Minor Swing @Room

ジョニー・デップ他日常あれこれ

【チャーリーとチョコレート工場】

2006年08月30日 15時07分01秒 | ジョニー・デップ映画
気付くとつい口ずさんでしまうあの歌。
「ウィリー・ウォンカ♪ウィリー・ウォンカ♪…」以下英語解らず…

ジョニーの名人芸、ここに極まれりって感じでしょうか。
ティム・バートンとジョニー・デップの黄金コンビの夢の世界です。

何から書こうか迷うほど、ツボが盛りだくさんの『チャリチョコ』
好きです。ウォンカさん


世界一のチョコレート工場を経営するウィリー・ウォンカ(ジョニー)。
その後継者を探すため、世界中に発送されたチョコの中に5枚だけ金のチケットを入れ、
手に入れた子供5人とその付き添いの家族各一名を夢の工場に招待します。

これを引き当てた子供たちが、典型的なイヤなガキ。
ただ一人、素直で心優しいチャーリーを除いて。

食いしん坊で欲深い子供。
わがままな子供。
優勝のみを目指す子供。
屁理屈をこねる子供。

そこに天使の顔をしたチャーリー(フレディー・ハイモア)ですから、
結果はミエミエで、チャーリーが最後まで残るということは火を見るより明らかなのですが、
一人づつ消えて行く過程がとても面白い

何が面白いかというと、摩訶不思議な小人『ウンパ・ルンパ』が、
脱落した子供をネタに、歌と踊りのパフォーマンスをするのです。

これは百聞は一見にしかず。見ないことには解りません。
独特のムードはインパクトありすぎです
きっとあの顔を忘れることは一生ないでしょう。それほど強烈。

まったく、ウンパ・ルンパのあの顔と雰囲気。
どこから探して来たのでしょうか。
この映画の功労賞はウンパ・ルンパに差し上げたいですね

ウンパ・ルンパとウィリー・ウォンカとの出会いは、ある国の森の中。
動物に襲われるのを警戒して木の上に住み着いていたウンパ・ルンパを偶然発見。
小さな体とゴツイ顔。勤勉な人柄。

いったい誰がこのキャラクター考えたのか、誰か教えて(笑)
…やっぱり原作者ですか?それとも監督?


もてなしの席で出された『青虫のつぶし料理』を食べるウォンカさんが笑える。
かすかに顔を振って軽く拒絶するあたりの表情から始まって、全てが見事
ジョニーのコメディアンのセンスに拍手です

ウンパ・ルンパはカカオの実が大好きで、
それを交換条件にチョコレート工場の従業員として雇うことになります。
一体、あのチョコレート工場では何人のウンパ・ルンパが働いているのか…。
でも全員同じ顔。男も女も同じ顔。何を着ても同じ顔。誰を呼んでも同じ顔。

しかしこの役者さんの活躍ぶりったらないです。
一人で同じ踊りを何回もやって、それを大人数でやってるように合成してるそうですね。
歌も、楽器のそれぞれの演奏も、ダンサーも。
その上、各部署に配属されてる沢山のウンパ・ルンパの仕事も。
無言のカウンセラーというのもありました(笑)

いったい、どれほどの衣装と演技の数があったことやら。
ウンパ・ルンパ無しでは語れないこの映画の面白さ。
『可愛い』という解釈が、大幅に広がったことは間違いありません(笑)

『同意』または『了解』を表す、胸の前で腕をクロスさせるあのしぐさを、
誰かとやりたくてたまらない(笑)
コツは『力強く』です。

それから、クルミを剥く仕事をするリス。
調教したそうですね。
映画の中での動きは全て本物だそうです。すごい

わがままな娘の頭も、コンコンと叩いて実入りを確認する(笑)
ウォンカさんは『空っぽ』とひとこと。


さて、偶然に金のチケットを手にしたチャーリー。
この子はほんと~~に可愛いですね
目といい、笑顔といい、表情といい、良い子の見本のような愛らしさで。
ジョニーとは『ネバーランド』で共演して、今回二度目。

ジョニーもこの子の滲み出る純粋さと、俳優としての才能を高く評価していました。

ところで、ゴールデン・チケットをゲットして誰よりも喜んだのは、
以前ウィリー・ウォンカのチョコレート工場で働いていたジョーおじいちゃんでしょう。

寝たきりかと思いきや、『よっしゃー!』という雄叫びと共に踊る踊る
あの軽やかなステップも、凡人にはとうていマネのできない芸でしょうか。
でも、嬉しい時には誰でもきっとあのような動きになるはず!と思えます(笑)
お顔も、味があって面白いです。すごくいいです


そして、怪演というか、大好演というか、ジョニー演じるウォンカさん

これも登場シーンが意表をついてドキリとさせられます。
みんなと一緒に並んで『うひゃひゃひゃ。。』なんて、変人ぶりがお見事


まるで『ウィリー・ウォンカ』の着ぐるみに入っているみたい。
とにかく、ジョニーが役作りをして奇想天外なウォンカさんを演じたことで、
この『チャリチョコ』がいっそう魅力的になったことは事実。

そしてやっぱりここでもカツラと歯。
今回の義歯は金歯以上の効果を発揮しているように思います。
『被せているな』とはすぐに思いましたが、これでかなり顔の印象がかわるものですね。
装着している本人は、かなりの違和感があったと思いますが、
その表情に表れる効果は絶大です。

笑う顔が、もうジョニーじゃない。
声だってジョニーじゃない。
それが、役を演じるということなのでしょうが、本当にすごい。
タイプは違いますが、ジャック・スパロウの演技についても全く同じ感想です。

ウォンカさんの、子供たちの腹の立つ言葉に対してグサリと突き刺す皮肉が好き。
いい終わった最後の『あはっ!』と小馬鹿にしたような顔も好き。
貰った名刺を見ないで捨てる仕草も好き。
ウンパ・ルンパの歌に合わせて、ニコニコとリズムをとる姿が可愛い。
子供時代を思い出してブルーになる表情も可愛い。
仕草も立ち姿も優雅で美しい

オチャメで可愛くてキュートで純粋。
でも、演じているのは40過ぎのおっさんですから
そのすごさがおわかり頂けるかと思います。

ウォンカさんを際立たせているものは、子供のような心と毒。
この映画も同じように、子供が夢見るファンタジーに溢れ、
その中に盛り込まれたブラックなユーモアが効果絶大

原作はロアルド・ダールということで、ブラック・ユーモアは納得です。
『あなたに似た人』という短編集を読んだことがありましたが、
彼が児童書の作家でもあったということは知りませんでした。

ダールという人も、かなり奇妙な人だったようですね。

ロアルド・ダールとティム・バートンとジョニー・デップ。
混ぜ合わせると、こういう世界の出来上がり。



『家族が大切だよ』『この世で一番大事なのは愛』などということや、
物事の良し悪しというものを、子供に解り易く見せるストーリーだと思います。
しかし、あらゆる場面に散りばめられた毒や皮肉などは、大人が感じて楽しむもの。
子供のための夢のような作品と見せかけて、
実は、大人が味わう最高級のビターなチョコのような映画ではないでしょうか。

大人のための童話の世界をどうぞご賞味あれ


この映画の中で一番好きなシーンはどれかと聞かれたら、
透明なエレベーターの閉じたドアに気付かず激突するウォンカさん、
と答えます

目で演じるシリアスでダークな芸風から体を張ったコメディまで、
ジョニーは何でも来いのマルチな演技力。
豊かな創造性もみごとながら、それを体現できる才能は並ぶもの無し。


ウォンカさんに会いたいです


長い文章にお付き合い頂きましてありがとうございます

この映画は大好きです★★★★★







最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
演技はピカイチ☆ (ゆき)
2006-08-30 23:03:21
でした。本当に、憎らしくなるくらいに…そう、ウォンカには、感情移入ができなかったのです。なので、その点でジョニーさんの演技は素晴らしかった。



多分ストーリーが、ビターすぎて、ちょっと苦手でした。映画自体は良くできていましたし、エンディングは、満足なんだけど。



あぁ、でもラストのウォンカの笑顔はステキ 



こんな事書くと、罵声が飛んできそうだけど…冒険中のウォンカの顔が、おばさんに見えた… またもや私だけかも…



いつも的はずれなコメでスミマセン
返信する
ゆきさん (Rei)
2006-08-31 01:10:09
>冒険中のウォンカの顔が、おばさんに見えた

これ、分かります~!!

私は常々、ジョニーの顔は『女顔』だと思っておりました。

ジャングルの中でヘルメット被った顔は、

おばさんですよね~(爆)



色んな見方があるのが普通だと思ってますので、

的はずれなんかじゃありませんよ☆

そういうツッコミの方が楽しかったりして(笑)



私はこの映画、一度目よりも二度目の方が、

『よく味わったら美味しかった』という印象でした。

ウォンカさんの『イヤな顔』がたまらなく好きです♪
返信する
噛めば噛むほど… (ゆき)
2006-08-31 22:59:27
>私はこの映画、一度目よりも二度目の方が、『よく味わったら美味しかった』という印象でした。



多分、もう一度見たら、感想変わってくると思います。Reiさんの読んでて、もっとちゃんと見ておけば良かった、と反省しきりです。また、見なくては…

おばさんに見えるのは、白く塗っているせいもあるのでしょうね
返信する
ゆきさん (Rei)
2006-09-01 00:26:54
一度目で強烈に印象に残る場合と、

二度観てその魅力に気付く場合と、

一度観てもう観たくないと思う場合と(笑)色々ですね。



そして、映画でも本でも音楽でも、

出会うタイミングというのがあるようですね。

こちらの受け入れ準備がOKかどうか、という。



『日々、生まれ変わる自分に出会おう♪』みたいな、

B'zにこんな歌詞ありませんかね~?

今私が作ったんですけど…(笑)



ジョニーの顔で、特に目が女の目です。美女の目。

そして義歯で顔の骨格が変わって、

しかも白塗り。

それでおばさんの出来上がり、なのかな~(笑)

返信する

コメントを投稿