【ニック・オブ・タイム】

『さあ～、眠り～なさい～、疲れきった～、体を～投げ出して～～♬』by岩崎宏美

かなり古いですが、エンディングでこの曲が流れそうな映画です


スーツにネクタイにメガネの、普通のサラリーマン風を演じたわけですが、
これがジョニーにとっては普通じゃないんですね

しかも、アクション付きのこの手のものは、
ブルース・ウィルスなどを想像して頂いた方がしっくりくるかもしれません。


妻を亡くした税理士ジーン・ワトソン（ジョニー）が、幼い娘を連れて駅に降り立ったところ、
何者かに娘を人質に取られ、女性知事の暗殺を強要されるというお話。


そんなばかな、という感じで始まるこの映画は、始まりがあまりにも強引なために、
ワトソンの苦悩を演じるジョニーが可哀想になってきて、
こういうことは誰か他の俳優にやらせて欲しいな、と思うのでした。

それでもサラリーマンジョニーがカッコいいものだから、
『こんなパパ、なんて素敵』とか、
『シングル・ファーザー、この事件で出会いがあるのかな』とか、
娘の命のタイム・リミットまで必死に画策を練るワトソンには失礼ながら、
こちらはよそ事を考える時間もちらほら…



苦情その１

ことの始まりが納得できない。
政治がらみの暗殺といえば、普通は大きな組織が絡んでいるハズなのに、
全くの素人をヒット・マンにさせるという強引さが分からない。
しかもワトソンに決めた理由が、『娘の為なら何でもやりそうだから』。
そんな安易で不確かなことで選んでどうする！？

確実性を求めるなら、かなり入念の下準備とともに、
裏社会で名のあるジャッカルもどきに依頼すべき
などと、やや本気でツッコミを入れるのが、そもそも間違い


苦情その２

ストーリーがみえみえ。
知事の公演会場を見張る警備の面々もグルだと知らされた後、
知事の秘書に助けを求めるが、
その秘書が『唯一信頼できる人』とワトソンと共に相談に行く相手が知事の夫で、
きっとこれもグルなんだろうと読んでるとやっぱり
これで助かった、と思うとでも？？



苦情その３

サスペンスに、実際の経過時間というのはマズイ。
暗殺を依頼した男が監視している中で、一瞬の隙を見て助けを求めようとするが、
ことごとく男に阻止される。
これを何度も繰り返す意味を教えて欲しい。
だってリアルタイムでの経過時間ということになっているのに、
まだ助かる時間じゃないってば（笑）
そのように予測が付くのでドキドキ感が足りない


苦情その４

ぎりぎりの時間まで暗殺を躊躇しまくるワトソンにイラつきながら、
娘の命は無いぞと何度も脅すのは、もはやコメディ。
『もういい、自分でやる！』と言って欲しかった（笑）


結局色々な知恵を絞って、靴磨きの男に助けられ、
何とか暗殺を避けて娘も救出したいという望みは叶えられます。
だから、このオチも予想できるのよね～。
しかも男が死ぬことも含めて。


…と、さんざんこき下ろしてしまいました


ではこれからお約束のジョニー賛歌を

何といっても惹き付けられるのは、子供に向ける眼差しの温かさ、でしょうか。
目から愛情たっぷりビームが発射です。

この頃はまだ実生活で親になっていない時期なのですが、
無類の子供好きを伺わせる表情です。

子供にとって、こんな理想的なパパはいない、というようなジョニーです
現在、子煩悩ぶりを隠しもしない様子から、
目に入れても痛くないどころではないのでしょう。

子供とやりとりする会話の楽しそうなこと

それから、ちょっと情けない役柄も、ツボ。
最後はいいとこ見せますが、ほとんどが男にやられっ放し。
スーツ＋知的＋弱々しい。
ジョニーだと何とも言えない色気あり。

清潔でこざっぱりした知的ジョニーもやっぱり素敵で、
綺麗なお顔をまじまじと眺めてしまう幸せな時間でした

ジョニー、お疲れさまでした。★★



★印訂正

ワトソン、頑張りました。