やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

一陽来復

2017-02-06 | やまがた抄


節分も過ぎ、病院へ向かふ先の空は、驚くほど光りが増してゐました。
雪のない正月でしたので、気を抜いてゐたら連日のドカ雪になりました。

この冬は、クリスマスも年末年始もなく、病院通ひでした。
12月の中旬に義父が倒れ、入院した病院で症状が悪化し、急遽県立の病院へ転院し、年末年始は死の境を彷徨ってしまひましたが、なんとか命の危険は脱し、ひと安心と思ったら、我が家の老婆が施設先で倒れ、緊急入院ー。

一応、検査入院でしたので退院のメドもつき、一月半ほどの病院通ひも終りさうです。

認知症の老人3人を我が家で同居させる手筈はないものだらうか、と話してゐましたが、医師やケア・マネイジャーに相談しても現実的には難しいだらう、との判断で、家人の涙ながらの苦渋の選択を選びました。

一時的に空き家になってしまった実家へ休みごとに除雪に行き、施設に顔をだし、帰りの車のなかで、現実の厳しさに涙があふれます。

一陽来復ー。
この言葉に支へられて、この20年近くを過ごしてきました。
いろいろとあっても、最後には一条のひかりが射すー。

まだまだ、問題は山積してゐますが、明るくなった日差しに委ねたいと思ひます。







初冬

2016-12-04 | やまがた抄


先日、東京の友人から柚子が届き、ああ、そんな季節か…、と季語のやうに師走に入ったことを知る。

早速、採れたての我が家の大根とで酢漬けで食す。
柚子って、ほとんど主役にはならないけれど、絶妙な脇役ー。
そんな、人生がいいー。

久しぶりのなにもない連休でしたので、大根とニンジンをすべて堀りあげ、一部は地中に埋め、目印をつけ、来春のために畝を耕し、雑草も取り、終日畑仕事ー。

今年の畑作業もほぼ終了です。

今年は、まだ暖かく、雪の気配がないのですが、たまたま見かけたカマキリの巣が結構高いところにあったので、存外豪雪になるのかもしれません。



久しぶり!

2016-11-13 | やまがた抄
まだタイヤ交換もしてゐないのに、発達した低気圧のせゐで初雪に見舞はれ、高をくくってゐたら存外道路にも積雪し、夏タイヤのままでヒヤヒヤの通勤をしました。

それでも低気圧一過、さはやかな晩秋の姿になり、庭には白玉ツバキが一輪花をつけ、近くの山は紅葉が美しい。






福島へ移住したかつてのサークルの会長から、数日前、突然メールが来た。
山形のさる文化祭のスタッフとして手伝ひをしてゐるから顔を見せなさいー、といふ。

丁度休みでしたので、会場へ行くと、お元気な姿に逢へました。
かつて、埴谷雄高の『死霊』の全編(!)を読むといふ、壮大で無謀な会でしたが、まったく訳がわからないままに、けれど最後まで皆で読みきりました。

場内を案内されてゐると、小生を呼ぶ声がある。
あれー! と驚くと、この間芋煮会でお会ひした新聞社の方。
そしてまた、別の会で一緒だった方もスタッフで来られてゐて、数年ぶりや7.8年ぶりの方々がずらりー。
少なからず、どこかで繋がってゐるやうです。

久しぶりの邂逅に話がはずみ、まずは忘年会をしやう、といふことになり、そして、高齢化する一方のメンバーがクタバル前に、まう一度『死霊』の再読破に挑まうかー! といふ話にもなり、暫くギア・チェンジをしてゐなかった小生のこころにかすかな動きが出てきさうです。





立冬過ぎて

2016-11-08 | やまがた抄
忙しい仕事の合間の休日は、雑用やら老母や小生の病院通ひやらで追はれ、それらもひと息ついたら、はや11月ー。

知らぬ間に日本に根付いたハローウィンが終ったら、まう、クリスマス・ケーキをどこで買ふか、といふ話題が出始めてゐる。残りのカレンダーもあと一枚ー。

今年の春先、ひと冬をなんとか乗り越へた絹サヤとソラマメの小さな芽を、”雑草かと思ったー”といふ老母にことごとく抜かれてしまひ、言葉もなくして、仕方がなく代理のスナップエンドウを急きょ蒔いたけれど、やはり軟らかい絹サヤが食べたく、10月の中旬に、グリーン・ピースとともに種を蒔いた。



”みぞれが降り出しさうな直前がいいんだよー!”といふアドヴァイスも頂いたけれど、毎日空を観察できる余裕もなく、芽がでないよりはー、と思って蒔きましたが、3種類とも、ここにきて小さな芽を出してしまった。

果たして、これからの長い雪の季節を乗り越へられるのか、不安だらけですが、なんとか半分でも春まで生き延びてほしい、と願ふばかりー。



芋煮会

2016-10-17 | やまがた抄
娘の里帰りや、老母の精密検査や、不意の葬式やら(人の死は、いつも突然ですがー)慌ただしい日々のなかで、なんとか恒例の芋煮会を済ませました。

小生の都合に合はせて頂いてゐるので、また、小生の畑のサトイモを持参するので、なんとしても決行しなければなりません。

今回は、料理好きな方が初参加で火おこしや調理はすべてお任せし、小生は最終の味見だけといふラクチンな会でした(とはいっても、味が薄いの、旨みがないの、となかなかファイナル・アンサーにはたどり着きませんでしたがー)。



10月の中旬で野外といふのは会としても初めてに近く不安視してゐましたが、まるでピンポイントのやうに爽やかな秋空で、馬見ヶ崎の河原も超人だかりでした。





汁だくだったおかげで、シメのカレーうどんも美味しく出来上がり、半年ぶりや、一年ぶりの方々の邂逅に話がはずみました。

会としてのイヴェントは数ヶ月先の餅つき新年会になり、ではまたー、と再会を約束してー。






庄内へ

2016-09-25 | やまがた抄
毎年秋の恒例の栗拾ひ&BBQが諸事情で叶はず、代はりに庄内へ釣りの一日としました。

釣堀も含めて、釣り糸をたれるなどは数十年ぶりで、すべて娘のダンナさんにまかせて朝の6時前には到着ー。



朝日があがるのを見ながら、細工をしてもらひ、アジが数匹あがりましたが、その後は皆も含めてさっぱりで、場所を移動ー。

途中立ち寄った道の駅から眺めた日本海の穏やかな美しさといったらー。



天気にも恵まれ、アジやキスやサバや、そのほか色々ー。
なんとか、夕食分はあがり、ほっと安心ー。

一番数を揚げたのが、流石に孫娘で、その次は、なんと家人!
事前に、初心者用の竿を用意してゐたのですが、まう一本買って、また行くかー、といふ話にー。

それにしても、まったく穏やかな海で、ボーッと竿の先を眺めた一日はある意味、とても有意義でした。





秋隣り

2016-09-05 | やまがた抄
忙しい最中、せかされるやうに秋野菜の種蒔きを済ませました。
大根、白菜、タマネギ、ニンジン、等ー。

秋野菜はタイミングが難しく、大根、白菜は一週間おいての二回目です。
隣家の方曰く、”種蒔きを3日間違へると育たないー”といふのですが、そこまで精細にはできません。

まあ、なんとかなるだらう、とひと休みすると、トンボも休んでゐました。



すでに、空と風がすっかり秋の気配で、通勤途中の道すがら、果実の無人販売が始まってゐます。



ナイヤガラを買って来ました。これで2百円、です。
次に出てくるスチューベンを楽しみにしてゐます。







守護神のやうに…

2016-08-31 | やまがた抄


観測史上、初めて台風が東北を横断するかも(それも大きな台風がー)と、戦々恐々としてゐましたが、台風一過の空になりました。

それでも、行く手の岩手や北海道で甚大な被害が生じ、心が痛みます。
いつも思ふー。何故、あのやうな急峻な場所に、施設があるのかー。まあ、理由は察しできますが、濁流に呑まれた方々の断末の声も消されてしまひます。


仙台辺りに上陸し、山形を直撃するやうな予想進路でしたが、やはり、山形には台風は来ませんでした。

数年前にも、会津あたりまで来てゐた台風が急カーブをして太平洋側に抜けました。
きっと、奥羽山脈のおかげです。

冬は雪をもたらし、夏は暑さをもたらしますが、かの山脈は守護神のやうに山形を守ってくれてゐます。
5年前の震災時、福島の原発事故の空をなめた風が、まうすこし強く吹き続けたら山形盆地は全域が汚染されたはずです。
でも、かの山々が、きっと自らは幾ばくの汚れを受け止めて、踏ん張って風が乗り越へるのを防いでくれました。

先日、三重県からのお客さんと話をしてゐました。
”はじめて来ましたが、穏やかで、よいところですねー”との感想に、
”ええ、山が守ってくれてゐますから!”と、自信をもって返しました。







仕合せ

2016-08-28 | やまがた抄
月山へ行ってきました。



朝になっても雨がやまず、グズグズとしてゐたのですが、せっかく休みをとったのでダメもとで出掛けました。
8月下旬では、お花畑は、まう無理かしらん、と思ったのですが、残りの花々が天上の花畑の片鱗を見せてくれてゐました。



土曜日でしたが、結構な登山客の数で、人気のほどが伺へます。
それにしても、幾度来ても、まったくよい山です。

雪に覆はれた”死の山”のイメージは、夏の緩やかな稜線の姿では一変し、その姿を見ながらのお握りの美味しかったことー!

なんとか天候も回復し、白く輝く雲海の先には鳥海山も望めー、



帰りがけ休んだ、湯殿山ルートからの分岐路には、この地が信仰の聖地である名残りの石碑が残ってゐました。



そして、写真は撮れなかったのですが、その場所を守るやうに、数匹のオゴジョが顔を出してきました。
その愛くるしい顔に、またくるよ、と声をかけて幸せな登山を終へました。



大江町

2016-08-16 | やまがた抄
今年は仕事先が例年になく忙しく、身体を休めるのが精一杯で、更新もままならずー。

そんななか、最近すっかり”花火大会”にはまってゐる娘の案で、昨年に続き、今年は大江町の花火大会へー。

混み出す前の3時ころにビュー・ポイントといはれる橋の付近に場所をとり、若者で賑はってゐる旧い町並みへー。



仕事や山菜取りやテニスや温泉入浴やらで、ずゐぶんと訪れたところですが、ゆっくりと歩くのは初めてで、かつては紅花運搬の中継地として賑はったといふ片鱗が威風堂々と残ってゐる。

かつては、荒くれ男達のための色町もあり、初夏にはヒメサユリの可憐な花が咲き、荒縄で持ち帰るといふ固い豆腐も有名で、なにやかにやと小生の好きな、小さな街です。

陣取った場所が絶好の場所だったのか途中で疑問が生じるほど、実は、三ヵ所から花火があがり、首が痛くなるほどでした。



独特の色合ひのある花火大会で、街のすぐそばで大輪の花が咲き、街の人達も十分に承知してゐて、皆、庭先や玄関先にテーブルを持ち出し、ビールを飲みながら一夜を楽しんでゐました。

きっと、年に一度の賑はひの夜を、地元の人も楽しんでゐる風情でした。

秋になったら、静かに歩いてみてもよいかな、と楽しみが出来ました。