代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

真田丸 第45回「完封」感想

2016年11月13日 | 真田戦記 その深層
 ついに物語はクライマックス。
 冒頭の福島正則と平野長奏と信之のシーンよかったです。これまで、徹底して小物に描かれてきた平野長奏までここにきて株を上げました。平野さん、なんだかんだと源次郎と長い付き合いですからね。登場人物たちを使い捨てにせず、最後まで描き切るところもじつにいい。

 真田丸のオープンセットはどこに造られたのか。千葉県某所としか知らされておらず、極秘にされていましたが、オープニングのテロップを見ると、ロケ地は千葉の大多喜町内だったのでしょうか? 本多忠勝の城下町。ドラマゆかりの地といってよい場所ですね。

 当時の大多喜城主は本多忠勝の次男・忠朝でした。ドラマには登場しないようです(前回名前だけ登場)。真田信政の従兄ですし、夏の陣で壮烈な討ち死にを遂げることもあり、チラッとでも登場してほしい・・・。(今後登場があるのかないのかわかりませんが・・・・)
 
 真田丸を囲んだ徳川勢は、最前列に前田隊そして、その隣には井伊の赤備えが・・・・。

 高梨内記が「向こうにも赤備えがありますなあ」とつぶやくと、
 幸村は「かの井伊直政殿の次男、直孝殿じゃ。向こうにも、ここに至るまでの物語があるのだろうなあ」
 内記「いちど聞いてみたいものですなぁ」

 なんと、この会話、ちゃっかり来年の大河「おんな城主直虎」の番宣になっているではありませんか。言われてみて、今年と来年二年続けて赤備えの物語であるということに気づきました。
 来年一年かけて、井伊がなぜ赤備えになったのか、私たちは知ることになるわけです。きっと井伊の赤備えにも、武田の赤備えを継承したという以上の、ふかいふかい物語があるのでしょう。この会話、幸村と高梨内記からの来年の大河への最大のエールになっていました。
  
 合戦シーンの徳川軍(前田軍)は、上田市民、東吾妻町民、大多喜町民のエキストラだったそうです。いずれも、真田丸ゆかりの地ばかりです。なかなか粋な計らいでした。突撃するシーンも、やられて死体になるシーンも、なかなか素人の演技には見えない迫力ある動きだったと思います。やはり、あれだけ大量のエキストラが参加すると合戦シーンは見応えがありますね。
 真田大助役の浦上晟周さんの初々しい演技がすばらしかったです。

 幸村が徳川軍に完勝するさまを上杉景勝と直江兼続が見届けているときの、二人の表情がよかった。自分たちのくやしさを幸村が晴らしてくれたという感じで、御館さまが感極まって泣きながら、笑いながら、「日の本一の兵(つわもの)、真田左衛門之佐~!」と叫ぶシーン。こちらももらい泣きして、ウルっときました。あの二人の表情、本当によかったですね。
 景勝が泣くこのシーンを見て、これだけもらい泣きできるのも、春日信達の「調略」の悲劇から、虚空蔵山城での「戦芝居」から、信繁の人質時代の「鉄火起請」から・・・・・・、これまで繰り広げられてきた数々の景勝・兼続主従と源次郎のエピソードの全てが、この御屋形様の涙につまっているからだと思います。
 当時、景勝がどのような気持ちで冬の陣に参加していたのだろうと思うと、実際、あれに近い感情があったのではないでしょうか。
 
 戦が終わって、幸村が大助を抱擁するシーンとうれしそうな大助の顔も本当によかったです。

 いよいよ残すところあと5回。最後まで心して視聴します。
 

 
  

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