代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

ヒラリーが大統領になれば世界大戦の危機は高まる

2016年10月14日 | 政治経済(国際)
 諸事情でブログの更新がままならずにおりました(真田丸の感想を除く)。すいません。

 さて、アメリカ大統領選まで一か月。もうトランプがヒラリーを逆転するのは難しそうだ。アメリカの軍産金融+メディア複合体が総力を挙げてヒラリーを応援し、トランプを潰しにかかっている。これだけやられると、お手上げな感じ。どうにもならない。それでもなお、トランプに投票しようというアメリカ人が40%超はいるという事象そのものが、軍産金融複合体のエスタブリッシュメント支配は終わるという近未来を予見している。勝てなくても、トランプ旋風の意味は大きかったと思う。

 第二回討論会の様子。シリア内戦についての以下の部分を見てほしい。(同時通訳は、なぜかトランプの発言になるとちゃんと訳せていないのだが・・・・・)


【日本語訳】⑦2016年アメリカ大統領選挙 第2回 討論会Part7 ヒラリー・クリントン氏vsドナルド・トランプ氏



 シリアの反政府軍ヌスラ戦線の最後の拠点となっているアレッポを、アサド政権とロシアが攻撃し、女・子供を含む民間人が多数犠牲になっている。
 これについてヒラリーは「ロシアの野心は恐ろしい。ロシアはシリアに全面的に関与し、支配しようとしている。私はプーチンと渡り合うことができる」と述べ、アサド政権とロシアに対する敵対心を煽るだけだ。

 ヒラリーが大統領になれば、米国はヌスラ戦線のような反乱軍にさらに大量の武器をばら撒き(その武器はISにも流れるだろう)、シリアの内戦はさらに泥沼化し、米ロの緊張は一気に高まり、民間人の犠牲者と難民の数はさらに増え、世界大戦の危険性は高まるとしか思えない。恐ろしい・・・・。
 
 それに対してトランプは、「あなたはアサド政権とロシアを批判し、反乱軍を支援し、反乱軍に武器を供給しようとする。反乱軍に武器を与えてどうなるのか、もっとひどい状況だ。あなた方が反乱軍を武装させ、何かしようとするごとにさらなる悲劇が発生する。ISISをつくったのはあなた方だ。私もアサドは嫌いだ。しかしアサドもロシアもイランもISを殺している。アサドとロシアとイランの連携は深まっている。これもあなた方(オバマとヒラリー)の外交の失敗の結果だ」と。

 トランプが問題の核心をつくこうした発言をすると、司会者はトランプの発言を遮ろうとする。ヒラリーは時間を超過してしゃべっても何も言われない。ひどいものだ。

 アメリカがアサド政権を倒すために、「ヌスラ戦線」を含むシリアの反乱軍に武器をばら撒かなければ、こんな戦争は起きていないし、ISも生まれていない。民間人が巻き込まれ、「人道的危機」も発生することはなかった。「人道的危機」を作り出した張本人が、自分の責任を棚にあげて、アサドとロシアの責任にするとは厚顔無恥も甚だしい。

 軍産複合体言いなりのヒラリーは、さらに武器をテロリストにばら撒いて、さらなる惨劇を招くが、トランプならば中東の悲劇を終わらせられるだろう。
 シリア問題やイラク問題に関する限り、トランプの主張が正しい。当面、シリアの内戦を止めようと思えば、アサドがいかにひどい人間でも、当面黙認し、ロシアとも提携してISをたたくのが最優先であろう。テロリストがシリアを掌握するよりは、アサドの方が百倍ましだ。
 アメリカが武器をばら撒いた反アサドのヌスラ戦線が、ISと何が違うのか私にはわからない。IS同様の過激なテロリスト・グループにしか見えない。
 かりに、あり得そうもないことだが、アメリカの軍事援助のもとに、ヌスラ戦線など反アサド派の反乱軍がアサド政権を倒してシリアを掌握したとして、アサドよりもまともな政権をつくるとも思えない。

 だいたいアフガニスタンやイラクでアメリカが空爆をして民間人にどれだけの死傷者が出ても、「付随的損害(Collateral Damage)」と呼んで涼しい顔をしているのに、アサド政権が空爆をしてアメリカが支援するテロリスト・グループが叩かれると、やれ「人道的危機だ」「戦争犯罪」だと騒ぎ立てる。こんなダブルスタンダードが許されてよいものだろうか?
 
 
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3 コメント

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Unknown (12434)
2016-10-22 23:10:47
トランプ氏の支持率上昇、クリントン氏に4ポイント差まで迫る
http://jp.mobile.reuters.com/article/idJPKCN12L2UD
ロイター

やはり、トランプの方がまだマシだ思っているアメリカ人はかなり多いですね。
カオナシの絶望に取り囲まれた絶望の出口。 (睡り葦)
2016-10-30 18:25:32

 カオナシの絶望は「自分であろうとしない絶望」であろうと思います。ヤツらの思う壺ですね。
 海の上を走る電車に乗っているような人びとを見て心が痛みます。
 たしかに、この記事で関さんが示唆されるように人類が「死に至る病」に取り憑かれているのだと思います。

 関さん、10月07日の記事コメント欄における丁寧なご応信ありがとうございました。
 西郷そして大久保の薩摩は今こそ、アングロサクソンの走狗となった長州日本に対する再変節をおこない、明治維新以降150年の償いをすべきであると思います。

 じつは、関曠野氏が明治維新政府を「自国民を植民地の原住民のように扱った」と喝破されたことをながらく忘れることができずにおりましたところ、今般の「沖縄土人」事件によって「原住民のように」どころではなく近現代日本において私たちは土人以外のなにものでもないのだとつくづく思い知りました。

 そこで投稿名をあらためるにあたり「土人同盟」にしようと思いました。しかし、いかんせん一人では同盟にはならないことから、湖畔の一本のヨシになぞらえたネーミングとさせていただきます。

 やがて、ヒラリー・クリントンの「状態」いかんにかかわらず、今般のFBIの動きとその背後にあるものへの「期待」むなしく戦争勢力が寄生する民主党側に政権が転がり込んだ場合、経歴背景が謎めいているとされるティム・ケインを経由して誰が核のボタンを握るのでしょうか。

 少しさかのぼりますと、19世紀後半以降の日本の命運を決めた「明治維新」は、20世紀初頭に英国においてマッキンダーによって定式化されたグローバル戦略の一部としての「内外三日月帯」戦略によるものであると思います。
 そして、Paul Craig Roberts 氏が現在の世界を規定しているものとして繰り返し注意を喚起される「 the Wolfowitz doctrine 」は、このハートランド(ロシア)制圧戦略を引き継いだものであると。

 ポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)とともにソ連崩壊後の世界制覇プランをまとめた二人の国防次官補のうち、I・ルイス・リビーがアベ・シンの背景にいるとのことですが、この筋が「連合」とノダという両妖怪の背景にいるとすれば、あいかわらずのプロットに合点がいきます。

 ただし、どうしても合点がいかないのが、彼らが米国軍産複合体とTPP勢力(国民国家を奴隷にしようとするグローバル資本)のために、核戦争で人類を滅亡させる結果をみちびくという「心理的」メカニズムです。
 支配本能が生存本能を麻痺させるのか。2011年のフクシマ核爆発以降、「お化け屋敷に化した世界」にいるような気持ちからのがれることができません。

 神にたよらず、絶望からの出口を穿ちましょう。
今後ともよろしくお願いいたします (関)
2016-11-04 15:54:27
睡り葦さま

 ハンドルネームの変更、了解いたしました。今後ともよろしくお願いいたします。
 家近良樹編『もうひとつの明治維新』の中の、高橋裕文氏の論文拝読させていただきました。
 高橋氏の論文の内容には全く賛同いたします。拙著の中で、高崎正風などの反西郷・大久保派についての分析を落としてしまっていたのに気付いて、「しまった」と思った次第です。

 赤松小三郎と高崎正風のあいだにも何らかの交流があったと思われます。今後の研究に期待いたします。
 
 ヒラリーに関しては、たとえ勝ったとしても、彼女の犯罪は隠しようがないので、早々に退陣になりそうですね。本当に刑務所に行くべき人物です。

 そうすると、睡り葦さんの推測のごとくティム・ケイン大統領ということになるのでしょう・・・・。これはイヤですね。
 奇跡の大逆転を祈ります。

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