暁の翼

短編小説・ツイッターで呟いたネタの保管庫でございます。

妻のその手をくすぐれば

2017年03月03日 20時57分10秒 | TFクロスオーバー
ビッグコンボイ×ブレイク

広く、大きな会議室。そこの席にサイバトロン戦士が座り、会議をしている。グランドコンボイが司会となり、会議は進んでいく。隣同士の席に座り、ビッグコンボイとブレイクは渡された資料に目を通していた。
「今回選定予定の最新鋭武器の資料がこのページになります。」
グランドコンボイの説明に皆が資料のページをめくる。ビッグコンボイは机に肘をつき、資料を見てからつまらなそうに小さく息を吐いた。
「この候補であるAですが、こちらは軽く、扱いも楽です。対してBは・・・」
司会のグランドコンボイの説明を流してビッグコンボイは隣に座っているブレイクを見た。ビッグコンボイに対してブレイクの方は真面目な顔をして資料に目を通している。ペンで文章の一部に線を引いてからブレイクは資料を机の上に置いてそれを眺める。その時、資料に手を置いているブレイクの左手にビッグコンボイは目が止まった。

「・・・!」

ブレイクはビッグコンボイをちらりと見る。こちょこちょとビッグコンボイは指先でブレイクの掌をくすぐる。横目でブレイクを見てビッグコンボイはマスクの下でニヤリと笑う。ブレイクはすっと一瞬頬を赤く染めるもすぐにニッと笑ってくすぐり終えたビッグコンボイの右の掌をくすぐり始めた。ちらりとブレイクを見るビッグコンボイにブレイクはクスクスと笑いながら掌をくすぐる。ブレイクがくすぐり終えると今度はビッグコンボイがブレイクの掌をくすぐる。そうして二人は互いの掌をくすぐり始める。そのくすぐりはエスカレートしていきブレイクはビッグコンボイの腕に抱きつき頬をすり寄せる。そんなブレイクにビッグコンボイは彼の髪に鼻先を埋める。たちまち二人の空気はピンク色に染まっていく。二人の隣に座っている戦士達はまたかと呆れ返る者、げんなりする者と反応は様々である。
「今後の予定としては・・・っておい!!」
資料から顔を上げたグランドコンボイは思わず声を荒げた。彼の視線の先には会議中にも関わらずイチャイチャベタベタしているビッグコンボイとブレイクの姿があったからだ。
「そこのショタ野郎と馬鹿ペンギン!!今は会議中だぞ!!少しは自重しろ!!!」
怒鳴るグランドコンボイをよそにビッグコンボイは表情を変えずにブレイクの頭を撫でた。
「お前の司会はつまらなくてあくびが出る。」
「何?!」
わざとらしく頬杖をつきながらビッグコンボイは会議の資料を片手に取った。
「それにこの会議の内容も俺には興味がない。」
そう言ってビッグは椅子から立ち上がるとひょいと隣のブレイクを抱き上げた。
「今日は休みの前の日だ。早く家に帰りたいから俺達はここで失礼するぞ。」
「おいちょっと待てショタ野郎!!」
グランドコンボイの言葉を無視してビッグコンボイはスタスタ歩き出すと会議室の扉を開け、廊下を歩いていく。それをグランドコンボイが追いかけて怒鳴った。
「おいふざけるなこのショタ野郎!!!」
グランドコンボイの怒声などビッグコンボイが聞くはずもなくそのまま後ろを振り返らず歩いていく。思わず武器を取り出そうとしたグランドコンボイにロングラックとホットショットが慌ててグランドコンボイの腕を掴んだ。
「ぐ、グランドコンボイ司令官、何を言ってもビッグコンボイは止められませんから!」
「そうですよ!それに二人がしてた掌をくすぐる行為は・・・」
相手の掌をくすぐること。それは接続。求める意味で相手がそれを返せば了承という意味となる。ふざけていたら抑えられなくなったのだろう。ビッグコンボイとブレイクが二人の世界に入ってしまったら止められる者は誰もいない。あのまま二人は家に帰って甘い時間を貪るのだろう。グランドコンボイを押さえながらホットショットは必死に思考を無にした。
「ぐぬぬ、あの嫁馬鹿マンモス・・・!」
ギリギリと歯ぎしりをしながらグランドコンボイはふるふると両腕を震わせた。
「人を馬鹿にするのもいい加減しろよクソ馬鹿野郎〜!!!!」
廊下にグランドコンボイの絶叫が響き渡る。

その後、ビッグコンボイの部屋にげんなりした顔で報告書を届けにいくロングラックの姿とイライラしまくっているグランドコンボイを宥める副司令のスカイファイヤーがいたらしい。

この手のひらを擽る行為ネタがツイッターのフォロワーさんが呟かれたので書いたもの。バカップルビグブレ。その被害を一番被るのはグランドコンボイ(笑)