、お気に入りです

最後は、アバーラインの切ない言葉が胸を打ちますね。
美男な上にいい人。

不気味な映像とバイオレンスなスリラー。
はっきり言って、かなり怖いです。
けれども、それに負けず劣らずジョニーが綺麗

びっくりと、うっとりと、ドキドキと、メロメロが交互にやってきます（笑）

よく出来た映画でジョニーも綺麗。
でも怖い！…という訳で★★★★


Ｐ・Ｓ　
nonさんが描けというので、表紙絵描きました。すみません